
(男子)明大が表彰台独占 佐藤がブロック初Ⅴ/東京選手権
東京選手権(ブロック)3日目は男子FS(フリースケーティング)が行われた。SP(ショートプログラム)首位の佐藤駿(政経3=埼玉栄)が4回転ルッツ含む4回転ジャンプを3本着氷させて完全優勝。三浦佳生(政経1=目黒日大)はジャンプに精彩を欠き悔しさの残る2位となった。3位にはSP4位から順位を押し上げた大島光翔主将(政経4=立教新座)が入り見事明大勢が表彰台を独占。さらに新衣装で会場を沸かせた菊地竜生(政経2=目黒日大)が6位入賞、丸山秀希(法1=宇都宮短大附)は悔しさのぞかせる19位だった。
◆9・21~23 東京選手権(三井不動産アイスパーク船橋)

紺から紫色の衣装に身を包んだ明大3選手が笑顔と悔しさ入り混じる表彰台独占だ。
〝4回転4本構成〟を今シーズンのテーマの一つに掲げる佐藤は、冒頭の4回転ルッツを成功させるも、続く4回転フリップでステップアウトとなる。しかし「回転は足りていた」とロンバルディア杯での2回転となるミスからの手応えも。その後4回転トーループからの連続ジャンプはこらえながらも見事加点評価につなげる着氷に持っていく。しかし4本目の4回転トーループでは惜しくも転倒。昨シーズンから安定し佐藤の得点源となっていたジャンプでの転倒には「ルッツとフリップを跳んだ後のアクセルとかトーループが結構難しい。回転の速さとか軸の作り方が全然違うので、回りすぎてしまったり、こけてしまったりしたんですけど、そこがルッツとフリップを入れることの難しさ。他のジャンプにも影響してくるのでしっかり練習したい」と高難度ジャンプが続く構成の厳しさにも挑み続ける予定だ。
佐藤が見どころに挙げた冒頭の振りでは、ピアノの音色に合わせて一歩一歩伸びのあるスケーティングで丁寧に魅せていく。体力が厳しくなる後半にも、指先まで意識した繊細な振りを披露し、足換えシットスピンの振りにも工夫を凝らした。それでも「まだジャンプに引っ張られているところがある」とし「ジャンプ以外の所に重きを置けるように、ジャンプの質や確率を上げてプログラム全体の質を上げたい」とまずはジャンプの安定を目指した上で、技術面と表現面の相乗効果を狙っていく。

演技後、膝に手をつき険しい表情を隠せなかった三浦。1カ月後に控えたGPシリーズ(グランプリシリーズ)第1戦アメリカ大会に向け収穫のある滑りを目指し挑んだFSだったが「自分の中では全然滑れていなかった。世界観なんか全く表現できていなかったので全然」と終始厳しい口調で自身の演技を省みた。最後まで持ち味のスピード感あるスケーティングで滑り切ったが、後半には4回転トーループと3回転アクセルで転倒するなどジャンプに乱れが生じ、悔しげにリンクをあとにした。「今日はステップとスピンとジャンプとスケートがすべてバラバラ。全部一個一個要素が途切れ途切れだった」。しかしその原因が「全く分からないから怖い」と吐露。「課題しかないので、この1カ月弱を一生懸命やらないと本当に悲惨な目に遭うと思っている。練習の内容もそうですけど、いろいろ考えながらやっていかないと本当に大変な目に遭うと思うので頑張るしかない」と強い口調で次戦・GPファイナル進出へまず一歩目となる大会に向けて自身を鼓舞した。

「ブロックから100%の演技をしたい」と調子を上げてFSに挑んだ大島。父・淳さんへ思い入れのあるプログラム『デスペラード』をほぼミスなく滑り終え、晴れやかな表情でリンクサイドの淳さんと目線を交わした。「あまり自分では意識しないようにしていたんですけど、滑る前に父親が『泣かせてみろよ(笑)』みたいな感じで言ってきて、少しそこで意識してしまってうるっとではないですけど、恩返しではないですけど父親に向けていい演技ができればいいなと思って今日は頑張っていた」。冒頭からピアノの優しく響く音色に乗せ3回転ルッツを美しく成功させると、リンクを大きく使い全身で音楽を受け止めるかのような壮大な滑りで会場を魅了した。ラストの3回転フリップ、1オイラー、3回転サルコーの連続ジャンプの着氷に思わず笑顔とガッツポーズが出る瞬間も。「総合200点はマスト」としていた点数を上回る211.69点で3位に入った。今シーズン明大フィギュア部門を率いる主将が、まずブロックで明大の表彰台独占を後押ししてみせた。

