第3回「1・2年生紹介」

1999.01.01
山口佑樹(法1)ポジション:フローター
 山口は大型新人として明大ハンドボール部に入部。そして現在、厳しいレギュラー争いの中フローターとしてチームの中心となり活躍している。そんな彼にフローターというポジションについて聞いてみた。
 「フローターはセンター、右45度、左45度の3つに分けられます。そしてそれぞれに役割が存在し、センターはゲームメークをするいわば司令塔。視野を広く持ち自分の動きだけではなく周囲の選手を生かし攻撃につなげるという大きな役割がありますね。続いて右45度。スピーディーなフェイントを生かし相手DFを抜いて果敢にシュートを決め、積極的に得点に絡んでいく。そして最後の左45度はハンドボールでいうエースポジションを指します。大抵大型の選手が担当し、ここぞという所で決めてくれるとても重要なポジション」。

 山口は高校時代、左45度を任されていたが大学入学を機に自ら右45度を志願した。現在はこのポジションで誰にも負けないようにと高い意識をもって日々練習に励んでいる。「本当はフローターのポジションすべてできたら最高ですけどね」と本音もこぼした。そして代交代した今、山口は「次の代は三年生が少なくて大変だと思う。だから自分たちがしっかりフォローをしてハンドボール以外の余計なことで上級生に面倒をかけたくない」。そんな彼を吉野主将(商3)は「よく僕たちに練習の方向性などを相談してくれるし、とてもやりやすい」と話してくれた。松本監督も「これからは1・2年生がどれだけ3年生を支えることができるかが今後を左右する」と話す。今後は全員が本音で言い合える信頼関係を築きまずは1部昇格を目指す。その中核を成す山口はチームに欠かせない存在だ。

ーー山口にとってのハンドとは?
 「本気で中毒になるスポーツです。自分が考えていたプレーが練習や試合で成功したときは最高です」。と、選手をここまで夢中にさせるスポーツ、ハンドボール。まったく罪なスポーツです。

高橋良太郎(営1)ポジション:ポスト

入部後から、ポストで積極的なプレーを見せてきた高橋(良)。彼にポストについて語ってもらった。

 「接触が一番多いポジションだからけがも多いです。プレー自体は地味だけども、キーパーと近くて駆け引きのできるポジションですね」。このポジションは相手につかまることが必至で、体をはったプレーも求められる。「体をはるからこそ、勝ちに貢献できたと自分で実感できたときはより一層の喜びが感じられる」のがポストの魅力の1つという。
 また、「ハンドは自分の人生っすね!!」とハンドへの思いを熱く、まっすぐに持つ高橋(良)。彼のハンド生活は、姉に勧められたことで始まり、今の彼の人生に大きな影響を与えている。「ハンドからはたくさんのものを学びました。ハンドに対する気持ちは誰にも負けないつもりです」。その言葉は“一分一秒でも時間を大切にして、ハンドにかかわっていたい”という強い思いの表れである。だからこそ、今秋の2部降格の衝撃は大きかった。「降格して、練習も試合も1つ1つ全力で向かっていこうと気持ちがかなり強くなりました。力をつけて、絶対に春には1部に戻ります」と春での復帰を宣言する高橋(良)からは自信があふれていた。その自信はやはり普段のハンド生活からきているのだろう。彼のこれからの活躍に注目だ。

ーーなぜハンドというスポーツを選んだのか
「出身地である茨城県ではハンドボールが有名だったからです」
 高橋(良)の場合は出身地が関係していた。しかし、ほかの部員に聞いてみると家族や中学・高校がきっかけで・・・という声が多く聞かれた。きっかけは人それぞれだが、始めた人を夢中にさせるスポーツ、ハンドボール。やはり罪なスポーツです。

 加藤佳樹(営2)ポジション:フローター

 加藤(佳)は期待のルーキーとして入学後、1年時から即戦力としてリーグ戦へ出場。現在、フローターとして試合で活躍、チームの中心的存在でもある。

 中学校の時、ハンドボールに出会った加藤(佳)。同校が強豪校として有名であったことから、ハードな練習をこなす代わりにトップレベルの舞台へ立つチャンスを得た。     
 「上を目指したい」と現在までハンドボールを続けてきた加藤(佳)だが高校時代はフローターとしての責任を感じ、悩んだこともある。「2年生の時、レギュラーになってフローターとして出場した。先輩たちは最後の試合で、思いが強い。そんな中でフローターとしてチームをまとめなければいけないプレッシャーを感じた」。
 
 しかし、現在は「先輩たちがやりやすいようにしてくれている」ことから自分のプレーを存分に発揮しているようだ。また、新体制になってからは「攻撃力アップを図る練習を先輩に言って取り入れてもらった」と課題を研究し、チーム全体を見据えている。そのような姿勢は下級生にも影響を与えている。後輩の高橋(良・営1)も「頼りになる先輩」と信頼を寄せる。しかしまだまだ、自分のプレーに満足しない。「みんなから信頼されるようになりたい。プレーや周りの気配りを大切にしたい」と“司令塔”としてさらなる高みを目指す。

ーーハンドのおもしろさとは
 「なんといってもスピードです」
 ハンドボールというスポーツをみたことがないと想像がつかないかもしれない。しかし、加藤(佳)の言葉通り、ハンドボールとはスピード感溢れるスポーツである。そして、スピードに加えて選手同士の力と力のぶつかり合いもハンドのおもしろさの一つ。スピードとパワー・・・ハンドは観るものにも訴えかけるものがある。プレー側も観戦側も夢中させるスポーツ、ハンドボール。やはり罪なスポーツですね。

◆あとがき◆
 第三回を迎えた「ハンドってなんぞや」。今回は1・2年生の3人を扱いました。現在の明大ハンド部は3年生が少ないということもあり、下級生の支えや活躍は不可欠です。そこは部員誰もが感じるところであり、逆にチームが一丸となるチャンスでもあります。
 今回取材した3人からはハンドボールに対する熱い思いを語ってもらいましたが、この3人に限らず部員全員一致で、“一部昇格”を目指しています。どうぞ、みなさんも試合会場に足を運んで“彼らのハンドボール”を感じてみてください!

◆次回予告◆
 最終回となる第4回では、春から最上級生となり部を引っ張っていく3年生を扱います。松本監督にもお話を聞き、春からのハンドボール部についても伺います。お楽しみに。