
大舞台での収穫と課題 経験を今後に生かせるか/日本選手権兼U20日本選手権
新潟県で4日間に渡って行われた今大会。パリ五輪をかけた争いでもあるこの大舞台に明大からは7名が出場。各々が自らの全力を出し切り、多くの収穫と課題を得た。
◆6・28~30 第108回日本選手権兼第40回U20日本選手権(デンカビッグスワンスタジアム)
▼U20男子1500メートル予選
2組 増子 9着 3分52秒95
▼U20男子200メートル予選
2組 川津 2着 21秒13 PB 決勝進出
太田 4着 21秒42
▼U20男子200メートル決勝
川津 DQ
▼U20男子400メートル予選
2組 古俣 7着 49秒04
▼U20男子800メートル予選
1組 増子 8着 1分53秒26
▼男子100メートル予選
1組 松下 7着 10秒64
5組 神戸 2着 10秒29 準決勝進出
▼男子400メートル予選
3組 原田 5着 47秒01
▼男子100メートル準決勝
3組 神戸 4着 10秒26 PB
関東学生対校選手権の800メートルにも出場したルーキーの増子風希(政経1=学法石川)は今大会、U20男子1500メートルと800メートルの2種目に出場した。800メートルのレース後には「後半で離れてしまったので、やはりスタミナ面が課題だと思う。自分の今の最大限の力は発揮したつもりなので、これから距離を積んで次の大会や秋冬にレースに向けて頑張っていきたい」と語った。この大舞台での経験を今後に生かせるかに注目だ。同じくルーキーの古俣由人(法1=東京学館新潟)はU20男子400メートルに出場。入学後からケガに苦しんできた古俣だが、順調に回復しているようだ。「最後まで走り切る力が今回は足りなかったと思うので、スピードを再強化していくのと同時に今後は400メートルを走り切れる持久力、筋持久力を上げることに焦点を当てて頑張りたい」とさらなる成長を誓う。
U20男子200メートルには昨年度同大会で4位入賞を果たした川津靖生(法2=明星)が出場した。予選は自己ベストを更新する見事な走りで決勝へと駒を進める。しかし決勝ではまさかのDQ。記録なしに終わってしまったが個人レースはもちろん、4×100メートルRのメンバーとしても昨年度から結果を残し続けている川津。その実力で今後も短距離部門の飛躍に貢献し続けるだろう。昨年度U20男子400メートルで2位に入賞した原田真聡(文2=東農大二)は今年度満を持して日本選手権の400メートルに出場。「(U20と比べて)周りの人は400メートルのレースを何本も経験している人で余裕を持って臨んでいたが、自分はこういう大きな大会が初めてで雰囲気にのまれてしまった」と本来の走りができず、納得のいかない結果となってしまった。「前半はある程度うまく(スピードに)乗れて後半につなげられるような走りができたけれど、後半が予想以上に(体が)動かなかった。その反省を生かして次の大会で45秒台を出したい」と悔しさをにじませながらも冷静に前を見続ける。
男子100メートルに出場した松下かなう(法4=大分東明)。ヘルニアの影響で今シーズンの大会出場数はまだ少ないが、自分の定めた目標に向かい着々と歩みを進めている。「順調に治ってはいるけれど、ヘルニアは再発の可能性があるのでそれを防ぐためのトレーニングはしっかりやっていきたい。今年度の目標は日本学生選手権での優勝なので、そこに向けて調整していく」。大学最後の競技生活を悔いなく終えられることを祈るばかりだ。同じく男子100メートルに出場した神戸毅裕(営2=明星学園)は今年度好調を維持している選手の一人。予選を着順で難なく通過し準決勝へと進む。神戸と同じ3組目には桐生祥秀(日本生命)やデーデー・ブルーノ(セイコー)など世界レベルの選手も名を連ねた。その中でも神戸は自身の走りを崩すことなく自己ベストを叩き出し4着でフィニッシュ。全体9番目のタイムで決勝進出には惜しくも0.02秒届かなかったものの、この大舞台で素晴らしい走りを見せた。「今大会での収穫はピーキングを合わせられて、日本一の舞台で自分の走りができて自己ベストが出たこと。課題は10秒2台を出せても1台は出せないという走力の差。それと日本のトップを走っている人と比べると自分の全てを底上げしないといけない、根本的なところから見直さないといけないと感じた」と今大会はとてもいい経験となったようだ。「好調だとは自分でも思うけれど、それと同時に少し調子に乗ったらすぐにこけてしまうと思うので、自覚を持って謙虚にやっていきたい」と好記録を出しながら冷静さも失わない。今後の飛躍やエース格としてチームを率いる姿に期待したい。
今大会では入賞者は出なかったものの、それぞれが手応えや収穫を得た大会となった。トラックでのレースはこれからますます盛んになってくる。大舞台での経験を生かし、今後も選手たちは高みを目指し続ける。
[春田麻衣]
※レース後のコメントは後日「紫灰復燃」にて掲載いたします。
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