伝統校・慶大戦の軍配は明大に 快勝で終える/関東大学対抗戦Aグループ

2024.09.23

 伝統校対決が対抗戦2戦目にして実現した。例年は11月に開催されるが今年は前倒しに。秩父宮ラグビー場に多くの観衆が駆け付けた。前半、序盤から着実にトライを重ね、26―0で試合を折り返す。後半は自陣でのディフェンスが多かったものの、終盤にトライを重ね最終スコア52―7でノーサイドとなった。

9・22 関東大学対抗戦Aグループ(秩父宮ラグビー場)
対慶大戦
 ◯明大52{26―0、26―7}7慶大

 先制したのは明大。4分、スタンドオフ伊藤龍之介(商2=国学院栃木)が裏のキックでゲインを試みると左ウイング白井瑛人(商1=桐蔭学園)のもとにボールが渡り前進。フェーズを重ね、最後は右ウイング安田昂平(商4=御所実)がキックし自らでキャッチしてトライを挙げた。「昂平(金・政経4=大阪朝鮮)がいい仕掛けをしてくれて、内が自分もフリーで相手と1対1になれたので、あとは自分を信じてトライを取れた」(安田)。10分には、ハーフウェーライン付近でのマイボールラインアウトから、ナンバーエイト木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が『前へ』の名の通り突進しゲインする。スクラムハーフ柴田竜成(営3=秋田工)が空いたスペースにグラバーキックすると白井がグラウンディング。2トライともキックをうまく利用したクレバーなトライとなった。さらに21分、敵陣22メートルライン付近でのマイボールスクラムから、柴田から伊藤龍へボールが渡ると、流れるように順目に展開し左センター平翔太(商3=東福岡)がインゴールに飛び込んだ。その後は両チームの激しい攻防で無得点の時間が続くが、前半終了間際の37分、相手のペナルティーによりマイボールラインアウトからモールで押し込み、フッカー西野帆平(文3=東福岡)がトライ。守っては相手に一度もトライを許さず、26―0でハーフタイムを迎える。

 迎えた後半。自陣での苦しい時間が続く。しかし相手の厳しいアタックに対し、明大も粘り強いディフェンスで立ち向かう。後半開始から互いに無得点のまま進んだ17分、平翔が相手のスクラムハーフの持ち出したボールをインターセプトし、約80メートルを独走しトライを挙げた。「きつい時間の中でのインターセプトのトライは助かった」(右フランカー福田大晟・商4=中部大春日丘)と仲間を救う貴重な得点となった。このトライで流れが変わったか、今度は萩井耀司(商1=桐蔭学園)が50―22を見事に決め、大きくゲイン。その後マイボールラインアウトからモールを組み金勇哲(営4=大阪朝鮮)がインゴールに飛び込んだ。「毎試合の目標であるモールで1トライ以上することが今試合は2トライ取れたのでこれからにつながると思う」(金勇)。直後トライを許すが、試合終了間際の39分、BK陣が魅せる。海老澤琥珀(情コミ2=報徳学園)が巧みなステップで相手ディフェンスを外すと、金昂へパスが渡りそのままトライ。その後もロスタイムの43分にも敵陣22メートル付近での相手ボールスクラムで明大がペナルティーを誘い、マイボールに。FW陣が吠えた。ラインアウトで再開すると福田がダメ押しトライ。相手を突き放し最終スコア52―7で勝利を収めた。

 早期の強豪対決を快勝で収めた明大。今試合は『Next Level』とテーマに掲げ、80分間戦い抜いた。「慶大相手にいい試合できたと思うけど、完封できる試合でもあった」(安田)と慢心していない。次戦の相手は日体大。「日体大戦を終えた時に、今日よりもいい試合ができたっていうふうに言えるように、全員でしっかり準備していきたい」(伊藤龍)。まだまだ成長を続ける明大戦士から目が離せない。

[木曽琴乃]