
2回戦で惜敗 最後の一本は代表戦/全日本学生優勝大会
団体戦で日本一の座を争う、第72回全日本学生剣道優勝大会がAsueアリーナ大阪で開かれた。前年度は準々決勝敗退となったこの大会。頂を目指し、男子剣道部の熱き戦いが繰り広げられた。
◆10・14 第72回全日本学生優勝大会(Asueアリーナ大阪)
▼明大――2回戦敗退
第一回戦、明大は福岡教大と対戦。「情報が無かったのでどんな相手なのか不安感があった」(中村翔太郎主将・政経4=敦賀)。先鋒のルーキー・栗原有輝(商1=福岡大大濠)が相手にスキを与えない戦い見せ、両者一本も与えないまま次鋒・和田壮太(法3=育英)へ。試合終了が告げられるわずか数秒前、和田の竹刀が相手に入り見事待望の一本を先取。続く五将・岩淵力(法4=東奥義塾)も中盤にチームの勝利を後押しする一本を決める。中堅を任されたのは全国選抜剣道大会で優勝経験のある、正木蓮(営2=明豊)。相手の果敢な攻めを交わしながら試合は進む。しかし中盤、相手の攻めをかわせず先に一本を取られてしまう。「まだ時間があったのと、練習はしていたので取り返せる自信はあった」(正木)。その言葉通り、数秒後には一本を決めた。試合は2―0と明大が優勢のまま進み、迎えた副将・三宅康太郎(法4=福岡大大濠)の一戦。勝てば一回戦突破が決定、引き分ければ勝ちが見えてくる戦いだ。なかなか両者譲らない展開となったが終盤、三宅がメンを決め3―0で駒を進めた。
第二回戦は中村が「練習試合で戦ったことのある相手ですが相性が良くなく、やり辛いイメージ」と話す立命館大戦。試合は決まらず、一瞬の油断も許さない代表戦にもつれ込んだ。代表戦が始まる前、チームで円になり「中村さんは一番練習してきた人なので信頼していましたし、みんなで任せたという話をした」(正木)。みんなの思いを背負い戦った代表戦だが、両者同時に打ったメンが相手の方が先に入り試合終了となった。中村は「最後は自分が取り切れなかったのが悔しくて、みんながつないでくれたので自分のせいで負けてしまった」と話した。
4年生にとっては公式戦最後となったこの大会。4年生だけでなく、下級生の選手も多く出場し、チームとしてのこの大会に懸ける思いがひしひしと伝わってくる試合だった。この経験を糧に来年のチームはどのような試合を展開するのか期待が膨らむ。
[小松錦葵]
試合後のコメント
中村
――今大会はどのような気持ちで臨まれましたか。
「公式戦は最後だったので今までやってきたことを出すということ、後悔のないように終われたらいいなというのが率直な気持ちでした。4年生の他にやる気のある下級生ばかりだったので、全員で力を合わせていつもの練習通りの力を出し切れば優勝できると思っていました。その気持ちで勝ちたいという気持ちにこだわらずに臨みました」
――主将としてこの一年を振り返るといかがですか。
「正直、しんどい時もあったのですが自分だけではなく副主将の子や主務の子の支えがあったので難なく一年間やり切ることができました。自分一人でチームを引っ張るというよりは全員で引っ張るという形で一年間やってきたので楽しかったです」
――同期、後輩にメッセージをお願いします。
「同級生は一年間、文句を言わずについてきてくれてありがとうと伝えたいですし、後輩にも同じことを伝えた上で実力のある子ばかりがそろっているので、全員でその力を伸ばして練習していけば優勝できると思います。応援しています」
正木
――団体戦でのご自身の強みは何だと思いますか。
「全体的には技は打てるので、技の種類と思い切りの良さが強みだと思います」
――試合を振り返っていかがでしたか。
「福岡教大戦は1回戦ということもあって少しタイミングが合っていなかったり、みんな動きがあまり良くなかったりしたのですがなんとか勝ち切れました。立命大戦は何とか一本取りたいという思いで攻めて、結構いけたかなと思いましたが取り切れなかったです」
――今年のチームの雰囲気はいかがでしたか。
「すごく仲が良くて、一人一人信頼し合っているいいチームでした。4年生の先輩方がよくミーティングを開いたり食事に連れて行ってくれていたりしたので話し合う機会が多かったです。稽古では一人一人が普段から追い込んで切り返しや掛かり稽古を選手が中心になってやっていて、選手一人一人が自覚のあるチームでした」
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