
(4) 地元の人気者・北村早~時代に託す思い~
「あと1年しかない。やばいな…」一年前、記録なしでインカレを終えた北村は危機感を抱かずにいられなかった。リベンジのチャンスはあと一回。最後のインカレ開催地となるのは、慣れ親しんだ妙高の地。「このスキー場は、ほかの誰よりもオレが一番滑っていた」。このコースで行われた学生チャンピオン大会、自身が得意とするスーパー大回転では常に3番以内に入ってきた。地元の強みを生かし、何としても最後に結果を残したい。北村早、自身のスキー人生を有終の美で飾れるかついにその時がやってきた。そして迎えたインカレ当日、妙高の空は快晴で北村を迎えた。
スタート音と同時に勢いよく飛び出しターンを決めていく。1分10秒、11秒、12秒…。結果は1分13秒09、健闘もむなしく43位に沈んだ。「優勝できると思っていた。リフティングをおろそかにしていた罰が当たったんだと思う」。インカレ期間中しばしば「もうあと少しでインカレが終わっちゃうんだな」とこぼした北村。何とか次の大回転、回転で取り戻そうともがいていた。「大回転で取り返そうって思っていた。そうでもないと、1年生が3人もいるのに示しがつかないから」。しかし、彼の滑りにキレが戻ることはなかった。「タイムも結果も出なかった。来年、新潟から2人アルペンに入ってくるし、そいつらのためにも結果残したかった。明治に入ってだめになるとかって思われたくない…」。
北村は最後、「インカレは、最初にアルペンがある。だからこそ、明治を勢いづけるためにもおれたちがとらなきゃ。自分がポイントとれなかった分、下級生にはやっぱり明治アルペンとしてポイントを取っていってほしい」と下級生に託した。北村の味わった悔しさと彼が残した強い思いを絶対に無駄にしてはいけない。時代を担う下級生は「自分たちが明治のアルペンを強くする」(長井・政経1)と彼のバトンを受け継いだ。記録には残らなかったが、きっと北村は明治アルペン部門に大きな布石を残したに違いない。
◆北村 早 きたむらはや 政経4 関根学園高 166cm・75kg
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