痛恨のバトンミス 悔しさ残る結果に/日本選手権・リレー競技

2024.10.07

 全国から短距離の精鋭が集結し、リレーの日本一を決める日本選手権・リレー競技が行われた。先日の日本学生対校選手権(日本インカレ)にてリレー種目で決勝進出を果たせなかった明大。同大会での反省を生かし、リベンジに燃えていた選手たちだったが、明大が出場した2種目ともにバトンパスミスをしてしまい、ゴールすることができず。非常に悔いの残る結果となった。

◆10・5~6 第108回日本選手権・リレー競技(国立競技場)
[1日目]
▼男子4×100メートルR予選
 1組 松下、神戸、川津、鷹羽 4着 39秒42   決勝進出

▼男子4×400メートルR予選
 3組 古俣、原田、平岡、太田 DQ

[2日目]
▼男子4×100メートルR決勝
 松下、神戸、鷹羽、原田 DNF

 1日目は強く降りしきる雨の中、明大は男子4×100メートルR(4継)予選と4×400メートルR(マイルリレー)予選に出場。4継の予選は、各組の1、2着とタイムが上位の2チームが決勝進出となる。松下かなう(法4=大分東明)が勢いよくスタートし、神戸毅裕(営2=明星)、川津靖生(法2=明星)も上位をキープ。アンカーの鷹羽柊弥(法3=盛岡第四)も粘りの走りを見せ、39秒42と好タイムをマークした。2着にはわずか0.12秒及ばなかったものの高速レースが功を奏し、タイム順で滑り込み決勝進出を果たした。マイルリレー予選は、日本インカレに引き続き、2年生1人と1年生3人というフレッシュなオーダーで挑む。1走の古俣由人(法1=東京学館新潟)が少々出遅れるも、日本インカレの400メートルで決勝に進出した原田真聡(文2=東京農大二)が好走を見せる。中盤からペースを上げ次々と相手を追い抜き、3位で3走の平岡佳希(営1=明大八王子)へ。平岡も中盤以降は失速したものの最小限の差に抑え、レースはアンカー勝負かと思われた。しかし、3走から4走へのバトンパスでミスが出る。「バトンを立てて渡すと言っていたが、走るのに必死でバトンを斜めに渡してしまった」(平岡)。バトンを落としてしまい、一気に最下位へ転落。アンカーの太田瑞歩(理工1=成田)も懸命な走りを見せたものの「(自身の走りは)記憶にない。良かったのか悪かったのかも分からない」と平常心で走ることはできなかった。最終盤でのミスが響き、マイルリレーは予選敗退に終わった。

 迎えた2日目の4継決勝のレース。決勝でも1走目を担った松下は、前日の予選のレース同様にスタートから勢いよく飛び出していく。「(松下)かなうさんがベストの走りで持ってきてくれた」(神戸)。この言葉の通り、松下は2走目の神戸にトップスピードでのバトンパスを試みる。うまくつながったかと思われたが、ここでバトンパスミスが発生。最後までバトンをつなげることができず、この時点でレースが終了となった。「(3、4走の鷹羽、原田に対し、)1、2走でミスをしてしまい、勝負することもできなかったので、すごく申し訳ない気持ち」(松下)。4継の決勝は悔しいDNFという結果に終わった。

 今大会が明大として出場する最後のレースとなった松下。最後は悔し涙を堪えつつ、後輩に向け、「自信を持って、来年再来年とどんどん続けていってくれればいいなと思う。頑張ってほしい」と言葉を残した。4継もマイルリレーも悔しい思いをした今大会。今までチームを引っ張ってきた松下の、悔しい思いを背負って戦う紫紺の戦士の今後のレースに注目したい。

[橋場涼斗、安田賢司]

試合後のコメント
松下
男子4×100メートルR決勝  DNF
――今日の決勝前の心境はいかがでしたか。
 「明治として出るのは最後なので、すごく気持ちが上がっていました。最高の状態で最後の試合に挑めたのではないかと思っていたので、すごく楽しみでした」

――決勝のレースを振り返っていかがですか。
 「勝つためには攻めるしかないと思って、予選とは少し違う歩幅でやりましたが、 結局ミスをしてしまい、試合に合わせるという点において弱さを感じました」

――見ている方に一言お願いします。
 「ファンの皆様に対しては4年間すごく応援してくださって、ありがとうございますという気持ちでいっぱいです。ファンの皆様がいたからこそ、気を抜かずに4年間頑張ることができました。感謝しています。最後にいい形で締めくくれなかったのはすごく申し訳ないです」

鷹羽
男子4×100メートルR決勝  DNF
――順位通過ではなくて、最終的にはタイム通過で決勝に進みましたが、予選を振り返ってみていかがでしたか。
 「自分たちの組の方が速いなと思っていたので、着順で(通過できなくても)タイム的に通るかなと思っていましたが、順位で通れなかったのは、自分たちの実力不足かなと思います。自分たちの力で決勝決めたかったです。走りに関しては、関カレの決勝で肉離れをしてしまって以来ということで、不安要素はありましたが、しっかり練習を積めていたので、緊張せず自分の力を信じて落ち着いて走ることができたかなと思います」

――来年度の意気込みをお願いします。
 「来年はラストシーズンということで、自分の陸上人生最後になると思うので、どこかで表彰台に登りたいです。そのためにも 200メートルでは20秒前半出せるように(練習を)積んで、リレーでも安定してどこでも使ってもらえるような選手になりたいと思っています」

神戸
男子4×100メートルR決勝  DNF
――バトンパスミスした1番大きい要因はどこだと思いますか
 「攻めないと意味がないというところで、ギリギリを攻めた結果かなと思います。全員が共通の目標持って取り組んで、その中でできなかったので、僕たちの力不足、力負けかなと思います」

――今後に向けて一言お願いします。
 「これからは日本の中でとどまらず、海外で走れるような選手になりたいと思っています。急がず世界を目指してやっていきたいと思います」

原田
男子4×400メートルR予選  DQ
――レースを振り返ってみていかがでしたか
 「2走の経験がまだ浅いので、今日は展開的に判断が難しい場面が多かったです。そこは今後の課題かなと思います」

――結果的には順位を3番目まで上げたかと思いますが、どの点の判断が難しかったですか。
 「自分の入りがあまり速く行かなかったので、前へ行かれた時に前が壁になってしまいました。その状態から前に行くタイミングというのは少し難しく、結果的に外を回って追い上げる形となってしまい、タイム的にロスが多かったような走りになったので、そこが反省点です」

古俣
男子4×400メートルR予選  DQ
――自身の走りを振り返ってみていかがですか。
 「いいか悪いかで言ったら悪い方に近いですが、3週連続で試合に臨んできて、疲労が溜まっている状態で今回を迎えましたが、自分なりにやれる最低限のことはできたので、その点に関しては良かったかなと思っています」

――来年度以降、もっと伸ばしていきたい部分はありますか。
 「全国で戦うような大会だと決勝に残るのがチームの目標になってくるので、まずは各々400メートルの記録が大事になってくると思います。個人の力を伸ばすことを目標に冬季トレーニングしていけたら、全体としてのタイムも上がりますし、大きな大会でも決勝に残れると思うので、そこを大事に頑張っていきたいと思います」