「ジブリの中でも特に好き」と語る『もののけ姫』の荘厳かつ激しさのある曲調に乗せ滑り切った菊地。「母と姉がデザインを考案してくれた」という映画の主人公・アシタカのあざ模様をあしらった斬新な衣装で新プログラムを披露した。冒頭の2本の3回転アクセルをこらえながらも着氷させると、続く3回転ルッツの連続ジャンプも着氷させた。後半のコレオシークエンスでは、ハイドロブレーディングからのイーグルで魅せる。ここからスピード感の増す曲調に入ると、終盤に向かうにつれさらに迫力のある楽曲の中ステップを一歩一歩踏んでいった。最後は足換えコンビネーションスピンで締め、今大会が初出場となるシニアのブロック大会を6位入賞で終えた。
今回の演技でステップやスピンを課題に挙げた菊地。後半のステップでは「シシ神の呪いが暴れていることを表現しているので、観てくださっている方に意図や思いが伝わるように頑張りたい」と意気込む。映画のシーンをほうふつとさせる振り付けには今後も目が離せない。

淡い紫と白を基調とした衣装で『ロミオとジュリエット』を演じた丸山。「FSは最初から全開でいきたい」という言葉の通り、冒頭の3回転トーループとコンビネーションジャンプをしっかりと着氷。しかし、その後は得意とする3回転サルコーで転倒するなど、ミスが続いた。「6練(6分間練習)の時から調子が悪くて、プログラムもジャンプの調子が悪かった。いつもミスしないようなところでミスをしたり、そういうのがすごく目立った」と演技後に悔しさをにじませた。
苦い結果となったが、こだわりを持って作ったコレオシークエンスや繊細な演技で世界観を表現し、PCS(演技構成点)では前大会のサマーカップよりも高い50.25点を記録した。次戦は昨シーズンに自己ベストを更新した舞台である東日本選手権(東日本)。「ブロックではジャンプも抑え気味で、守りにいっていたので、東日本ではトリプルトリプルや新しいトリプルを入れて、自己ベストを狙っていけるように頑張りたい」。ブラッシュアップをした新たな演技に注目だ。

表彰台を紫紺に染めた明大。今シーズンも目標とする日本学生氷上選手権優勝に向け、幸先の良いスタートを切った。
[布袋和音、髙橋未羽]
試合後のコメント
大島
――冒頭の3回転ルッツからの振りがきれいでした。今回の演技は振り付けや表現面はいかがでしたか。
「4回転を回避して難しいジャンプをやっていない分、そういったつなぎの部分であったり滑りの部分というのは今日プログラムを通して途切れないように意識して滑っていたので、そこの部分をそうやって見ていただけたことなら、自分の思うような演技ができたのではないかなというふうに思います」
佐藤
――FSは単調にも聞こえる曲ですが、そのあたりはどのような意識で滑っていますか。
「自分でもかなり難しい曲だなというふうに感じているんですけど、ギヨーム先生(ギヨーム・シゼロン)との振り付けの中で、もっとできることはたくさんあるなと感じたので、難しい曲ではあるんですけど、一つ一つ曲調を捉えていけたらいいプログラムになると思うので、音をしっかりと聞いて、音を操るくらいの気持ちでいけたらいいなと思います」
菊地
――今後さらにブラッシュアップしていきたいポイントがあれば教えてください。
「今回の演技でステップやスピンが一番の課題だと感じました。ジャンプはその日の調子なども影響しますが、ステップやスピンは練習量がそのまま出るものだと思うので今後さらに練習してしっかりレベルとプラスを獲得していきたいと思います」
丸山
――東日本に向けてさらにより良くしていきたい部分はありますか。
「ブロックは結構ジャンプとかも抑え気味にいっていて、守りにいっていたので、東日本ではトリプルトリプルとか新しいトリプルを入れて自己ベストを狙っていけるように頑張りたいです」
三浦
――1カ月間で何を一番ブラッシュアップさせていきたいですか。
「全ての要素において言えることなんですけど、とにかく一個一個のエレメンツの正確さを出しながら、滑りをその中に溶け込ませる。それをやっていかないと、今日はステップとスピンとジャンプとスケートが全てバラバラ。全部一個一個要素が途切れ途切れでしたし、世界観はプログラムを滑っていても表現できていないし、それどころでもなかったので、本当に全てにおいて一生懸命やらないといけないと思いました」
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