(女子)住吉、江川のワンツーフィニッシュ! 男女アベック優勝果たす/東日本学生選手権

  東日本学生選手権(東インカレ)最終日。男子7、8級に引き続き、女子7、8級の演技が行われた。明大からは4人が出場し、住吉りをん(商3=駒場学園)が圧巻の演技を見せ連覇。江川マリア(政経3=香椎)が2位、元榮愛子(商2=目黒日大)が7位入賞の成績を残した。堀見華那(商4=愛知みずほ大瑞穂)は25位と悔しい結果となるも、女子部門で団体優勝を収め、4人全員が笑顔で表彰台の頂上に登った。今大会、明大は男女団体アベック優勝を達成。今シーズン目標とする日本学生氷上選手権制覇に向け、着実に一歩を踏み出した。

10・11〜13 東日本学生選手権(ALSOKぐんまアイスアリーナ)

▼団体成績

 東京選手権(ブロック)ではミスが重なり、涙をのんだ住吉。しかし、その悔しさを払拭するような洗練された演技を今大会では披露した。冒頭、ダブルアクセルのコンビネーションジャンプを軽やかに着氷すると、続けてブロックでは避けた4回転トーループに挑戦する。これはダウングレードの判定となり「練習より締め切れなかった」と悔しさを見せたが、成功のビジョンは十分に見えているようだ。「過度に緊張することなく、すごくいい気持ちで臨めた」と課題と話していたメンタルも克服。後半に入っても集中力を維持し、演技を完走し切った。大きなミスなく演技をまとめ上げた住吉は135.72点を記録し、2位に大差をつけて連覇を果たした。

(写真:笑顔で演技を終えた住吉)

 曲調に合わせた多彩な表情で『トゥーランドット』を演じた江川。冒頭の3回転ルッツで転倒するも、その後は大きなミスなく演技をまとめ上げた。「(転倒後は)一瞬動揺してしまったが、曲が始まったら曲は止まらないので、その後は練習通りと思って心を一旦落ち着けられたのが良かった」と振り返った。自信のあるジャンプと語るダブルアクセルと3回転トーループのコンビネーションジャンプでは、幅のある美しいジャンプを決めGOE(出来栄え点)は1.40を記録。後半の3回転サルコーもしっかりと着氷し、華麗なレイバックスピンで締めくくった。

 豊かな表情で氷上を舞い、多くの観客を魅了した江川。表現面について「『トゥーランドット』のスローパートと強いパートの違いを見せられるように頑張っていて、今大会は前回のブロック(東京選手権)の時より表現は少し成長しているのかなと思うので、そこはもっと伸ばしていけるように頑張りたい」と確かな手応えをつかんだ。次なる大舞台へ向け、さらにプログラムを磨いていく。

(写真:表現で魅せた江川)

 「大きな声でたくさん応援してくれて、すごくうれしいなと思った。滑っていて楽しかった」と笑顔で演技を振り返った元榮。冒頭のコンビネーションジャンプを着氷すると、優しいメロディーに合わせ丁寧なスケーティングを見せる。その後のフライングキャメルスピンはレベル4を獲得し、会場では拍手が湧いた。演技中盤、壮大な曲調へと変化するにつれて、元榮のスケーティングも力強くスケールの大きいものへと変化した。構成通り全てのジャンプを着氷させ、安定感のある演技を披露した。TES(技術点)、PCS(演技構成点)はともに前大会のブロックよりも高い点数を記録し、結果は7位入賞。それでも調子は「50パーセントいかないくらい」と振り返る。課題は「止まりそうだった」と語る後半の演技。今大会の収穫を胸に、次なる舞台である東日本選手権(東日本)でベストな演技を披露できるよう調整を重ねる。

(写真:安定感のある演技を見せた元榮)

