チームを救う”紅出の壁” 6戦目にして初勝利/関東学生秋季1部リーグ戦 

2024.09.17

 茨城・水海道での2試合でも白星をつかむことはできず、開幕5連敗と苦しむ明大。舞台は東京に戻り、春に全勝優勝を果たした日体大との第6戦に挑んだ。序盤から紅出勘太郎(政経4=氷見)がセーブを連発して流れをつかみ、数的有利の状況も活かして前半を21―15で折り返す。後半に入ると相手の速攻に苦しむも、攻撃陣が立て直して紅出のセーブも効き、38―35で逃げ切った。強敵との試合を制し、関東学生秋季1部リーグ戦(秋リーグ)初勝利を飾った。

◆9・4~9・29 関東学生秋季1部リーグ戦(国士大多摩体育館他)
▼9・16 対日体大戦(国士大多摩体育館)

 ◯明大38{21―15、17―20}35日体大

 序盤は一進一退の攻防が続いたが、5―4で迎えた前半9分。相手が反則を取られ2分間の退場になると、明大の猛攻が始まる。太田隼斗(営4=藤代紫水)がゴールを決めると(数的有利の場面ではゴールへの直接シュートを)「常に狙っている」と語る紅出がシュートを止め、そのまま無人のゴールへ投げ込んだ。その後も勢いは止まらず、紅出は約2分間で4セーブの活躍を見せる。攻撃陣も4連続得点で突き放すと、たまらず相手がタイムアウト(TO)を取る。TO明けは取って取られる展開が続いたが、前半19分に相手のシュートが紅出の顔面に直撃。またも数的有利の状況になると、小嶋悠斗(営2=市川)のゴールを皮切りに3連続で得点し、15―9と大きくリード。顔面直撃の影響もなんのその、紅出のセーブは続き、なんと前半だけで10個のセーブを記録。攻撃陣も立て続けにゴールを決め、21―15で前半を終えた。

 今試合こそ初勝利へ、チーム一丸となって挑む後半。序盤は引き続き紅出の好守が光り、点差を詰めさせない。しかし、後半6分に明大側が反則で退場となると、3連続で得点を奪われる。直後に細野聖太(政経3=春日丘)、林原空翔(商4=藤代紫水)がゴールを決め、6点リードを保つも、後半15分に再び明大の選手が退場になり、3連続得点を許してしまう。31―28と3点差まで詰め寄られたところで明大側がTOを取った。「ディフェンスとオフェンスを確認して、その後得点もできて修正できたので良かったと思う」(加藤良典監督)。言葉を交わして落ち着き、試合再開後に冷静さを取り戻した攻撃陣が4連続得点、紅出の好セーブも続く。最終盤に連続失点を喫するも、リードを守り切り秋リーグ初勝利。紅出のセーブ数は計17個と、連敗中のチームを救うヒーローとなった。

 これで秋リーグの通算成績は1勝5敗。決して手放しで喜べる数字ではないが、連敗のなか強豪相手につかんだこの1勝は大きな意味を持つ。勢いに乗り、残り3戦で巻き返すことはできるだろうか。

[橋場涼斗]

試合後のコメント
加藤監督
――前半の立ち上がりが良かった要因を教えてください。
 「昨日(国士大戦後)ミーティングで確認したことを選手たちが意識してプレーできていたので、ディフェンスでしっかり守って得点につなげられていたと思います」

――今試合はサイド陣も活躍を見せました。
 「そうですね、ここ2試合はサイドからの得点率が低かったのですが、そこをしっかりと修正してサイド陣も得点してくれたので良かったです」

紅出
――セーブが多かった要因は何でしょうか。
 「もう負けられないという気持ちと、自分を信じてやったことです」

――後半に流れをつかみかけられた場面もありました。
 「明治の弱みは、勝っていても点差を縮められると自分たちがマイナス思考になって負けてしまうので、自分がセーブして相手の流れを止めようと頑張りました」