自己ベスト更新続々 天皇杯連覇へ出だし好調/日本学生選手権

2024.09.07

 4日間にわたる日本学生選手権(インカレ)が始まった。学校対抗でしのぎを削る今大会。明大は初日から10人が予選を通過し、男子100メートル自由形では五味智信(商4=湘南工科大付)が1位に。チームに勢いをつけた。その勢いはとどまることを知らず、2日目は男子400メートルフリーリレーで大接戦を制し、優勝。他にも2日間で6人が自己ベストを更新する強さを見せつけ、学校対抗得点では男子1位で大会を折り返した。

◆9・5~9・8 第100回日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)
◆1日目
▼男子400メートル個人メドレー
4位 田渕 4分15秒00
5位 上川畑 4分15秒21
▼男子200メートル背泳ぎ
2位 栁川 1分58秒68
▼男子100メートル自由形
1位 五味 48秒77
7位 餅田 50秒22
◆2日目
▼男子1500メートル自由形
6位 庭野 15分32秒85
8位 江沢 15分40秒67
▼女子200メートル自由形

2位 長尾 1分59秒76
▼男子200メートル自由形
3位 清水 1分48秒53
▼男子200メートルバタフライ
3位 上川畑 1分56秒92
▼男子100メートル平泳ぎ
4位 小嶋 1分00秒66
▼男子4×100メートルフリーリレー
1位 五味・餅田・成嶋・渡辺 3分17秒35

 大学競泳界最大の団体戦であるインカレが開幕した。昨年度は男子総合優勝、女子はシード権維持と男女ともに目標を達成した明大。そんな猛者が今年度掲げた目標は、男子は史上最高得点での優勝、女子は一人一人のタイム、得点の向上だ。第100回という記念すべき大会での栄冠を目指して、紫紺のスイマーたちが泳ぎ始めた。

 チームの行方を左右する重要な初日。パリ五輪銀メダリストの実力者、松下知之(東洋大)に注目が集まる400メートル個人メドレーでは、田渕海斗(情コミ4=日大藤沢)、上川畑英(政経2=桐光学園)が決勝入りを果たすも、田渕が4位、上川畑が5位と涙をのむ結果に。「田渕さんとは2人で表彰台に乗ろうと話していたので、かなえることができずチームに申し訳ない」(上川畑)。田渕は自身の泳ぎについて「前半で抑えすぎてしまった」(田渕)とレースを振り返った。また、川島朝陽(商2=淑徳巣鴨)が自己ベストを更新してB決勝に進出。B決勝でもベストタイムをたたき出し、好調をうかがわせた。200メートル背泳ぎでは栁川大樹(政経4=日大藤沢)が2位。「1か月前のタイムと比べると、よくここまで戻せたと思う」(栁川)と自分の泳ぎを取り戻すことに執着した練習が実を結ぶ結果となった。そして、100メートル自由形では五味が金メダルを獲得。前半50メートルを3位で折り返すと、残り50メートルで一気に前に躍り出た。最後のインカレで悲願の優勝を果たし、満面の笑みで表彰台に上った五味。その首には今大会、明大初のメダルがかかっていた。

 2日目は、得点が2倍になるリレーで全国の頂点に輝いた。昨年度のレースで日大に0.14秒及ばず、悔しい思いをした4人による雪辱戦となった男子4×100メートルフリーリレー決勝。第1泳者の五味が東洋大に0.48秒の差をつけ、1位で受けたバトンを餅田凛太郎(法2=法政二)は2位で第3泳者の成嶋義徳(政経2=八王子)につなぐ。「緊張と焦りで硬くなってしまった部分はあったが、それでも自分にできることは発揮した」(餅田)。成嶋は「前の2人が作ってくれたリードを維持しようと思っていたが、少し落としてしまった」と振り返る通り、3位にまで順位を落とすも、ここから猛攻を見せたのがアンカー、渡辺裕太(営2=日大藤沢)。早大、中大との激闘をラスト5メートルで制し、チームのバトンを勝利に導いた。ラストイヤーの五味は、「今回は自分が少し手を貸しただけで、すごく頼もしい後輩たちなので、来年は安心して彼らに任せられる」と後輩たちへの思いを口にした。

 女子では、長尾佳音主将(営3=武蔵野)が200メートル自由形で2大会連続の銀メダルを獲得。「女子は今大会のレベルが高く、決勝で戦える種目が限られてくるなかで、自分が表彰台に上がってチームに勢いをつけることができてよかった」(長尾)と自身にとってもチームにとっても大きな勝利となった。なお、女子部は今大会でのリレーへの出場は棄権とすることに。個人の種目に専念し、記録の向上を目指す。

 男女ともに目標に向けて、幸先のよいスタートを切った前半戦。悔しさが残る結果に終わったレースもあったが、インカレは折り返したばかり。前回大会覇者の意地をどこまで見せてくれるのか、後半戦にも期待がかかる。

[寺井和奏]