
東日本大学選手権 インタビュー番外編/新見紘基アナリスト
近年、データバレーが主流の大学バレーにおいて欠かせない存在となっているアナリスト。東日本大学選手権で明大を準優勝に導いた影の立役者と言っても過言ではない。今回はアナリスト・新見紘基(政経4=駿台学園)さんのインタビューをお届けする。
(この取材は6月28日に行われたものです)
――アナリストになったきっかけを教えてください。
「最初は選手としてやってて、でもあとなんかプラスアルファが欲しいなって思った時に他の選手たちと差別化するところで、戦術の勉強を始めたっていうのがきっかけです。深めていくうちに、これってチームで戦って勝つって考えてるんだったら、多分自分が持っとくよりも、もっとチーム全体に広めてチーム全体がそういったことを深く理解したチームになった方がチームとしていいんじゃないかなって思ったのがきっかけで、そのチーム戦術の根底を担うアナリストになったってのがよく面接とかで言ってる理由です」
――具体的な仕事内容は何ですか。
「基本的に試合の時は後ろに陣取って、ビデオを撮りながら試合のデータを取りに行って、誰がどこにサーブを打って、それを誰が取って、そのパスがどういうパスでそこから誰がどういう攻撃をしてどこに打ったかみたいなことをこと細かくパソコンに入力していって、試合が終わった後にその集めたデータを基にして今日のこの選手の効果率、決定率は何パーセントで、すごくこの人が活躍したよねみたいな。頑張った選手たちの評価をそれぞれ数字の中で評価をしていったり、逆にうちのチームの弱点だったり相手チームの弱点っていうのをいろいろ取ったデータを基に収集して、自分でいろいろ考えて対戦相手の対策であったり、自分のチームのちょっと弱いところだったらこういう練習をしようみたいな提案をしています」

――明大以外の試合にも行かれるのでしょうか。
「やっぱり自分たちが対戦するようなチーム、対戦する可能性があるチームってのは基本的にデータを取ります。データは多いに越したことないので、取りに行っていろいろ集めていくっていうのは基本的なところではあるかなと思います」
――やりがいを感じるときはありますか。
「自分が立てた作戦がうまくハマった時とか、自分が出した指示を選手たちが『お前がそう言うんだったら』って信用してくれて、それを試合の中でやってくれて、それがうまくいった時っていうのは、やっぱりすごく嬉しいです。自分が直接的に試合の勝敗に関わるような指示を出せてなくても、長い時間かけてデータを準備して、試合の準備をした上でチームが勝つ瞬間ってのは、間違いなくやりがいを感じる瞬間だし、次も頑張ろうって思えるような瞬間です」
――逆に大変だと思うことを教えてください。
「選手たちは練習が終わったらもう終わりって。練習は練習で終わりだから自分の好きなことしようっていう時間が多いんですけど、アナリストは練習中ももちろん仕事します。練習とか試合中も仕事しますし、終わった後もいろいろ情報収集したりとか、そういったプラスアルファみたいなところがあって。なかなかこういう試合が連続する時とか、自分の時間確保できないことがあったりするので、夜遅くまで作業したりとか、そういうのはちょっと大変かなとは思います」
――今大会でアナリストの戦術が活かされた場面はありますか。
「今回の試合(準決勝・対学芸大戦)に関してだと、さっき選手からもお話いただいたんですけど、相手のチームの試合見ていろいろ分析していく中で1点気付いたところがあって、スパイカーの入り方のところで、こういうふうに入ってきたらこういう攻撃になる、みたいな。100パーセント正しいって思ったわけじゃないですけど、こんな傾向があるなってのを見ていて思って。今日のミーティングの場で映像を見せながらそれを説明したら、選手がたしかにって言ってくれて。自分が言ったことが試合の中で結構ハマってたみたいで、選手たちから『そういう視点をくれて良かった』っていうのを言ってもらえたのでそれは良かったのかなと思います」
――決勝に向けて意気込みをお願いします。
「中央大学は練習試合とかもするチームですし、春負けてますし優勝してるチームで、対戦するチームとしてやっぱりすごく燃えるチームでもありますし。やっぱりお互い関東1部でやってるチームで、そんなに選手たちの実力同士の差っていうのはあんまりないと思ってはいるので、そこを左右するのがアナリストの戦術とかになるんじゃないのかなとは思っています。なので少しでも勝利に近づけるように、的確な指示を出せるように頑張りたいなと思います」
――ありがとうございました。
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