足立・松山ペア、有終の美を飾る優勝/東京選手権

1999.01.01
 4月に入学が決まっているルーキーを加えてからは初めての、そして今年卒業する4年生にとっては最後となるのがこの東京選手権。学生、社会人が入り混ざり、毎年レベルの高い試合が見られるその大会で、今大会が最後のダブルスとなる足立・松山組が優勝を成し遂げた。学生同士のダブルスとしては昭和58年の渡辺・斉藤組以来となる快挙だ。

 ポイントとなったのは準決勝。相手は全日本選手権準優勝ダブルスの田勢(協和発酵)・倉嶋(平11営卒・現協和発酵)組だ。足立が攻め、返ってきたボールを松山がブロックする。「めちゃくちゃ調子が良かった」(松山)と語る2人のかみ合った攻撃は相手に1セットも取らせず、見事決勝進出を決めた。「何度か練習や試合はさせてもらってたけど今まで一度も勝ったことがなかった」(足立)ダブルスから勝利した勢いは決勝でも衰えず、決勝の相手、全日本学生選手権優勝ダブルスの徳増・森田組(専大)からいきなり2セットを連取する。あと1セット取れば足立・松山組の優勝が決まるという状況で迎えた3セット目、10対10。激しいラリーの応酬から先に2ポイントを奪ったのは徳増・森田組だった。それでもまだ1セットリードしている状況は変わらない。そして4セット目、何かおかしい。あれほどかみ合っていた2人の攻撃が得点を奪えない。相手に先に攻められ、気がつけば11対1。勝負の行方は5セット目の結果を待つこととなった。しかし5セット目が始まっても流れは変わらず、いきなり3点を先制される。だが2人は冷静だった。「もう1度、攻めの確認をした」(松山)。そこから足立・松山の追い上げが始まった。会場も明治対専大の応援合戦。先にマッチポイントを握ったのは明治だった。そして審判が明治側にポイントを入れた瞬間、2人はこれ以上にない笑顔で手を合わせた。
 表彰台の一番高くに上った足立の笑顔、そして松山の涙からは、満足げな、そして4年間やりきったという思いが感じられた。「明治に入って、4年間やってきて良かった」(足立)の言葉にそのすべてが詰まっている。そしてこの優勝は現役部員にとっても「素直にすごいと思う。自分たちでも優勝できた可能性はある」(水野・営3)と、次代につながる価値のある優勝だ。新人選手権優勝、全日本学生選手権優勝と、数々の輝かしい功績を残してきた足立・松山組。学生として、そしてこの2人でペアを組んでの出場はこれで最後となるが、その最後の大会で今まで明治を引っ張ってきた2人の偉大な4年生が魅せてくれた。

試合後のコメント
足立

「松山と組むのはこれが最後となるだろうから、優勝できてうれしい。ランク入りは狙ってたけど、最初は優勝までは思っていなかった。でも倉嶋さんたちのペアに勝ってからは優勝を意識してた。4年間やってきて良かったです」

松山
「学生として出るのはこれが最後だけど、悔いとかは全然ない。足立とは1年生のころからダブルスを組んでて、最初に新人戦で優勝した。そして最後もこうして優勝できてうれしい。最後危ない場面もあったけど、足立を信頼してた」