
ヨットの申し子現る!/ルーキー特集
六つ年上の姉に影響を受け、小学1年からヨットを始めた少年は、徐々に魅力に取り付かれていく。「風や波、大自然がいいんですよねぇ!(ヨットが)風に乗って、ビュンビュン走っているときは最高に気持ち
いいですよ!」。
好きで続けてきたヨットだったが、何も今まですべて順風満帆だったわけではない。中学1年から入ったヨットクラブでは入部直後からコーチ不在の状況。「(クラブは)3年間先輩が後輩を指導する形で、先輩からいろいろ教えてもらいました」。決して恵まれているとはいえない環境でも、男は大好きなヨットで挑戦を続けた。そして中学2年でアジアを制し、翌年日本代表として挑んだヨーロッパ選手権でも日本人初の優勝を飾る。自分が置かれている状況がたとえ苦しいものでも、世界の強豪揃いの国際大会で自らのポテンシャルを発揮することができる。彼には誰にも劣らない強い精神力があるのだ。
だが精神力だけで勝てるほどスポーツの世界は甘くない。「(ヨットの)技術のバランス感覚がすごくいい」(築山・政経3)。生まれ持った『天性』だけではなく、競技を始めた頃からの日頃の努力によって体に染み付いた基本技術。そしてレース勘。彼こそ、まさに"ヨットの申し子" だ。
ヨットの強豪校・霞ヶ浦高でも1年からレギュラーとして出場し、2年連続インターハイ3位に貢献。そして高校2年でもヨーロッパ選手権3位というとてつもない結果を残して、今春明治へ。数々のヨット強豪大からの誘いを断り、明治を選んだ理由。それは「勉強もしっかりできる環境があるから」。男が次に目指したのは文武両道。常に自分の才能におごることなく、チャレンジし続ける男・近藤。この男が明治を日本一へと導く。
◆近藤康史 こんどうやすし 政経1 霞ヶ浦高出 164㎝・63㎏
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