強敵慶大に惜敗 歴史的快挙とならず/関東大学女子1部リーグ戦

2024.09.09

 9月5~6日に関東学生女子1部リーグ戦が行われた。第4戦の相手は創部からいまだ勝利したことのない慶大。ダブルスを2勝で終え順調なスタートを切るが、シングルスでは1勝3敗と、勝敗の行方はS1鈴木渚左主将(国際4=野田学園)に託された。日をまたぎ行われた長時間の試合で食らいつくもあと一歩及ばず、最終スコアは3―4と歴史的勝利とはならなかった。

【D2長谷川晴佳(国際2=野田学園)・藤永萌花(文2=野田学園)組VS馬渕麻実・田島楓組】
 チームに流れをもたらすべく任されたのは、現在2連勝中と波に乗る長谷川・藤永組。第1セットの第1ゲームは、相手のリターンゲームを藤永の鋭いボレーで幸先よくブレークに成功。第2ゲームも取り、序盤から試合の流れをつかんだかと思われた。しかし、続く第3ゲーム。長谷川のボレーが連続でネットとなり0―40とすると、藤永のフォアハンドが外れてラブゲームでブレークを許す。第4ゲームも取られ、ゲームカウント2―2で試合は振り出しに。だが「そこまで焦りはなくて、相手の調子やプレーを見極める時間という程度に捉えていた」(藤永)とあくまで冷静さを保つ。第5ゲームを取り、続く第6ゲームも勢いのまま40―30とブレークポイントを握ると、長谷川のストロークが相手のボレーミスを引き出しブレーク。ゲームカウントは4ー2となり、再度リード。第7ゲームも取って5―2とし、迎えた第8ゲーム。40―30とし、最後は藤永の強烈なリターンでこのゲームも奪う。ゲームカウント6―2で、第1セットを取った。

 ストレート勝ちを狙う第2セット。第1ゲームは危なげなく取ったが、続く第2ゲームにラブゲームでキープを許す。第3ゲームも相手のストロークに押される展開が続いて0―40に。1本返すも、最後は藤永のバックハンドがネットにかかり、ブレークを許す。すぐに取り返したい第4ゲームは冷静なプレーで40―0とし、40―30まで詰め寄られるも、長谷川のフォアハンドが決まりブレークに成功。第5ゲームも奪い、ゲームカウントは3―2となったところで相手がメディカルタイムアウトを取る。「時間があるなら、自分たちもその分休憩できるが、長い時間を取った後の1ポイント目は大事だから集中しよう」(長谷川)と、気持ちを切らさずに入った第6ゲーム。相手の厳しい球にも食らいつき、40―15として、最後は藤永のバックハンドが決まりブレーク。第1セットに続き、このセットも中盤でリードを奪う。ゲームカウント5―3で迎えた第9ゲームは長谷川のストロークがさえわたり、最後は相手のショットがネット。6―2、6―3で勝利を収めた。これで長谷川・藤永組は3連勝。チームの結果を大きく左右するダブルスで、存在感を見せつけている。

(写真:ガッツポーズを見せる大沼)

【S2大沼愛弥(文3=野田学園)VS中島玲亜】
 「上で出ている以上相手は格上であり、全て出し切らなくては勝てないということは分かっていたが、その中で自分の軸を失い混乱してしまった」。大沼の相手は、先月行われた全日本学生選手権女子シングルスで準優勝を収めた中島。第1セット、ゲームカウント2―0で迎えた第3ゲームでは左右に揺さぶるストロークで相手のミスを誘いブレークを奪う。しかし、その後のサービスゲームでは3連続でポイントを連取するも、サーブミスやサイドアウトが響き、キープすることができなかった。「打ち合ったら勝てる相手ではないので、揺さぶってミスを誘うつもりでやっていたが、揺さぶっている中で自分が先にミスしてしまった」。この第4ゲームで主導権を相手に握られ、第1セットを1―6で落とした。

 勝負の第2セット。サービスゲームの第1ゲームでキープし、順調なスタートを切る。第4ゲームでは低めのストロークとロブボールでミスを誘いブレークを奪った。両者譲らぬ展開のままゲームカウント3―4で迎えた第8ゲーム。白熱したラリー戦を繰り広げデュースにもつれ込むが、あと一歩決め切ることができなかった。「(デュースで)取り切れなかったところが、自分に自信が持ち切れなかった部分であった。(取り切れなかった)要因はいっぱいあると思うが、勝負強さが相手の方があった」。その後はストレートでブレークを奪われ、ゲームカウント3―6で敗北を喫した。

[橋場涼斗、髙橋未羽]

試合後のコメント
鈴木
――今試合を振り返っていかがですか。
 「これまでの試合の中で自分に自信が持てなかったり、最後まで信じ抜くことができなかった試合が多かったので、今回は自分のことを信じてやろうと思ったんですけど、団体戦だから周りの声だったりベンチの声も聞かなくてはいけないっていうのもありました。それで最終的にファイナルセットでは、アドバイスを聞きながらも、最後は自分の信じたプレーをしなくてはいけないのに、そのいろいろな人の声を聞いて、最後に自分が選択するというところで、うまく信じ抜けなかったところが負けた要因かと思います」

――第2セット中盤からの足の状態はいかがでしたか。
 「途中から歩くのもきつくなって、コートに立つだけで精一杯という状態が続いていました。最後のゲームはもう左足の前の太ももが、膨れ上がってしまって立てなくて。今までそうやって立てなかったことはなかったので、プレーができないで、ポイントを相手に取られるというのが本当に悔しかったです」

藤永
――今試合で良かったところを教えてください。
 「全体を通して大事なポイントは自分たちが取ったなっていうのは思っていて、個人的には特にボレーは自信を持ってやれて、取れる範囲も広がっていたので、そこはすごく良かったです」

長谷川
――次戦への意気込みをお願いします。
 「ダブルスに関しては最初の2本の勝敗を決めるし、チームの流れをつくることになるので、今回みたいな試合をして、またチームに1勝をもたらして勢いづけていきたいと思います」

大沼
――慶大戦でのチームとしての収穫はありますか。  
 「チームとしては慶大をここまで追い込めたのは多分初めてで、正直言ったら今回は勝てたと思うんですけど、ここまで追い込めたので、来年以降自信を持ってくれたらと思います」