女子エペ 決勝トーナメントに進出するも成績振るわず/全日本選手権

2024.09.17

 日本学生カップ以来となる個人戦。女子エペは大会2日目に行われた。明大は全員が決勝トーナメントに進むも、格上相手に翻弄(ほんろう)され思うように動けず。岸本鈴(営1=龍谷大平安)のベスト16が最高成績となった。

◆9・14~16 第77回全日本選手権(沼津市総合体育館) 
▼女子エペ個人 
 岸本――12位、廬――17位、稲山――21位、國谷――48位

 今大会では、パリ五輪出場者及び全日本選手権直近の時点でのランキング上位合わせて16名にスーパーシードが与えられる。明大からは盧承延(政経3=王子総合)がシード4位、稲山友梨(営4=星槎国際)がシード9位で出場した。予選プールからのスタートとなった岸本と國谷優奈(政経3=宇都宮中央女子)だったが、ともに快勝を収め、明大は4人とも決勝トーナメントへの進出を決めた。

 予選全勝でトーナメントへ勝ち進んだ岸本は、1回戦で明大OGの小佐井彩花選手(令5総合卒・現北海道クラブ)と対戦した。試合をした経験は少なく、ほとんど初めての相手だったが、強気の攻めで15―8と勝利を収めた。続く2回戦も「結構(時間が)余ったというか、自分のやりたいフェンシングで勝てた」と、最終セットを前に15―4と大差を付けて勝利した。ここまででベスト16入りが確定した岸本。しかし3回戦はシード1位の佐藤希望選手(大垣共立銀行)に当たり、第1セットは0―3と全く歯が立たず。「一枚上手というか、全体的に強かった。入ってくるタイミングも自分が予想してないところで上手いなと思った」。チームメイトからの声援に手を上げて答えるも、第2セット終了時点で4―9と最初に付けられた点差に苦しめられる。最終セットでの追い上げむなしく、12―15で準々決勝進出とはならなかった。

 同じく1回戦で明大OGの中村優里選手(令5営卒・現滋賀県フェンシング協会)と対戦した國谷は、第1セットで0―2と相手に流れを握られる。点差を縮めようとタイミングをうかがうも、格上相手になかなか攻撃に踏み出せず。8―15と1回戦敗退を喫した。スーパーシードにより2回戦からのスタートとなった廬と稲山。「トーナメントに一発目から入る感じだったので、いつもと違う調整の仕方が必要だったり、いつもと違う流れの中で試合をしなきゃいけなかった」(稲山)。稲山の初戦は、昨年度の全日本選手権団体戦で優勝を逃した因縁の相手である黒木夢選手(株式会社タマディック)。第1セットは6―3と好調な滑り出しを見せる。しかし、相手の巻き返しもあり13―13の同点で最終セットへ。緊迫した雰囲気の中での突きは、惜しくも同時突きの判定となり、14―14と次の一手が命運を分ける展開に。「取らなきゃという気持ちが先行して、距離が近いところから仕掛けてしまい、最後簡単にやられてしまった」。14―15と明大エースがまさかの2回戦敗退に終わった。時を同じくして2回戦に臨んだ廬も最終セット残り1分の時点で10―10と、両者一歩も譲らず。終了のブザーが鳴るも11―11と、勝敗は延長戦の一本勝負にもつれこんだ。しかし、廬の一瞬のスキを付いた相手の鋭い突きが決まり、3回戦に進むことはかなわなかった。

 学生大会とは異なるプロの世界に圧倒された明大女子エペ。しかし、國谷と1回戦で戦ったOGの中村選手が3位に輝く活躍を見せた。「率直にうれしい。でも、準決勝は相手に揺さぶられてビビっちゃった部分があった。次はもっと思い切って相手に食らいついていけるように成長したい」。OGの背中を追うように、翌月の関東学生選手権では現役部員の活躍に期待したい。

[石井遥]

試合後のコメント 
稲山
――コンディションはいかがでしたか。
 「コンディションは久しぶりの個人戦っていうのもあったので、緊張はしていたんですけど、動きは自分的には悪くなかったです。動けてはいたんですけど、ただ、選択ミスというか、いっぱいいっぱいになっちゃったところがあったので、それが敗因につながったのかなという感じです」

岸本
――チームメイトの応援は届いていましたか。
 「めっちゃ聞こえていました。『笑顔で』って言ってくれて頑張ろうと思えました。順位的に私の方が失うものは何もないし、先輩方は引退も近いので最後頑張ろうと思って、ちょっと点差は縮まったんですけど、それでも相手は強かったです。前半に無駄な失点や動いてはいたけど怖がっちゃっていたので、そこは悪かったと思います。怖がって単調になっちゃっているから、もっとゆっくり1点ずつ取っていく方が良かったなと思いました」

中村選手
――現役の明大選手に向けてメッセージをお願いします。
 「本当にみんなとても強くて、いつも刺激をもらっているので本当に感謝しています。みんなが頑張るから私も頑張るっていう相乗効果でやっているので、これからもお互い頑張ろうっていう感じです」