(2) 初めてのインカレ~7人それぞれの闘い~

1999.01.01
 スキーのシーズンは短い。まして明大として戦うのは年に一度、この全日本選手権だけだ。1年間の集大成、明大スキー部としての歴史を刻むというビッグイベントなのである。緊張、期待、喜び、そして悔しさ。スキー部の将来を背負う1年生7人のそれぞれのインカレに迫りたい。

~着実に進化・クロスカントリー部門~

伊藤彰英
(伊藤彰英)
 人生2回目の1.3㎞スプリントで29位と健闘。リレーには出場できなかったものの、大舞台で大きく成長を遂げた。「スプリントで3位に入賞した下司(政経2)さんは目標。同時に負けたくないライバルでもあります」「自分たち1年4人のクロカンがチームを引っ張って、最終的に総合優勝します」と、さらなる高みを目指す。
◆伊藤 彰英 いとうあきひで 政経1 東奥義塾高出 164cm・60kg

大竹英幸
(大竹英幸)
 12月の大会で好成績を収め、期待が掛かっていた大竹。しかし前半戦は「大会の雰囲気にのまれてる」と結果が振るわなかった。しかし得意の長距離・30㎞フリーでは本学最高順位である15位をマーク。リレーでも着実な走りを見せ、チームに貢献した。「リレーでは前のいい流れを壊さずに、自分の滑りができた。今大会の結果に個人的には満足している」と語った。来年の目標は個人での表彰台。早くも明るい来季を期待させる。
◆大竹 英幸 おおたけひでゆき 政経1 小出高出 166cm・56kg

谷口健輔
(谷口健輔・政経1)
 30㎞フリーに出場するも思うような成績が残せず、悔いの残る大会となった。しかし「小さいけれど大きな選手には負けたくない」と、鍛錬を重ねる。激化するメンバー争いに勝ち、来年こそはリレーに出場したい。
◆谷口 健輔 たにぐちけんすけ 政経1 小出高出 167cm・58kg

早坂悠平
(早坂悠平)
 30㎞フリーで好成績を残し、リレーではスタートランナーを務めた早坂。しかし感想は「個人的には悔いしか残らなかった大会」だと言う。「あの結果で悔いが残らなかったら、スキーは辞める」と語り、来季でのリベンジを誓う。
◆早坂 悠平 はやさかゆうへい 政経1 和寒高出 162cm・53kg

~厳しい現実・アルペン部門~

安部宗寛
(安部宗寛)
 大会前の腰の故障もあり、思うような滑りができなかった。得意な回転でも34位に沈み、不本意な結果となった。「去年できたことができないのが悔しい。来年はまず、万全の状態で臨めるようにしたい」と語った。
◆安部 宗寛 あべむねひろ 営1 山形中央高出 188cm・74kg

長井深志
長井深志)
 得意の大回転で健闘を見せた長井。接戦の中、わずかな差で順位は23位となったが、上位層への手応えはつかんだようだ。「悔しい。けど改善点はまだあるから、来年はもっと上位にいけると確信した。大学生活で精神的に強くなれたことが収穫」と自身の成長をたたえた。
◆長井 深志 ながいしんじ 政経1 富山一高出 188cm・75kg

虎尾元気
虎尾元気)
 どの競技でも安定した力を見せた虎尾。特に回転では20位につけた。しかし「アルペンだけポイントを取れなかったのが本当に悔しいし、情けない。自分が取ってやろうと意気込んでいたのに、インカレに調子を合わせられなかった。結果にはまったく満足していない」とストイックな発言を残す。悔しさをバネに、来季での飛躍に期待したい。
◆虎尾 元気 とらおげんき 政経1 歌志内高出 176cm・70kg

 楽しかった、悔しかった・・・試合の後にぽつりぽつりと語ってくれたそれぞれの競技への熱い思い。妙高の地で熱き闘いを終えた彼らの姿は、それまでより何倍も大きく見えた。1年生は個人戦での入賞はなかったものの、収穫の多い大会になっただろう。しかし、ジャンプ部門で得点の大部分を稼いでいるのが本学の現状である。総合優勝を目指すためには、各部門の活躍が必要とされる。来年以降はポイント獲得を確実に狙いたいところだ。クロスカントリー部門では出場争いが過熱するだろうし、アルペン部門では雪辱を果たそうと活躍してくれるだろう。「ジャンプの明治、そんな風に呼ばれる時代はもう終わった」と言われるほどの革新に期待したいと思う。スキー大国・明大、その礎を築くのはこの7人の戦士だ。