早大撃破! 最終戦に望みつなぐ/関東大学男子1部リーグ戦

2024.09.05

 慶大に劇的な勝利を挙げ、次の相手は早大。負けると王座の道が途絶え入替戦の可能性が高くなる中、ダブルスを2―1で折り返す。シングルスでは、太田翔(法4=大分舞鶴)、山中朝陽(文3=四日市工)が勝つも4―4で勝負はエース鈴木久統(政経4=湘南工科大付)に託された。互角の第1セットを制し、勢いそのままに鈴木が大金星。不振だったエースのリーグ初勝利がチームを王座に導く。

D1山中・村田英夢(理工3=麗澤瑞浪)VS山口柚希・本山知苑組】
 山中・村田組が早大相手に圧倒的な力の差を見せた。「相手の本山は自分の高校の2個下の後輩で、実績もあり強いのは知っていたが気にせず思い切りプレーした」(山中)。第1セットは第3ゲームからラブゲームでブレーク。その後第4ゲームでは30―40でブレークバックされそうになるも村田のサービスエースでデュースに持ち込み粘り勝つ。続く第5ゲームでは村田のボレーがさく裂しゲームカウントは4―1に。その後山中が3連続でサービスエースを決め勢いそのままに第6ゲームをキープし、ゲームカウント5―2で第8ゲームを迎えた。ここで勝ち切りたいところだがセットポイントになったところで相手にリターンエースを3回決められアドバンテージを取られてしまう。しかし山中がベースライン際のショットでデュースに戻すと村田のサービスエースと山中のスマッシュで得点し6―2で第1セットを獲得した。

 山場の第2セット。ゲームカウント2―2で迎えた第5ゲームではリターンエースやボレーで瞬く間に得点を重ねると最後は山中がラリーを競り勝ちブレーク。その後第6ゲームも難なくキープした。続く第7ゲームでは相手の並外れた速さのファーストサーブに苦戦させられたものの、ラリーやボレー勝負では優位に立ち、さらにゲームカウントに差をつけた。「苦しい場面もコーチに助けられたり自分で気持ちを整理していいプレーができたことが相手のプレッシャーになって勝負どころを取り切れた」(村田)。その後も勢いは止まらずサービスエースやボレーで得点すると最後は村田の強打を相手がアウトしストレートで第8ゲームを獲得。2セット目もゲームカウント6―2と大差で勝利しチームに勝ち点をささげた。

(写真:村田(左)・山中組)

【S4山中VS永山寛基】
 山中がまたシングルスで勝利を挙げた。第1ゲーム、山中が主導権を握りブレークを決めるとそのまま4ゲーム連取しいい流れで試合に入る。続く第5ゲームも勢いのままにデュースまで粘った。しかし、ミスが目立ちラリーで押し負けキープを許した。第6ゲームでもサービスエースを2本決めるなどで得点を重ねたもののミスショットがありゲームを落とした。「序盤はいいプレーができていてリードできていたが、ブレークされて危ない展開になってしまった」。4―0から4―3に追いつかれた山中だが、一本一本丁寧に返し第8ゲームをキープ。第9ゲームではボレーに出た相手のストレートを撃ち抜きブレークに成功。第1セットを制した。

 第2セットも山中リードで試合が進む。ゲームカウント5―1で迎えたサービスゲーム。キープで勝利となるものの、マッチポイントで点が取れずブレークを許す。「マッチポイントになって早く終わらそうとか自分が取ったときのチームのことを変に意識し過ぎた」。キープされ次のサービスゲームでも相手にリードを許す。30―40からラリーで相手のミスを誘うが続くデュースで再び先行され後がない状況に。このゲームを諦めなかった山中はラリーで左右に打ち分け振り出しに戻すと、強烈なサービスで相手を崩す。スマッシュを決め、最後はラリーで粘り、スコア6―3、6―3で永山を破った。

 リーグ戦シングルス4連勝を果たした山中。「次勝ったら4勝目というのは分かっていたが、個人の結果意識せず目の前の試合に勝つことを意識した」。次戦は強敵・筑波大。5連勝とチームの勝利を目指して山中は試合に挑む。

[保坂啓太郎、羽田進清]

試合後のコメント
鈴木
――勝利を決めた今の率直な気持ちを教えてください。
 「5―4で勝ててすごく嬉しいなっていう気持ちが一番で、第1戦の法政戦で4―4で僕に懸かって、その時に僕が負けてチームが負けてしまったので、今日は4―4で懸かったチームに絶対勝つぞって言ってたところで、しっかり自分が勝ってチームが勝ち切れたことがやっぱり今率直にすごく嬉しいです」

――最終戦に向けて個人の目標を教えてください。
 「個人としての目標は田中佑(筑波大)っていう春関(関東学生トーナメント)3連覇してる子と戦って同じ高校の高3(鈴木)、高2(田中)の相手なんですけど、全然高校時代僕の方が勝ってたし、気負いせず絶対勝てるっていう気持ちを忘れずにプレーしていこうかなと思います」

――最終戦へチームとしてはどのように臨みますか。
 「チームとしてはやっぱり次勝ったら王座っていうのが明確に見えてくるので、チームで誰1人としても誰かが取ってくれるっていう気持ちになったら王座なんて行けないと思うので、出る選手一人一人が絶対自分が取るっていう強い気持ちを持つことが大事かなと思います」

太田
――勝ちが決まった時の率直な気持ちをお聞かせください。
 「今まで試合であまり勝ててなくてきつかったんですけど今日勝てて本当に嬉しかったです」

――苦しい場面はどう乗り越えましたか。
 「やっぱり応援の力です。3人くらいめっちゃ大きな声を出してくれてその力が大きかったです」

村田
――相手の印象を教えてください。
 「山口選手は前の対抗戦でもかなり勝っていて分析もいろいろ充実したものがあったので、それにしっかり目を通してやることをはっきりさせられたことが勝ちにつながったと思います」

――良かった点と悪かった点を教えてください。
 「いつもより積極的にポーチに出たり強気に打ち込んだり攻めの姿勢を今日は出せたのが良かったところです。悪かったところとしてはブレークされそうになると少しファーストサービスの入る確率が落ちてしまったり、コントロールがずれて相手の打ちやすいところに飛んでいってしまったりしたのでそこを対策して改善したいです」

山中
――副田温斗さん(令6営卒)がいましたが影響はありましたか。
 「高校からの先輩で、いるだけで自分も頑張ろうと思えるし元ダブルスペアなのでいることが自分の勇気になりました」

――次戦への意気込みをお願いします。
 「筑波にもし勝ったら王座に行ける可能性が残っているので、自分のできる限りのことをして4年生に恩返ししたいです」