女子エペ 個人戦で上位独占、団体戦でも優勝し3冠達成/関東学生選手権

2024.10.05

 関東学生選手権(関東インカレ)の2日目、3日目には女子エペ種目が行われた。個人では岸本鈴(営1=龍谷大平安)が優勝したほか、2位、3位も明大の名が並んだ。勢いそのままに団体でも優勝し、昨年度果たせなかった3冠を達成した。

◆10・2~4、15~16 第76回関東学生選手権(駒沢体育館)
▼女子エペ個人 岸本――1位、稲山――2位、廬――3位、國谷――30位
▼女子エペ団体 明大――1位

<女子エペ個人>
 出場した明大勢4人全員が予選プールを勝ち進み、トーナメントに進出。ランキング上位の盧承延(政経3=王子総合)、稲山友梨(営4=星槎国際)、岸本はシードにより2回戦からのスタートとなった。唯一の1回戦からとなった國谷優奈(政経3=宇都宮中央女子)だったが、難なく勝利し2回戦へ駒を進めた。しかし2回戦は稲山との先輩後輩対決に敗れ、ベスト32で幕を閉じた。

 優勝候補の呼び声が高い明大。翌日に行われる団体戦を前に、稲山、廬、岸本の3人が準決勝進出を決め、その強さを大いにアピールした。稲山は昨年度の関東インカレ王者である高橋(日大)との対戦に。両者一歩も譲らず、1セット目は3―4とやや劣勢で終了。2セット目も終盤まで背中を追う展開だったが、残り15秒で1点を返し10―10の同点に。この一突きが快進撃の前兆だった。最終セットは息を吹き返したかのように5連続で得点を挙げ、15―10で決勝へ勝ち進んだ。「もうあと1セット、3分間やり切るしかないという感じでやっていて、その感覚がヒットして良かった」(稲山)。同じく準決勝でぶつかった廬と岸本。明大同士の対決は岸本が序盤から6点を連取し、ルーキーが優勢でスタートした。2セット目終了時点で11―6と点差は埋まらないまま、最終セットに。「今まで冷静にやっていたのが一気に集中できなくなった。明大と当たった時にどうすればいい、どういう感覚なのかを知れたのは勉強になった」(廬)。一時は3点差にまで追い付くも、15―10と岸本が逃げ切る形で決勝進出を決めた。

 関東インカレ王者の称号は大型ルーキー・岸本と絶対的エース・稲山で争うことに。開幕から同時突きでのスタートと、実力が拮抗(きっこう)したハイレベルな試合が予想された。互いに得点を重ねていき、1セット目は8―7と岸本が1点をリードし「割と冷静に試合ができていた」。稲山も4年生としてのプライドを懸けて応戦するも、2セット目終了時点で14―13と1点が大きく響く。15点先取となる個人戦。もう後がない稲山は果敢に攻め込むも、結果はむなしく15―13と岸本に軍配が上がった。「先輩の意地というか最後の関東インカレなので優勝はしたかったけど、今できる精一杯をやったので悔いはない」(稲山)。

 今大会の結果により、明大女子エペは全員が全日本学生選手権(インカレ)への切符を手にした。関東王者から日本一へ。切磋琢磨しながら、さらなる高みを目指していく。

<女子エペ団体>
 関東学生リーグ戦(リーグ戦)優勝校の明大はシードにより2回戦から出場した。初戦の立大戦を45―21と快勝し、続く準決勝の相手は関東学生リーグ1部5位の法大。勝利は確実かと思われていたが、3セット目終了時点で11―11と波乱の展開に。「相手は待つスタンスというのは分かっていたが、我慢し切れずに出てしまった。(点を)取れる自信があるからこそというのもあるので、最初は点が行ったり来たりになった」(稲山)。しかし感覚をつかみ始めると点差を広げていき、34―31で最終セットの稲山にバトンが渡された。すると、試合が始まるとすぐに1点を奪取。ここまでの間合いを読むスローな展開を打ち砕く強気の姿勢で結果45―36と、このセットのみで11点を取り決勝へ進出した。

 決勝で待ち構えていたのは、これまで何度も優勝を争った経験のある専大。一進一退の攻防戦が続き、前半4セットが終わるも15―15と思うような動きができず。しかし6セット目の稲山が7点を奪い、27―22と5点のリードを付けた。「強い選手と分かっているので気持ちで引かないことや相手の応援に押されないことを考えていた。勝負が9セット目ではなく中盤のタイミングだったこともあり、自分的にもまだ冷静さを保てていたと思う」(稲山)。この活躍が起爆剤となり点差を広げていくと、宿敵相手に45―36の大差を付けて栄光をつかみ取った。

 昨年度は関東インカレで3位に終わり5冠の夢が途絶えたが、今年度はリーグ戦、全日本学生王座決定戦、関東インカレと優勝が続き、悲願達成の望みをつないでいる。「チーム一丸となっていい結果を残せているので、インカレと全日本選手権でも優勝、5冠を目指していきたい」(岸本)。優勝街道を突き進む明大女子エペに今後も期待したい。

[石井遥]

試合後のコメント
稲山
――団体戦のチームワークはいかがでしたか。
 「団体戦となると誰かが悪かったり良かったりしても、それをサポートしてカバーしなければいけない部分があります。ただ、チームが最終的に勝つか負けるかは大まかに言えば私の責任になるというか、みんなの戦いぶりで結果は出るけど最終的なところは私と考えています。なので、まずは勝ててほっとしました。しかし、前日(個人戦)の疲れもあったからか、みんな本調子ではなさそうだったので、最後は『これがラストの試合になるから楽しもう』『いつも通りやれば大丈夫』との声かけをしていました。出場した2人もベンチで頑張ってくれた國谷も普段の私たちらしさで作れたものだと思うので、変わらず良かったなと思います」

國谷
――インカレに向けて目標を教えてください。
 「個人の目標としては表彰台に立つことです。団体は優勝するのが目標ではあるんですけど、自分もメンバーとして試合に出て優勝したいです」


――団体3冠達成の率直な感想をお願いします。
 「今までは団体戦が苦手だったんですけど、今回はみんなを信じてリラックスできていました。自分の調子が良いときの動きができて、今まで団体で固くなっていたのがなくなってリラックスできました」

岸本
――個人で優勝した心境を教えてください。
 「自分の悪いところも途中出ちゃったんですけど、正直点差や内容はどうでもいいというか、勝ったらそれが全てなので、その点に関しては良かったなと思っています。ただ、技術的な部分やメンタル面ではまだまだ足りないと思ったところもあったので、これからインカレに向けて改善していこうと思います」