インカレ事後インタビュー/寺田靖也コーチ、二ノ宮寛斗コーチ

2024.09.30

 8月23日から4日間にわたって行われた全日本学生選手権(インカレ)。グレコローマンスタイルでは岩井知史(文4=前橋西)が3位、4人が5位。フリースタイルでも4人が5位、2人がベスト16と、2スタイル合わせて5位以内が1人だった昨年からの飛躍が見られた。

 試合中、セコンドとして選手を傍で支え続けたコーチ陣。最終日、試合後にお伺いした寺田靖也コーチ(平29農卒)と二ノ宮寛斗コーチ(令2営卒)のインタビューをお届けします。

――インカレを振り返っていかがでしょうか。
二ノ宮コーチ
 「自分の中で去年の良くない成績をどうにかしなきゃなって気持ちがあって。もちろんいろんな大会があるのですが、でもインカレで勝たしてあげたいなって気持ちが結構大きかったです。その中で全体として見ると簡単に負けちゃう姿が減ってきて、まだ強い選手に勝つのは難しいですけど戦えるようになってきたのかなと思いました」

寺田コーチ
 「うちは試合で緊張して練習の動きが出せない選手がすごく多くて。それが今大会はある程度、練習の動きがちゃんとできるようになっていて、夏休みに他の大学へ出稽古に行って自信をつけたのが身になっているのが見えました。全体的にステップアップとしてかなりいい4日間だったと思います」

――インカレは特別な大会だと思いますが、どのような難しさがありますか。
二ノ宮コーチ
 「強くなったっていう結果が見てとれるのが特にインカレだと思います。今回、監督はじめ自分たちで考えてやってきた事が成果として出ていた部分もあると思います。でもうまくいったじゃなくて、まだまだメダルを取れたのも1人ですし。普段の練習から強い選手同士で練習ができて、さらに高まっていくみたいないいサイクルができるのを楽しみにしながら頑張りたいなと思っています」

寺田コーチ
 「僕は二つ難しいと思っているのがあります。まず参加人数が多い。試合数が多くなるのですが、うちの選手は体力不足の選手が多くて、その中で数多く試合を勝ち残っていくのは厳しいのかなと。また各大学のチャンピオンが1人出てくるのではなくて(各大学)2番手、3番手とかも出てきて2番手でもインカレ3位入れるぐらいの実力を持っている選手が多いので、うちにとっては向かい風。プラス、テスト期間から夏休み入ると思うのですが、他の大学はテスト期間も練習をしているので向かい風かなという2点がありますね。ただ、そんなのはもちろん分かっている事なので、前々からしっかり対策して成果出してほしいなと思っていて、それが今回は出ていたのでうちにとって明るい要素だと思っています」

――4年生の選手が準々決勝、準決勝に残りましたが、どんな選手が集まっている代だという印象を受けていますか。
二ノ宮コーチ
 「それぞれ少しずつ成績は出ていたのですが、もっとコンスタントに出させてあげたかったなという気持ちもありつつ。1日目ですかね、加賀田(柊生・政経4=文化学園大杉並)と太田(匠海・営4=いなべ総合)が最初に2試合あって太田は負けてしまったのですが思い切ってやる姿勢がチームにもいい意味で浸透して、この4日間いい流れになったと思います。引っ張っていくタイプではないですが試合に対して一生懸命臨む姿が後輩にも伝わっていたのかな。うちの大学は今までそういうのが見えてきてなかったのですが、最後の試合、全員で応援する姿勢は4年生がしっかりやってきた形がチームの形として出ていたと思います」

寺田コーチ
 「4年生は1、2年生のころからそれぞれいい成績を出していたのですが、3年生でそれぞれ伸び悩んだというか、もやもやする時期も6人全員多かったのかなというのは感じました。今大会は力が抜けた、リラックスした状態でできていたと思っています。ただ、表彰台に上がらせてあげられなかったのは少なからず我々指導陣の責任でもあるかなと。存在としては部の支えになるというか、背中で見せてくれる4年生はすごくでかかったです。しかも6人全員がそういうタイプだったので、そこが抜けるのが少し来年の心配、不安かなというところでもありますかね」

――選手の表情は近くで見ていていかがでしたか。
二ノ宮コーチ
 「組み合わせを見た時に厳しい(相手)かなという時でもポジティブな表情を、勝てるかな、いい勝負できるかなという選手の時にも前向きな言葉とか表情が見れたので、いい傾向になってきているのかなと思います」

寺田コーチ
 「負けてしまうな、苦しいなで下を向いてしまうのではなくて30秒、残り後半3分でどうやったら巻き返せるかというのを疲れてる中で、貪欲に僕らの話を素直に聞いて試合に落とし込む事ができているので、すごくいい傾向だなと感じてます」

――試合以外の場面で選手との距離が近い印象でしたが、意識はされていますか。
二ノ宮コーチ
 「コーチというか先輩ですよね。僕らはまだまだ一緒に練習しますし、たまに偉そうなことを言いますけど『一緒に俺も頑張るからお前らも頑張れよ』みたいな気持ちではいます。逆に彼らの頑張りを見て自分が頑張れるというのもあるので、体が動くうちのコーチとしてはそういう形が一番良いのかなと思ってやっていますね」

寺田コーチ
 「自分ができないことを僕は後輩には要求できないので、まず自分がやろうみたいな考えを持っています。上から言うのではなくて、彼らの意見を聞いて合わせるというのは少し意識していますね」

――明大の他の大学と違った強みはどのような点でしょうか。
二ノ宮コーチ
 「監督変わられて3年目。まだまだ手探りの部分はありますが、いい形を今つくっている段階なので、一緒に選手たちも自分たちも成長していけたらというところです」

寺田コーチ
 「自由なので本人の努力次第で長所を伸ばしていける大学かなと思います。ただ自由と楽をしてさぼろうみたいなのが混同している部分も選手によってはまだあるので、そこが最大の弱みかなと。強みでもあり弱みでもあるみたいなところですかね。最近、選手自身もそれは分かってきて前向きになっているので弱みを長所に変えてもらえればと思っています」

――今後の具体的な目標を教えてください。
二ノ宮コーチ
 「一つでも成績を上げて、どの大会も一つずつステップアップして一つの技を覚えたりとか小さいことでいいので、それを積み上げて4年間やり切った、レスリング楽しかったと思ってもらえると一番良いかなと思います」

寺田コーチ
 「大会でメダル取ったらもちろんうれしいのですが、そこより4年間やり切った時に やっていて良かったねと言って最後卒業してもらえたらなと思っていて。メダルとか勝ちにこだわるというよりは、自分に負けないでほしいなと思います」

――ありがとうございました。

[末吉祐貴、小松錦葵]