
(男子)表彰台独占! チームでつかんだ団体優勝/東日本学生選手権
東日本学生選手権(東インカレ)最終日には7、8級の演技が行われ、佐藤駿(政経3=埼玉栄)が4回転ジャンプを3本着氷する圧巻の演技を見せ優勝。大島光翔主将(政経4=立教新座)が2位、菊地竜生(政経2=目黒日大)が3位と前大会である東京選手権(ブロック)に引き続き、見事表彰台を独占した。この結果を受け、明大は団体優勝。3人が笑顔で表彰台の頂上に登った。
▼10・11〜13 東日本学生選手権(ALSOKぐんまアイスアリーナ)

▼団体成績

ブロックで圧巻の演技を披露した佐藤は、大きな歓声を受けて今大会の演技に臨んだ。演技冒頭は予定していた4回転ルッツを直前で3回転に変更し、着実に成功させる。4本目の4回転トーループはGOE(出来栄え点)で3点近く加点されるなど、ブロックからより洗練された姿を見せた。しかし「加点のつくようなジャンプはあまり跳べなかったというか、アクセルもあまりいいアクセルは跳べなかった。もっといいジャンプは跳べたと思う」と現状に満足せず、さらなる高みを目指す。佐藤は高い表現力とスケーティング技術が噛み合った演技でブロックと遜色ない得点を記録。2大会連続で優勝を飾った。

最終滑走として大歓声を受け演技を披露した大島は、試合後「本当に情けなくてみっともない演技をしてしまった」と悔しさをにじませた。『デスペラード』の優しい音色に乗せ冒頭の3回転ルッツを着氷すると、続くトリプルアクセルもしっかりと決める。その後は段々と壮大になっていく曲調に合わせリンクを大きく使い、情感あふれる演技で観客を魅了した。しかし、後半のコンビネーションジャンプやスピンを思うようにまとめることができず。2位につくも「正直今回の試合で良かった点は本当にないと言っても等しい」と厳しい表情で演技を振り返った。
声援を背に、伸び伸びとした表情で氷上を舞う大島の姿は多くの人の目に焼き付いたはずだ。「ブロックの時は無観客ですごく緊張した試合だったけれど、今回は本当に観客の皆さんの応援もあって、そして何よりも明大の後輩たちの応援がすごく力になって、それは自分にとって緊張をほぐしてくれたというか、自分が気持ちよく滑れた要因になった」。次戦である東日本選手権(東日本)、そして全日本選手権(全日本)でも、大きな声援を力に華麗な滑りを見せてくれるだろう。

アシタカをイメージした衣装に身を包んだ菊地。今大会でもダイナミックな演技を披露し、佐藤、大島に並んで表彰台入りを果たした。演技冒頭、3本のジャンプを全て着氷し曲の流れに乗ると、弓を引く動作などを取り入れたこだわりの振り付けで世界をつくり込む。「最初の3本は自分の中でもすごくきれいにはまったと思う」。しかし後半に入ると疲れが見え、ジャンプが抜けてしまうなどのミスがあった。「最初のジャンプを絶対降りるぞという気持ちがあり、そこにすごく集中していたため前半に力を使い切ってしまった」と振り返り、東日本でのさらなる成長を誓う。

初の団体戦に臨んだ丸山英希(法1=宇都宮短大付)。6分間練習の時から3回転ジャンプの調子が悪く苦しいスタートに。冒頭の2本の3回転ジャンプで転倒し、その後のダブルアクセルやフリップも思うようにまとめることができなかった。「一つ一つのジャンプが集中してできていなかったので、もう少し一つ一つ集中してできたら良かった」と悔しさを浮かべた。しかし、後半のフライングシットスピンやコレオシークエンスでは『ロミオとジュリエット』の壮麗な曲調に合わせ華麗に滑り切り、会場では拍手が湧いた。団体戦デビューは悔しい結果となったが、明確な課題が見つかった収穫のある大会となり「ブロックと東インカレでは、ジャンプの調子が悪くて全然自分の力が発揮できていないので、 東日本は絶対に自分の力が発揮できるように頑張りたい」。2週間後に控える次戦に向け、調整を続ける。

表彰台を独占し、確かな実力を見せつけた明大勢。今大会で見つかった課題を克服し、目標とする日本学生氷上選手権(インカレ)優勝に向け、さらなる進化を遂げるだろう。
[髙橋未羽、大島菜央]
試合後のコメント
佐藤
――点数についてどのように思われますか。
「点数もすごく高いというか、まずまずの点数だったと思っています。ただもっとPCS(演技構成点)や、スピン、ステップなどで、もっと点数が取れたなとプロトコルを見て思ったので、そこを2週間後のグランプリ(GPシリーズ)までに直していけたらいいかなと思います」
――明大のメンバーとしての目標はいかがでしょうか。
「まずこの東インカレで団体でも個人でも優勝することができたので、インカレでも個人と総合と両方で優勝できるように頑張っていきたいなと思います。昨シーズンはインフルエンザでインカレに出場することができなかったので、今シーズンはその思いというか、その分頑張っていけたらいいのかなと思っています」
大島
――今大会では、演技前にもかかわらずと明大の選手の応援に駆けつけていましたが、応援で力を入れていることはありますか。
「本当に早いもので僕も4年生で、最後の東インカレということで、寂しさもありつつ、やはり大好きな応援を残り少ない数ですけど、後輩に向けてしてあげたいなというところが強かったです。僕も応援したいですし、それで後輩も元気をもらって気持ちよく滑ってくれたらなというふうに思っていたので、本当に主将としてというか、先輩として応援は気持ちを入れていました」
――団体では1位で終わりましたが、その結果を踏まえて主将としていかがですか。
「本当にこれ以上ない結果だと思いますし、個人でも表彰台で1位、2位、3位に乗れたということで、それは非常にうれしいことですし、この東インカレの結果を受けて、インカレでも表彰台独占して優勝できるような、またそれを目指して頑張りたいなというふうに思いました」
菊地
――ジャンプを振り返っていかがですか。
「やはり普段の練習では降りているジャンプなので、一応練習の曲かけでも着氷はできているんですけど、やはり試合の空気感とか、試合ならではの疲労感みたいなもので失敗が増えていくので、今後東(東日本)も出てだんだん慣れていきたいと思っています」
――振り付けや表現の面でのこだわりを教えてください。
「出だしから蝶々が舞うシーンやネックレスを外すシーン、コレオでは弓を放つシーンなど、いろいろな動きを取り入れているので原作と照らし合わせて楽しんで見ていただきたいです」
丸山
――現在のスケートの調子はいかがでしょうか。
「練習だと調整はうまくできているんですけど、試合となると全然うまくいかなくて。試合で言えば調整はうまくいっていないです」
――明大の代表として戦う初の大会で、個人戦とは違った雰囲気があったと思いますが、試合を通していかがですか。
「やはり先輩方に応援されてとてもうれしかったんですけど、その応援に応えられなくて悔しいです」
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