
(男子)佐藤優勝! 今後に弾みをつける一戦に/木下トロフィー争奪大会
8月3、4日に木下アカデミー京都アイスアリーナにて行われた木下トロフィー争奪大会(木下トロフィー)の選手権男子に佐藤駿(政経3=埼玉栄)が出場した。S P(ショートプログラム)では転倒があったものの得点85.50点で1位につけた。続いて行われたFS(フリースケーティング)では、4回転ジャンプを4本入れた構成で得点140.34点を記録。総合1位という結果でシーズンの初戦を終えた。
◆8・3~4 木下トロフィー争奪大会(木下アカデミー京都アイスアリーナ)
▼選手権男子

ラベンダーの花を想像させる衣装を身にまとい登場した佐藤。新プログラムはギヨーム・シゼロン氏振り付けの『Ladies in Lavender』。昨年度から佐藤自身が滑りたいと思っていた曲だという。曲がかかると、美しい曲調に合わせた繊細な所作を見せる。冒頭の4回転トーループと3回転トーループのコンビネーションジャンプでは、着氷まできれいなジャンプを決め、GOE2.85を記録した。続く4回転ルッツでは転倒するも、3本目のトリプルアクセルはしっかりと締めた。
佐藤はSPを「昨年の初戦に比べたらいい演技ができた」と振り返った。得点は昨年度の木下トロフィーから約7点アップした85.50点を記録。シーズンの初戦から好スタートを切った。「『僕といったら、ラベンダー』というふうに思われるような演技ができるように、僕なりに感情を込めてつけていきたい」。〝佐藤駿流〟の個性あふれる『Ladies in Lavender』に今後も注目だ。

「高難易度の構成でやっていかないといけないと去年から思っていた」と4回転ジャンプを4本入れて臨んだFS。自身の好きな色である青色の衣装でリンクに登場した。柔らかな曲調に合わせ上半身を大きく使う冒頭に始まると、1本目に跳んだのは初めて構成に入れた4回転ループ。着氷は乱れたものの「立つことができたのは大きな収穫」と手応えをつかんだ。しかし、その後の4回転ジャンプではいずれもきれいに着氷できず。それでも曲が盛り上がり始める演技後半、コンビネーションジャンプの構成を昨年のものから変更し、GOE1.33を記録。ステップシークエンスやコレオシークエンスでは全身を使う表現力で『Nostos』の世界観をつくり上げた。
佐藤はSP、FSともに1位で総合1位に。それでも、演技後は少し悔しそうな表情を見せ「練習ではほとんどミスしない4回転トーループを2本とも本番で失敗してしまったので、そこの部分をしっかりと固めていきたい」と振り返った。「今大会で4回転(ジャンプ)を4本構成で挑戦することはできたので、これからの試合でも4回転(ジャンプ)を4本でいけるように」。FSではジャンプでのミスに悔いが残る内容となったものの、本格的なシーズンに向けて大きな収穫を得られたはずだ。今シーズン佐藤がどのような結果を残してくれるのか。期待が膨らむ大会となった。
[髙橋未羽、堀口心遥]
試合後のコメント
――S Pでお気に入りの振り付けはありますか。
「特にトリプルアクセルからステップに入るところの曲のハメ方がすごく気に入っています」
――ラベンダー畑に行ったことはありますか。
「無いですね(笑)」
――FSで表現の際に意識している部分を教えてください。
「今回の振り付けで特に指先とか指の使い方をすごく言われたので、演技中はそこをなるべく肩からというか、手を伸ばす時とかも肩からいけるように頑張っているんですけどまだまだで、ジャンプに意識を持っていかれている部分があるので、そこをもう少し頑張ります」
――FSの冒頭4回転ループを振り返っていかがですか。
「軸はすごく良かったなというふうに思ってはいるんですけど、 こっち(京都)に来てからあまり調子が良くなかったので、正直心配とかもあったんですけど、パンクとかこけることなく立つことができたので、初めてループを入れたにしては良かったのかなと思っています」
――今年度、明大の部練には参加されましたか。
「一度だけ参加しました。部の中でそういった時間を設けてくれるのはすごくうれしいことですし、部で集まって練習することは部練と年に1回の合宿くらいしか無いので、そういうところで他の学年のスケート部の子とも交流できたりして、すごくいい練習だったり、いい機会になっているかなと思います」
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