東日本大学選手権 大会後インタビュー④/岡本知也

2024.07.03

 6月25日から28日に富山県で東日本大学選手権(東日本インカレ)が開催された。決勝戦では春季関東大学1部リーグ戦(春リーグ)王者・中大にフルセットの末敗北し、惜しくも準優勝という結果に。今回はたくさんの感動を届けてくれた選手たちにインタビューを行った。第4回は敢闘選手賞を受賞した岡本知也選手(政経4=五所川原工)をお届けする。

(この取材は7月2日に行われたものです)

岡本知也主将(政経4=五所川原工)
――今大会を振り返っていかがですか。
 「初戦やはり硬さ。慣れない会場でのプレーということで緊張もあったんですけど、選手交代とかチーム全員で試合を戦っていくにつれてチームとしても成長できましたし、戦い抜けたかなと思います。結果としては準優勝だったんですけど春から見た時のチームの成長を感じることができた、収穫のあった大会でした」

――率直な感想を教えてください。
 「やはり日本一を目指していたので、準優勝で終わったところはとても悔しいです」

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか。
 「今回の大会で自分の中で自信が持てたプレーはサーブです。国武大戦ではサーブの調子があまり良くなくて自信を持ったサーブが打ってなかったっていうので、アナリストとか監督の方から『もっと強気で打っていい』と言ってもらったのでそこから立て直して。2日目の法大戦や東海大戦から調子上げていって、威力の高いサーブをしっかり継続していったっていうのは良かったかなって思います。やっぱり春から自分の課題としていたレセプション、サーブレシーブでは自分はずっと狙われ続けるってことはあって要所で狙われた時に、返球率が低かったかなっていうのは感じました」

――試合を重ねていくにつれてチームの変化は何かありましたか。
 「正直大会に臨むまでの練習は決勝までいくようなチームではないかなっていうのは感じていて。チームの士気を上げ切れてなかったっていうのもそうですし、練習メニューも少しマンネリ化していたところがあって、キャプテンとしての自分の責任もあったんですけど。国武大戦でチーム全員で選手交代しながら戦い抜いて勝ったところから誰が出ても勝ち切ることができるチームっていうのがチーム全体で意識づいたというか、春からやってきたことは徐々に形になっているので、そういったので自信が一人一人についていったのかなって思います。また法大戦が結構キーポイントだったんじゃないかなと感じていて、全日本インカレ(全日本大学選手権)と春(春季関東大学1部リーグ戦)でどちらともフルセットで戦っていた相手に対して、1セット取られてしまったもののしっかり勝ち切ることができたっていうので、その勢いのまま準々決勝と準決勝もやっていけたのかなと思います」

――全日本インカレと春リーグの法大戦と、今大会の法大戦では何か違いはありましたか。
 「相手セッターのケガであったり、日本代表の高橋慶帆選手が不在だったこともあるんですけれど、自分たちが全日本インカレと春リーグを通して、法大戦に向けてミーティングをして、その作戦がうまくはまったところも結果として現れたんじゃないかなっていうふうに思います」

――どのような作戦を立てたのでしょうか。
 「セッターが上げにくいようなセッターの後ろ側、ライト側を狙ったサーブでトスを乱して単調な攻撃にしていく作戦がうまくはまった感じです」

――春リーグから東日本インカレまでで重点的に練習したことを教えてください。
 「サーブレシーブ。ここは一番かなっていうので、春リーグを迎える前からやってきたことなのですが、さらに時間ややり方を変えて取り組んだ成果が、今大会を通してサーブレシーブに現れたので良かったんじゃないかなって。佐々木(駿・商3=土浦日大)も春はリベロで東日本インカレからもう一回サイドに戻ってプレーしたことも、守備力向上につながったんじゃないかなって思います。あとはブロックもこれまでは形をそろえることであったり、相手のトスを見てそこから早く移動してブロックを跳ぶっていうのをやってきたんですけど、それだとブロックポイントがなかなか出ないんじゃないかって。組織的なディフェンスはできたとしても、得点にはなかなかつながれていないっていうのがあって。だからコミットブロックっていう相手スパイカーとブロッカーとの1対1の練習を増やして、あとブロックポイントの本数を増やすように練習してきました」

――今大会で印象に残った場面や試合はありますか。
 「やはり決勝かなと思います。春、中央大学さんにストレートでやられて、そこから今回の東日本インカレに向けて練習してきて対策もしてっていうところだったんですけど、2セット最初に取られてしまって結構雰囲気とチーム内の雰囲気もこのままやられるんじゃないかっていうところはあったとは思うんですけど。やっぱ全員が春のリベンジをしにこの舞台までやってきたので、もうやり切るしかない、出し切るしかないって一人一人思ってましたし、そこから2セットを取って追い付けたっていうのもこれまでの明治と違うかなって、成長を感じられた部分かなって思います」

――第3セットの最初の円陣で選手全員が笑顔だったのがすごく印象的でした。
 「やってる方も見てる方もデュースまでもつれ込む試合だったっていうのもありますし、楽しいっていう言葉が選手一人一人から出てたかなっていうふうに思います」

