
対抗戦開幕 青学大に快勝し好スタートを切る/関東大学対抗戦Aグループ
木戸組の『奪還』への挑戦が始まった。関東大学対抗戦(対抗戦)が開幕。明大は青学大相手に、序盤は規律面やイージーミスで流れをつかみ切れない時間があったものの、4トライを挙げ26―10で後半へ。後半は攻守両面で圧倒し、73―17と大差をつけ対抗戦開幕戦を勝利で飾った。
◆9・8 関東大学対抗戦Aグループ(月寒屋外競技場)
▼対青学大戦
○明大73{26―10、47―7}17青学大
鋭い日差しが照り付ける中行われた今試合。「対抗戦初戦ということもあって、全体的にプレーが固くなってしまい自分たちの思うようなプレーができなかった」(スタンドオフ萩井耀司・商1=桐蔭学園)と、前半6分に規律の乱れから先制トライを奪われるなど序盤は厳しい時間が続いた。明大が初得点を挙げたのは14分。敵陣中盤のマイボールスクラムから左に攻撃を展開すると、フルバック金昂平(政経4=大阪朝鮮)が裏の空いたスペースにグラバーキック。反応した左ウイング白井瑛人(商1=桐蔭学園)がボールを拾い上げ、そのままインゴール左隅に飛び込んだ。さらに直後の19分、自陣22メートル付近で金昂がディフェンスのスキを突きラインブレーク。テンポのいいアタックで青学大の守りを次々にこじ開け、最後は再び白井がトライを挙げた。「みんながつないでくれたボールだったので感謝している。僕だけのトライじゃなくて、チームのトライ」(白井)。26分には相手チームのシンビンにより数的優位に立つと、直後のマイボールラインアウトでモールを押し込みフッカー西野帆平(文3=東福岡)がグラウンディング。36分にラインアウトモールから青学大にトライを許すも、39分に左プロップ檜山蒼介(情コミ2=尾道)の縦の突破から右ロック物部耀大朗(商2=中部大春日丘)にパスが渡り、最後は左センター平翔太(商3=東福岡)がインゴール中央まで走り切った。先制を許すなど立ち上がりに苦しんだ明大だったが、粘り強いディフェンスで連続失点を防ぎ26―10と16点差をつけて試合を折り返す。
「(前半は)固くなってしまい自分たちがやりたいスキルを出せなかったので、しっかりハーフタイムで話し合った」(ナンバーエイト木戸大士郎主将・文4=常翔学園)と臨んだ後半、先取点を挙げたのは明大だった。後半7分、敵陣ゴール前のマイボールスクラムから攻撃を展開し、白井が今試合ハットトリックとなるトライを挙げた。13分には、ハーフライン付近から左フランカー最上太尊(商3=仙台育英)のビッグゲインで一気に敵陣に攻め込むと、ラインアウトモールを押し込み山本文士郎(営4=明大中野)がグラウンディング。さらに58分、敵陣での相手ボールスクラムで優位に立ちコラプシングを誘うと、ラインアウトモールから再び山本がインゴールに飛び込んだ。「FWのまとまりがとても良くて、しっかりモールで押すことができた」(山本)。24分に青学大に得点を奪われるも、明大は攻撃の手を緩めない。27分、敵陣ゴール前のラインアウトモールから山本の3トライ目が飛び出すと、34分には敵陣ゴール前の相手ボールスクラムで田中景翔(文2=常翔学園)の好ディフェンスでボールを奪い返すと、BKに素早く展開し平翔が中央にグラウンディング。試合終了間際にも田中景のトライ、山本の今試合4トライ目で突き放しノーサイド。77―17と大量得点で開幕戦を勝利で終えた。
開幕戦で青学大を下し、快調な滑り出しを見せた明大。春シーズンで課題だったスクラムでは、相手をドミネートしペナルティーを奪うシーンも多く見られた。しかし木戸主将は「全く良くなかった」と語る。「(スクラムは)明治としてプライドを持たないといけないし、スクラムは自分たちの心臓だと言っているのに、気の緩みやちょっとしたスキルで相手にドミネートされるのは全く良くなかった」(木戸主将)。対抗戦の大一番となる、フィジカルバトルを強みとしている帝京大やライバル・早大との対決は、スクラムやラインアウトなどセットプレーの精度が大きなカギを握ることは間違いない。次戦の相手は古豪・慶大。春シーズンに山形県で行われた慶大との招待試合では、56―45と壮絶なシーソーゲームとなった。これも春シーズンで課題だった、規律面やディフェンスの完成度が勝敗を左右する。「慶応がどういうアタック、ディフェンスをしてくるのかをまず自分で分析して、それをしっかりチームに落とし込んでいきたい」(萩井)。試合を重ねるごとに成長を見せる明大が、伝統の明慶戦を制するだろう。
[晴山赳生]
試合後のコメント
木戸主将
――規律面は春シーズンでも課題だったと思いますが、今試合ではいかがでしたか。
「ちょっとかみ合っていない部分もあって、チャレンジしてペナルティーになってしまうのはオッケーだと思うんですけど、あまり取られたくないところで取られてしまったのでそこは修正していきたいです」
萩井
――チーム全体で細かいミスが少し目立ったと思いますが振り返っていかがですか。
「そういう細かいミスは練習中からすごくあって、想定できたことだったので次どうしようかっていうのは考えられたので良かったです。ですがそういったミスを減らさないとこの後の試合はそのミスからトライを取られるシーンが増えてくると思うので、もう1回チームとしてしっかり修正できればと思います」
白井
――今試合の個人の目標を教えてください。
「今日の自分のテーマはケガをしないことです。大学生はやっぱり体も大きいし、ケガをしてしまったら試合の出場権すら得られないので、試合にチャレンジするためにもケガをしないことは注意してやりました。自分が全力でやったらケガしないので、そこは100%でやり切っています」
平翔
――青学大の印象はいかがですか。
「自分は東福岡高校出身なんですけど、相手も(東福岡高出身選手が)6人ぐらいいて、知っている人もいたので、こういうことをしてくるなっていうのは予想できました」
山本
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「まず勝てたことは良かったと思うんですけど、セットプレーの部分で全然うまくいかないところがあったので、それを来週のジュニア(関東大学ジュニア選手権)だったり、慶応戦に向けて修正したいと思います」
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