(4)スマッシュ他(野口敏裕 神谷慎)

1999.01.01
 汗を飛び散らし、ラケットでボールをはね返す。さわやかで熱いスポーツであるテニスは、大学でも広く親しまれています。サークルなどで大学からテニスに触れ、うまくなりたいと感じた人も多いでしょう。そこで、06年インカレベスト8や07年関東ベスト4と、今、昇り調子の明大硬式庭球部に技術向上への秘けつを聞いてみました。上達することで、さらにテニスの魅力に取り付かれて行くはずです。

第4回はゲームの際決め手となるスマッシュ・トップスピン・エッグボール編です。
【スマッシュ】
―打つときのポイントは?
野口「体をいかに素早くボールの落ちてくる位置に動かして構えられるかですね。構えるときは来るボールを指差しながら待ちます」。

―打点はどの辺りがよいでしょうか?
野口「前すぎず後ろすぎず、ちょうどボールがつま先の上くらいに来たときに打つといいです」。

―空振りしないためには?
野口「原因は気持ちばかりが先行してボールを最後まで見えていないからだと思います。なので、力まず構えてワンテンポ待つくらいの余裕を持って打てばいいと思います」。

―打つとき狙う所は?
野口「スマッシュは決め球なのでどこでもいいんですが、あえて言うなら狙いを相手に分からないようにすることと相手コートの奥より手前を狙うといいです」。

―どうやって練習していますか?
野口「コート中央のネットをタッチしてからボールを出してもらい、後ろに下がりながら構えて打ったり、的をつくってそこに当たるまで打ったりします」。

―打つときのステップは?
神谷「クロスステップ(※1)でボールの位置まで下がります」。
野口「打つときは右足に力をためて、左足へ体重移動しながら打ちます」。

【トップスピン(※2)・エッグボール】
―トップスピンとエッグボールの違いは?
神谷「トップスピンのスウィングスピードを速めたものがエッグボール」。
野口「浅めを狙ってスピンをかけるとトップスピンで、深めを狙うとエッグボールになると思います」。

―この2つはどんな相手に有効ですか?
神谷「高いボールが苦手な人ですね」。
野口「この2つは相手を後ろに下げたり外に出したりできるので、グリップが薄い人です」。

―どんな場面で有効ですか?
神谷「テニスは基本相手が打ってきたのと同じボールで打ち返すのが有効なんで、相手がスピンをかけてきたらそれを利用してさらにスピンをかけたりします」。
野口「どうしてもポイントが欲しいときですかね。スピンをかけてラリーを続けることでローリスクでチャンスボールを待つことができます」。

―コントロールをつけるための練習方法は?
神谷「まずはサービスラインとベースラインの間に決められるように練習します」。
野口「それができたら今度はベースラインから30cmあたりに的を置いて当てる練習をするといいと思います」。

※1 足を交差させるステップ
※2 ラケットを打点より少し高い位置に引き、一気に下げて円を描くように拾い上げ、ラケットで前を大きく振り上げてかける 

圧倒する攻撃型プレイヤー
 動きのあるプレーで見るものを魅了する神谷。いつも声を出し、前へ前へと勢いあるプレーで相手にプレッシャーを与える。前回のリーグ戦では1年生ながら全試合シングルス出場を果たし、入替戦では金城(政経1)と共にダブルスにも参戦した。中でも、専大戦では感動的な逆転勝利を収めることでチームを活気づけ、勝利に大きく貢献した。本人もこの試合は去年行った中で最も印象に残っていると語る。
 神谷は高3でキャプテンを務め100人近くのの部員をまとめていた。その経験から培った冷静さと持ち前の粘り強さ、明るさで1部昇格を狙う。
◆神谷慎 かみやしん 政経1 名古屋高出 180㎝・69㎏
明治を支える兄貴分
 新しく副将に就任した野口。その明るさ、面倒見の良さにより部員から厚い信頼を得ている。副将に就任し、「主将には調子の良い人たちを引っ張っていってもらい、その分副将の自分が調子の悪い人たちまで見ていく。広い視野を持つことで部の底上げを図りたい」と語る。
 去年の1年生中心となったリーグ戦のオーダーを反省し、上級生が最前線で戦える体制を目指す。新体制となり、同期間、下の代とのコミュニケーションに重点を置いている。個性を生かし、一人一人に対応した指導で部を1部昇格に導く。
◆野口敏裕 のぐちとしひろ 商3 名古屋高出 172㎝・68㎏