
法大にリベンジ果たせず 悔しさ残る準優勝/全日本学生選手権
大会連覇をかけた全日本学生選手権(以下、インカレ)。決勝トーナメントを着実に勝ち進むも、因縁の相手・法大にまたも敗北し、無念の準優勝に終わった。これにより、全日本学生王座決定戦(以下、王座)出場を実現するには、9月に開幕する東京都学生リーグ戦での優勝が絶対条件となった。大会連覇こそかなわなかったものの、2年連続表彰台入りという偉業を成し遂げた明大。昨年の王座での雪辱を果たすべく、彼らの挑戦は続く。
◆8・22~24 第72回全日本学生選手権(グリーンアリーナ神戸)
▼男子団体
明大――準優勝
▼女子団体
明大――予選敗退
▼男子個人
小林――3位
予選を18中で1位通過し、決勝トーナメントは2回戦からの出場となった明大。愛知学大との決勝トーナメント初戦を17中―14中で勝利し、チームに弾みをつけた。続く3回戦の相手は、同じく予選を1位通過し、2回戦では19中と高的中をたたき出すなど絶好調な立命館大。勢いに乗る立命館大を前に緊張が走る試合となったが、18中―17中のハイレベルな戦いで前回大会覇者の意地を見せた明大が準決勝に駒を進めた。
大会3日目は大東大との準決勝から始まった。大東大は6月の全関東学生選手権(全関東)決勝で打ち負かした相手だ。確実に勝利したいこの場面で、大前・増田皓太(理工3=富士宮西)、二的・若林優弥(農3=小笠)、三的・中嶋航大(農2=帝京長岡)の3人が見事な皆中を披露。「練習の時点から、前3人が精神的にも的中的にもリードしてくれていて、支えられた部分は大きかった」(小林樹生・理工4=国学院)とチームの力で決勝への切符を手に入れた。
ついに迎えた決勝。昨年の王座で完敗した宿敵・法大に、落前を宮下雄琉(営1=坂戸西)から細川凌平主将(営4=秀岳館)に交代して挑むも、最後までいい流れを作ることができなかった。「練習でも12中という低的中はめったに出すことがないので、決勝戦という緊張する場面で、力を出し切れないチームなのが現状だと感じた(若林)と勝負どころで実力を発揮することができなかった明大は、因縁の相手・法大に王者の座を譲ることとなった。「心のどこかで法大に対してあまりいい思いをしていないという意識があって、その思いが裏目に出てしまったと思う」と増田は敗因を分析した。
一方、個人戦では小林が3位入賞。ラストイヤーで華々しい結果を飾った。「団体戦で足を引っ張ってしまって申し訳ないという気持ちがありつつも、落ち着いて自分の射ができたことが今回の結果につながった」(小林)。
大会連覇の夢は惜しくも破れたが、来たる王座での優勝を見据え、決意を新たにした。王座とは今大会で優勝した法大を含め、各地区学連秋期リーグ戦の優勝校の計10校が一堂に集うトップレベルの大会だ。今大会で王座への切符を逃した明大にとって、王座への出場権を獲得するにはリーグ戦で優勝する他ない。「自分の射形を極めるだけでなく、周りを巻き込んで一緒に成長することでリーグ戦を勝ち切りたい」(若林)、「明大は他校に比べると少数精鋭のチームなので、その精鋭に自分が入れるように努力したい」(細川)と各々がリーグ戦への意気込みを語った。リーグ戦突破と王座での優勝。並大抵な道のりではないが、実力者ぞろいの底力を見せつけてほしい。
[寺井和奏]
試合後のコメント
細川
――大学生活最後のインカレをどのような気持ちで迎えましたか。
「弓道人生最後のアリーナでの試合だったので、今までの競技人生をかけて最後は絶対に勝つぞと思って臨みましたが、自分の力不足で及ばなかったことが悔しかったです」
小林
――2連覇が期待される大会でしたが、プレッシャーはありましたか。
「全国大会を2連覇するというのは本当に誇らしいことですし、自分は昨年のインカレで出場したメンバーだったこともあって、プレッシャーはすごく感じていました。 ただ、前回大会の結果は踏まえずに、今の試合に集中して臨んだ方がよかったのかなという後悔は少しあります」
増田
――団体戦を振り返ってみていかがですか。
「決勝戦以外は割といい試合運びができていたとは思いますが、それでも最高的中率が昨年の19中より低いですし、団体のまとまりとしてまだ弱いところがあると感じたので、そこを普段の練習から意識して頑張っていきたいです」
若林
――決勝トーナメントの4試合全てで皆中でしたが、その要因はありますか。
「大会に向けて自分がやるべきことをシンプルに決めて、それをやり切ることができたのが今回の結果につながったと思います。それでも一本一本の射の内容を見ると、まだ甘い部分はあるのでそこをもっと深めていきたいです」
中嶋
――団体戦の結果について率直な気持ちを教えてください。
「自分は前回大会の予選で交代を経験したので、今年は1本も抜かずに決勝まで行くことができて躍進した大会となりました。これから気持ちを切り替えてリーグ戦でもチームを引っ張っていきたいです」
宮下
――どのような気持ちで決勝をご覧になっていましたか。
「自分は練習量が全然足りてなくて生半可な気持ちでやっていた部分もあるので、追い目を感じてはいたのですが、いまさら考えてもどうしようもないというのと、日頃の行いの悪さが巡り巡って自分に回ってきたのだろうなと感じていました。その場から消えたくなるほど悔しかったですけど、先輩方がまだ頑張ってくれているので、全力で応援して願うことしかできなかったです」
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