初戦で新体制初勝利/関東大学2部リーグ戦
まず登場したのは、ボクシング部を引っ張る頼れるリーダー・木谷主将(法4)。試合前の「最初に出る者としてチームに勢いをつけたい」という言葉通り、左フックやボディーを中心としたコンビネーションで確実にポイントを奪う試合巧者ぶりを発揮。結果は判定にこそもつれこんだものの、内容的には相手を圧倒しての勝利だった。
次の松下(商4)は序盤から有効な左ストレートを決めるも、1R終了間際に右眉の上に切り傷を負ってしまう。治療が行われたものの、出血が止まることはなく無念のドクターストップでリングを降りた。続く笹沼(法4)は2度のダウンを奪い相手を圧倒し、鈴木(文2)も判定で相手を下してスコアは4対2に。本学は試合を優位に進めていった。
ライト級に出場の今年加入した新星・篠崎(商4)は悔しい1Rでの敗戦だったが、課題とされていた重量級の坂田(情コミ3)と金原(法2)が目覚しいプレーで重苦しい雰囲気が漂った会場の雰囲気を振り払う。坂田は「初戦で動きが硬くなってしまった」と振り返ったが、監督をもうならせる試合運びを見せる。タイミングと長い腕から繰り出す持ち前のリードからの攻めが冴えわたり、判定ながらも余裕の勝利。金原も1度ダウンを奪われるもそこから脅威の粘りを見せ、右ストレートで2度のダウンを奪い返しての勝利を挙げた。結果、総合力で上回った本学が初戦白星を飾った。
今回の勝利は、まさにチームで勝ち取ったものと言っても過言ではない。思い起こすのは、昨年のリーグ戦での専大戦と関西学大との対抗戦。1人が負けると、その後の選手も相次いで負け続け、相手に流れを持っていかれたままの敗北を喫してしまった。しかし、今回はその後の選手がそれぞれしっかりと自分のプレーをし、流れを相手に渡さなかった。
リーグ戦は団体戦とはいえ、リングに上がるのは常に一人。それゆえにボクシングは、一見孤独なスポーツのようにも見える。それでも、木谷主将はきっぱりとこう言う。
「自分たちは明大ボクシング部というチームでやっている。チームとしてでしかできないことがたくさんある。個人としてやりたいならジムにでも行って試合に出ればいい」。
その言葉に裏付けされるように、今回のように1人の負けを全員で盛り返す、それだけの力が今のチームにはある。しかし、まだ入れ替え戦を含めたリーグ戦全6試合のうちの1つが終わっただけに過ぎない。念願の1部昇格に向けた彼らの戦いは、始まったばかりだ。
試合後のコメント
丹下監督
―試合前は表情が硬かったように見えましたが?
「試合前は、初戦だったし不安材料もあったのでドキドキした。だが、選手たちが結果を出してくれたのでよかった。このメンバーで勝てたのは大きい」。
―選手たちの試合はどうでしたか?
「安心して見ていられた。松下の頭部カットは何が原因か分からないが、もう少し戦わせてあげたかった。特に坂田と金原がよかった。坂田はうまくなっているし、今日は足が動いてタイミングもよかった。リード(=右利き選手の左ジャブ)も効いていた。頼もしいポイントゲッターとして今後に期待したい。来週の全日本の北海道予選で、リーグ戦にもつながるように弾みをつけてきてほしい。金原はダウンを取られたあとによく取り返したと思う。重要なリーグ戦の初戦だったが、今後に勢いのつけられる試合になったと思う。最後の2人の勝ちは大きい」。
―次の専大戦については?
「何も考えていない。選手たちが自分たちのパフォーマンスをしてくれるかどうかだと思います。」
西尾コーチ
「想定していた中で力が一番出た。人数は少ないが適当な練習をしているわけではないし、優勝争いに加われないわけではない。選手たちは普段の練習通りの力が出た」。
ライトウェルター級・坂田
「もっと積極的に打ち込んでいって、きれいな試合をしたかったが、力みすぎてしまった。(来週全日本の北海道予選があるが)リーグ戦にも勢いがつけられるように頑張ってきます。期待していてください」。
ウェルター級・金原
「ダウンを喫して危なかったし、スタミナの面で弱さが出た。これからはこの試合以上にプラスアルファのことをやっていきたい」。
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