
インカレ男子2連覇達成! 女子は個人で好成績/日本学生選手権
4日間にわたり熱戦が繰り広げられた日本学生選手権大会(インカレ)はついに最終日を迎えた。『BOOM』をスローガンに掲げた明大は、男子は489点もの高得点を叩き出し、天皇杯獲得。見事2連覇となり、2位の近大に123点もの大差をつけての圧勝だった。一方の女子は、出場選手が3人と少数であったためにリレーに出場することがかなわず、ランク外の結果に。しかし個人では3人全員がB決勝以上に駒を進める飛躍を見せた。
◆9・5~9・8 第100回日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)
◆3日目
▼男子100メートル背泳ぎ
3位 栁川 54秒39
▼男子200メートル個人メドレー
2位 廣島 1分58秒28
4位 渡辺 1分58秒68
8位 加藤 2分01秒40
▼女子400メートル自由形
3位 長尾 4分11秒97
▼男子400メートル自由形
1位 田渕 3分49秒53
4位 清水 3分51秒48
▼男子4×100メートルメドレーリレー
2位 栁川・小嶋・成嶋・五味 3分34秒82
◆4日目
▼男子50メートル自由形
5位 五味 22秒69
▼男子100メートルバタフライ
1位 成嶋 52秒21
▼男子200メートル平泳ぎ
1位 廣島 2分09秒09
2位 吉田 2分10秒86
6位 川島 2分11秒92
▼男子4×200メートルフリーリレー
1位 清水・五味・渡辺・田渕 7分15秒33
▼男子総合順位
1位 明大 489.0点
2位 近大 366.0点
3位 中京大 332.5点
▼女子総合順位
1位 神大 372.0点
2位 中京大 354.0点
3位 早大 330.0点
明大 54.5点
インカレは後半戦を迎えた。2日目終了時点では2位の近大に23点差と迫られるも、214点で1位を守り切った。
続く3日目、100メートル背泳ぎでは、栁川大樹(政経4=日大藤沢)が3連覇を懸けて決勝へ。パリ五輪を戦った竹原秀一(東洋大)ら強者が集まったレースで、後半バサロキックで一気に先頭へ出るも、惜しくも3位に。「焦ってしまい、後半の追い上げミスをした」と悔しさをにじませた。
200メートル個人メドレーではラストイヤーの廣島偉来(政経4=淑徳巣鴨)が自己ベストを更新し2位に。「予選では思ったよりしんどかったがベストが出て良かった」とレースを振り返った。またルーキーの加藤涼(政経1=中京大中京)は8位で初めてのインカレ個人種目を終え「決勝に残ることが目標で、決勝を想定しての練習ができていなかった。調子は上がってきているので、今年中には自己ベスト更新を目指す」と前向きな姿勢を見せた。
400メートル個人メドレーで惜しくも4位であった田渕海斗(情コミ4=日大藤沢)は400メートル自由形では有言実行の金メダルを獲得。優勝インタビューでは「俺に付いてこい!GO MEIJI!」とチームを鼓舞した。
リレー種目では4×100メートルのメドレーリレーが行われ1泳の栁川が序盤から近大、東洋大にリードを許す展開に。2泳の小嶋壮(情コミ3=桐光学園)・3泳の成嶋義徳(政経2=八王子学園八王子)が2位で五味智信(商4=湘南工科大付)につなぎ、逆転を願う大歓声が起こるが惜しくも2位の結果に終わった。しかし1、2位のタイムが大会新記録を超える好レースで、さらにパリ五輪日本代表の五輪予選結果をも上回る記録であった。悔し涙を流しながらの表彰台となったものの「こんなしょぼくれた結果で終わるわけにはいかない。絶対、特に近大には死んでも負けないように頑張りたい」(五味)と強いまなざしで最終日への誓いを立てた。
一方の女子部では、長尾佳音主将(営3=武蔵野)は2日目に引き続き、400メートル自由形では今大会2枚目のメダルとなる銅メダルを獲得。主将としてチームを引っ張った。インカレ初出場の田村真優(営1=目黒日大)は50、100メートル自由形でB決勝に出場。ベスト更新とはならずも「やり切った感じがある。来年こそは決勝に残りたい」と意気込んだ。目標としていたシード権獲得はかなわなかったが、3選手で54点を獲得し、来年のインカレに期待がかかる。
大会最終日、100メートルバタフライでは、成嶋が見事1位を獲得。前日の4×100メートルメドレーリレーでの悔しさを糧に挑んだレースだった。「不安があったが、仲間が大丈夫と言ってくれたから、それを信じて泳ぎ切れた」と振り返った。
200メートル平泳ぎでは廣島、吉田悠真(農2=春日部共栄)、川島朝陽(商2=淑徳巣鴨)が決勝へ駒を進めた。廣島は自己ベストを更新し他を圧倒して金メダル。吉田は初出場のインカレで自己ベストを1秒以上も更新し、銀メダルを勝ち取った。川島は悪い調子を断ち切り、自己ベストに近い記録で6位。後輩の台頭に廣島は「吉田と川島の接戦、ライバル関係は楽しみ」と期待を寄せた。
ついに、インカレ最終レースとなった4×200メートルフリーリレーでは、明大勢として6年振りの優勝を果たした。メンバーは清水博斗(政経3=日大藤沢)・五味・渡辺裕太(営2=日大藤沢)・田渕。1泳の清水は「五味君は半フリ(50メートル自由形)の疲労があると思うので、少しでもアドバンテージをつくれるようにした」。パリ五輪を経験した松下知之(東洋大)に0.75秒の差をつけ、五味につなげる。五味は1位を日大に譲るも、4×100メートルフリーリレーの優勝の立役者、渡辺が前半から攻める。差を縮めると、勝負の行方は田渕に託された。50メートル地点では既に1位と横並び、そこからは差を広げていき、半身分の差をつけ勝利。「1番思い入れが強い種目だったので、まず優勝できたことがうれしい」と喜びをかみ締めた。
4日間の熱き戦いに幕が下ろされた。インカレ最高得点500点越えという高い目標は達成できなかった。だが「もう僕たちは安心してこれで明治を卒業できるので、来年からも1番強くて1番イケてるチームが明治だということをずっと証明していってほしい」(五味)と、その目標はこれからの世代に託された。黄金世代の4年生の活躍はもちろん、下級生たちも力を着実に上げてきている。来年も頂からの景色を見ることができるのか。紫紺のスイマーたちに期待がかかる。
[杉本菜緒]
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