――デュースを取り切る上で大切なことは何だと思いますか。
 「最後は結構気持ちかなっていうふうには思っていて。終盤は自分であったり黒澤(孝太・政経3=明大中野)にボールが集まるっていうのは分かってましたし、上がってくるって分かってる中で、しっかり点を取るための、本当に覇気のある、気持ちのこもったプレーで、3セット目のデュースもしっかり取り切ることができたんじゃないかなと思います」

――今大会で長いラリーを取り切れた要因はありますか。
 「春が終わってから自分たちのフィジカル、体力面で課題が残ったかなって思っていて。最後の集中力が切れて自分たちからミスを出してしまうっていうことが結構あったので。そこからトレーニングも増やしましたし、サーキットトレーニングで体力向上に向けて取り組んできたっていうのも、最後まで集中力を保って、長いラリーでも戦い抜けた要因じゃないかなって思います」

――決勝戦はどこが勝敗を分けたと思いますか。
 「勝ち慣れてるっていうところで、中央大学さんは春リーグ優勝して最後の点の取り方を、勝ち切り方を知っているっていうところでは、一枚上手だったんじゃないかなっていうふうに思います」

――今後勝ち切るためには何が必要だと思いますか。
 「今回の負けた悔しさは持っておかなければいけないですし、そういう気持ちで戦い抜く練習や取り組みっていうのはもちろん必要なことだと思いますけど、やはり組織力。まだ個人のプレーに頼ってる部分っていうのはどうしてもあるので、もっとチーム練習を増やして頑張っていけたらなと思っています」

――チーム力向上のためにどのような練習をしたいですか。
 「ゲーム形式を増やすってのもそうなんですけど。攻撃練習でも守備練習でも、1人でやるんじゃなくてコートに6人入った状態で、常に6人で行う練習方法っていうのを考えていきたいなって思ってます」

――敢闘選手賞を獲得しましたがいかがですか。
 「準優勝の主将は必ずもらえるようなものだと思ってるんですけど、敢闘賞以外の個人賞がほしかったっていうのがあります。正直なところなんですけど。主将として自分にできたことは何かなって考えると、全部の試合を通してあまりなかったかなっていうのは感じてます」

――主将としてどのようなことができたら良かったと思いますか。
 「チームが劣勢な場面であったり、試合の終盤っていうところで自分が点数を取るのはもちろんですし、そういった状況の中で自分が率先して声を出すことが主に挙げられると思います」

――今大会は要所でしっかりスパイクを決めていた印象を受けました。
 「近藤(蘭丸・文3=東福岡)とは春リーグが終わってからコンビ、トスを合わせる練習っていうのはやってきて、春よりかはそういった大事な場面で1本取り切れたかな。点数を取れる場面は増えたかなって思うんですけどどうしても近藤以外が上げた二段トスをうまく処理する、得点に繋げられなかったっていうのは自分の課題かなって思います」

――決勝の中大戦は、春リーグの時とは戦術を変えたのでしょうか。
 「相手は結構高さがありますしクイック、ミドルを中心にしっかりサイド使ってっていうオーソドックスなバレーを展開してくるチームだったので、特に春から変わったことはしてないんですけど、サーブの狙う場所や威力っていうのはずっと春よりも意識してプレーできたかなって思います」

――今後はどのような練習をしていきたいですか。
 「春に引き続きレセプション、サーブレシーブの返球率っていうのは上げていきたいので、サーブレシーブの練習を増やしたいです。あとはやはりブロックとレシーブがもう少し強化が必要かなって思っていて、明治は他の大学に比べて平均身長が低いので、ブロックで点数をあまり取れない分もう少し高めていきたいなと思います」

――今大会は粘り強いレシーブが多く見られましたが、それでもまだ足りませんか。
 「レシーブが上がってもなかなか攻撃まで持ってきいけないってことで近藤以外の2本目を触る選手のトス精度っていうのは一つ課題かなって思います。試合中のリアルタイムで相手のスパイクはどこに落ちているなどのデータを用いた対策、作戦立てとベンチのスタッフ、アナリスト含めもっと精度の高い連携ができたらなって思います」

――今大会で活躍した選手を特に挙げるとしたら誰でしょうか。
 「2、3年は本当によく頑張ってくれました。渡邉健(政経2=日本航空)もスパイク賞、個人賞を取りましたし、磯脇(侑真・政経2=東福岡)もリベロ1人で。春は佐々木と2人でやってたんですけど、東日本インカレは1人でやり切ったっていうのはみんなからの信頼も高まったと思います。佐々木もサイドとしてもう一回やって安定感のあるプレーを見せてくれましたし、近藤はチームの司令塔として今回はトストワークが結構さえてたかなっていう印象で、しっかり満遍なく全員を使っていました。黒澤もオポジットして、ボールが多く集まるポジションだったんですけど、ここぞという場面で点数取ってくれましたし、ブロックとかディフェンスの面でも成長したかなって感じました」

――今後に向けて意気込みをお願いします。
 「サーブレシーブ含めたレシーブ力を高めていくはもちろんで、自分たちのサーブからの攻撃バリエーションであったり、守備のシステムっていうところを少し増やして、今よりもっと組織力、チームとしてのまとまりであったり、優勝に対する意識の高さっていうのをしっかり上げていって、秋(秋季関東大学1部リーグ戦)と全日本インカレではしっかり優勝を取れるようと思います」

――ありがとうございました。