 〝大学の試合に出て、大学に貢献する〟ことを今シーズンの一番の目標に掲げていた堀見。大学対抗の大会への出場は1年時の東インカレ以来3年ぶり。久々の舞台を後に「みんなもすごくいい演技だったので、その流れに乗っていい演技をしたいなと思っていたが、少し力が入り空回りしてしまった」と悔しさをにじませた。優しく響く音色に合わせ丁寧な滑りで演技に入り、冒頭のコンビネーションジャンプを着氷。その後はブロックから今大会に向け調整を続けてきた3回転ループを2本組み込む構成で挑むも、思うようにまとめることができず。「ジャンプだけで言えばいい感じにはなってきていたけれど、プログラムに入れるとなると余裕が必要になってくるので、そこまではできていなかったという印象だった」と実戦での難しさを口にした。それでも、演技後半は逆回転のスピンや笑顔あふれる軽快なステップシークエンスで会場を沸かしリンクを後にした。たくさんの声援を受け「応援はすごく力になった。すごく(声援が)聞こえてきて、一人でやっている感じがなくて楽しかった」と充実した表情を見せた堀見。ラストシーズンに懸ける思いは人一倍。目標達成に向け、一歩ずつ着実に歩み進める。

(写真:3年ぶりの舞台に立った堀見)

 うれしさ、悔しさの入り混じる大会となった東インカレ。男女アベック優勝というこれ以上ない、いい形で幕を閉じたが、選手たちはそれぞれが理想とする演技を目指し続けている。今後迎える大舞台へ向け、さらなる進化を遂げるプログラムから目が離せない。

[髙橋未羽、大島菜央]

試合後のコメント
住吉
――東京選手権から10点近く点数が上がりましたが、ご自身ではどう思われますか。
 「まだまだ上げられる部分がたくさんあるので、この試合に関しては満足してもいいと思うんですけど、ここで満足せず今シーズンやっていく上で140点台はしっかり乗せなくてはなと思います」

――GPシリーズ(グランプリシリーズ)に向けた意気込みをお願いします。
 「フランスは去年4回転を決めた地なので、今日はジャンプに関してはあと4回転だけというところだったので、そこに4回転をしっかり投入して降りることが目標です。それ以外にも取りこぼしたスピンだったり、回転不足がついたところがあるので、それは試合のメンタルという部分ではないところなので、しっかり練習して、底上げして臨めたらなと思います」

江川
――本日の演技振り返っていただいて、特に良かった点はありますか。
 「今日は課題の方が多かったかなと思うんですけど、練習でも体力自体は全く問題なくて、最後のステップまでしっかり動けるようになっているので、それが今大会もしっかり最後まで動くことができたのは良かったかなと思います」

――東日本に向けて意気込みを伺いたいです。
 「もう東日本ということで、しっかり全日本(全日本選手権)につながる試合にできるように、今大会のことも踏まえて、もっと自信を持って挑みたいなと思います」

元榮
――本日の演技を振り返っていかがですか。
 「ジャンプは全部一応着氷できたので良かったと思うんですけど、最後の方はすごく(演技が)止まりそうになってしまったのでそこが反省だなと思います」

――次戦に向けての意気込みを伺いたいです。
 「せっかく東(東日本)まで進めたのでしっかり自分の持っているものを出せるように頑張りたいです」

堀見
――東インカレの出場は今シーズンの目標としていた舞台の一つだったと思います。緊張感はございましたか。
 「緊張は少ししていたんですけど、それよりもやはりみんながリンクサイドで応援してというのは大学の大会でしかないので、それが結構楽しくて。演技中は拍手や最後のステップで手拍子してくれたりだとか、そういうのはすごく楽しくはできたんですけど、もう少しジャンプを決めたかったなという気持ちがあります」

――東日本に向けての意気込みを伺いたいです。
 「今まで十何年スケートをやってきて、たくさんいろいろな経験をしているんですけど、それを全部生かして、もうこれ以上悔いがない、やり切ったと思えるくらいの演技ができるように、あと2週間気を引き締めて練習に励みたいなと思うので、ベストが出せるように頑張りたいです」