
(1)新主将インタビュー・田中貴大
2008年1月6日、柔道部の新たな1年が幕を開けた。新主将には田中貴大(政経3)、副将に鈴木雅典(商3)と影野裕和(政経3)が就任した。田中主将を始めとする新4年生が率先してすでにチームをけん引している。明大柔道部といえばかつて日本はもとより、世界を代表する名門だったが、近年ではかつての強さは影を潜め、なかなか思うような結果を残すことができていない。他校の選手には「明治はもはや怖くない」とまで言われるしまつだ。
全盛期の圧倒的な強さ、誰もが恐れた威圧感、凄まじい勢い…、いま足りないものは何か――。新体制となり早々に思い悩み、出た結論は「練習量」だったという。一にも二にも練習量で他校を凌駕(りょうが)する。絶対的な自信をつけるにはこれしかない。「今年はとにかく練習量にこだわりたい」(田中主将)。その言葉通り、団体としての大会がしばらくない1月の段階で、すでに4時間を越える練習も敢行している。
本気で日本一を目指す。決して口先だけではない。上級生は一人一人が引っ張っていく姿勢を見せ、後輩も負けじと懸命に練習についてくる。互いに切磋琢磨(せっさたくま)し成長しようとしている。これから数々の試練が彼らを待ち受けているだろう。だが、確固たる決意と強い信念でいくつもの壁を乗り越えてみせる。ケガ人もなく、新チームの船出は順調だ。明治復活の序章が幕を開けた。もう「怖くない」なんて言わせない。新主将に決意を聞いた。
新主将・田中貴大 インタビュー
――新体制が始まり、チームの雰囲気はどうですか?
雰囲気は良いです。藤原監督、園田助監督などの指導の下、今年は「質より量」の練習をテーマにやっています。すでに4時間以上もの長時間の練習もしましたし、口だけではなく実践しているようにしているんです。言っていることとやっていることが矛盾していたらみんな混乱しちゃいますから。
――主将に任命されて変化はありましたか?
当然、変化はありました。周りを見ることができるようになったし、後輩から見られている意識がある分、絶対に負けられないという思いが一層強くなりました。
――主将として何を大切にしていきたいですか?
一言では難しいですが、明治が今後ともずっと〝強い明治〟であってほしいんです。だから今年1年だけ強くたって仕方がない。確かに新4年の代はメンバーがそろっていて優勝を狙える。けれど、自分たちの代だけ優勝して自分たちが抜けた翌年以降、弱くなってしまったら困る。それを防ぐために、技術的に教えられることは徹底的に後輩に教えるようにしています。
――このチームで苦労していることはありますか?また具体的には何ですか?
まだ始まったばかりなので分かりませんが、チームが一つになろうとしている時に、足並みをそろえようとしない部員がいることは残念です。まだ意識が低い選手もいるため、意識レベルの向上は急務だと感じています。個性の強い選手が多い分、これからも苦労はすると思います。
それとやはり明治は人数が少ないために、いつも同じ人と乱取りをしていた。今年からは階級やレベル、学年を問わず、できる限り多くの選手と乱取りするようになりました。互いにけん制し合っていた選手同士もやりあうから、とても効果的な練習が出来ているように思います。
――今後の目標を教えて下さい。
最終的な目標は当然、団体優勝です。個人的にも個人優勝です。チームとしてはまず、最初の段階では練習になれること、慣れさせることです。長時間の練習をして不満や文句を言ってくる選手もいる。けれど、この練習に慣れていないだけで、慣れれば不満もなくなると思います。
個人的には、課題とされている部分を直したい。一本をとりきる技を持っていないと優勝はできないと思います。背負い投げや体落としなどの技の習得を目指します。
――最後に改めて意気込みをお願いします。
今年は優勝が狙えるチーム。過去数年優勝から遠ざかっていますが、メンバーがそろっている今年こそ優勝したいです。OB先輩の方々に恩返しをするつもりでこの一年を乗り切りたいです。その強い気持ちこそが新チームの原動力だと思うんです。「俺らが優勝しないといけない」という思いを胸に練習に取り組んでいきます。みんなが「自分たちが他の学校よりも練習しているんだ」という意識を持つことが大事だと思います。今後も声援よろしくお願いいたします。
田中貴大 たなかたかひろ 政経4 鳥栖高出 182cm・90kg
この記事は明治大学体育会柔道部ホームページでもご覧頂くことができます。
http://www.meiji-judo.com/index.htm
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