
王座初戦 SO戦を制し準決勝進出/全日本大学王座決定戦
今年度は岐阜を舞台に開催された全日本大学王座決定戦(以下、王座)。初戦は、関東学生春季1部リーグ戦優勝を懸け争った山梨学大との再戦となった。悪天候の中、試合が開始し思い通りのプレーがなかなかできない明大。第2QにMF川村柊介(文4=山梨学院)が1点獲得すると、明大が流れをつかむ。第3Q、山梨学大が追い付き同点となると、そのままSO(シュートアウト)戦にもつれこむ接戦に。冷静なプレーで乗り越え、結果は3-2で明大が勝利を収めた。

雨が降りしきり水が溜まるコート。悪条件の中で「いつも通りのプレーができないっていう状態だったが、最後まで集中を切らすことなく我慢を強いられる展開だった」(川村)。臨機応変に対応で両者ともにスクープでつなぎ、攻撃を仕掛ける。第1Q2分にMF吉田登以(商2=丹生)がPC(ペナルティコーナー)を獲得し好機を得る。しかし、水の影響でうまくアシストできず、ボールがつながらない。お互いに得点できないまま第1Qは終了。雨が激しさを増し、一時中断を余儀なくされるも気持ちを切らさず第2Qに臨む。山梨学大にPCを連続で取られるも、守備陣の堅牢なディフェンスで失点は許さない。第2Q13分、FW齋藤偉颯(法2=今市)がPCを獲得し、ゴール前の球を川村が押し込み見事先制点決めた。

後半戦からはコートのコンディションも改善され、明大の真骨頂を発揮。逆サイドへのパスやロングパスで前線に仕掛け、コートを広く使った攻撃を展開し、猛攻を続ける。だが、追加得点はかなわず、第3Q終了間際に山梨学大がPCでシュートを決め同点に追いつかれてしまう。第4Q、「同点に追いつかれるということが、選手にとってはすごく精神的な重圧になる。精神的に弱いチームなら、そこからガタガタと崩れてしまうがそこでよく持ち堪えた」(新井健史監督)と踏ん張りを見せた明大。PCを取り合うもお互い決められず、拮抗した攻防で決着はSO戦へ持ち越された。
山梨学大の先攻でSOがスタート。吉田とFW武田元希(文3=八頭)が決めたのに対し、山梨学大も2人が決めサドンデスに。6人目となった吉田が決め、山梨学大が外したことで勝利が決まり選手全員で歓喜に沸いた。また、鉄壁の守りを見せたGK坂本樹哉(法4=飯能南)は「山梨学大とは4、5回SO戦をやり、成績としては五分五分だった。もう4年生で最後なのでしっかりと勝ち切っていきたいなっていう思いが強かったので、落ち着いて臨むことができた」と意地を見せ乗り越えた。
盛り上がりを見せたSO戦を制し、準決勝進出を果たした明大。ついに前回準優勝校・立命大との対戦だ。「前々からやりたい相手だったので、この試合がやはり我々の実力を試す上で基準になると思う。明日も精一杯やりたいと思う」(新井監督)次戦以降も〝つなぐホッケー〟を守り、決勝戦への切符をつかみたい。
[熊谷実夏]
試合後のコメント
新井監督
――王座初戦に向けて、どのような目標がありましたか。
「また山梨とはやらなくちゃいけない。向こうの気持ちからしたら、絶対に今度は明大に負けないと思ってやっていると思っていたので先取点を取っても向こうは最後までそのままいくとは思えなかったので、最悪SO戦も覚悟していました」
――特に調子の良かった選手はいらっしゃいますか。
「今日はほとんどが雨の中でそれぞれの持ち味が出せなかった選手が多いです。ただ、特にディフェンスの選手はやっぱりよく落ち着いてやってくれたと思います」
MF小林正人主将(政経4=今市)
――豪雨の序盤を振り返ってみていかがですか。
「最初はスクープの応酬みたいになっていて、そういったことを想定した練習はしていなかったのですが、途中からみんながベンチ内で意見を交換してやっていたのが自分の印象ではすごく良かったなと思います」
――SO戦をどのような気持ちで見ていましたか。
「僕はチームに『楽しめよ』と声掛けをしていたんですけれど、自分は結構(心臓が)バクバクしていて、これで負けたら終わりだからさすがにちょっと緊張はしましたね」
川村
――今試合の良かった点をお願いします。
「相手に攻められる展開になった時に、しっかり守り切るためにみんなが運動量を上げて守りに徹したり、相手に対して早くプレッシャーを詰めることができたので、攻めよりも守りの部分で、強みが上手く出せたのが今回の試合の良かったところだと思います」
坂本
――ディフェンス陣はいかがでしたか。
「守備はスクープが対応されるのが絶対わかっていたので、マークを徹底していました。みんながしっかり付いてくれていて、マイボールで終わる場面が多かったので、とても助けられました」
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