勝利で締めくくった春 同志社大相手に白星/定期戦

2024.06.24

 関東大学春季交流大会(春季大会)も幕を閉じ、春シーズン最後に迎えたのは西の伝統校・同志社大。『back to basic』を掲げてここまで戦ってきた明大は、ダブルスコアに近い得点を重ね、春シーズンの最後を飾るにふさわしい勝利を収めた。

◆6・23 定期戦(成田重兵衛スポーツフィールド中台陸上競技場)
▼対同志社大戦
〇明大64{31-14、33-19}33同志社大

 同志社大に先制トライを許した明大は士気が上がったか、そこから猛攻を仕掛ける。開始13分、相手のオフサイドからつかんだマイボールラインアウトを成功させた明大は、モールで前進。ピックゴーから最後は右フランカー福田太晟(商4=中部大春日丘)が押し込んだ。「モールは低くタイトに、コネクションやインパクトの部分で練習してきたことをそのまま出そうと意識した」(福田)。直後には、今シーズン明大の突破口として躍動しているフルバック金昂平(政経4=大阪朝鮮)が敵陣まで一気に駆け抜けると、パスが通った左フランカー利川桐生(政経3=大阪桐蔭)が強靭(きょうじん)な体幹を生かしそのままトライラインへ。「ゴール前のアタックだったが、焦らずにしっかり前を見ることができた」(利川)。41分にはナンバーエイト最上太尊(商3=仙台育英)から金昂へとパスがつながりトライを挙げ、点差を着実に広げていく。FWとBKの連携が光った前半、31-14と2トライ2ゴール以上の差をつけることに成功し、試合を折り返した。

 前半同様、早々にトライを取られて始まった後半だが、直後にはしっかりと取り返していく。マイボールラインアウトから出たボールを、左ウイング坂本公平(情コミ4=東福岡)が運びグラウンディング。今春9トライ目を挙げ「セットプレーを取り切ることができてよかった。コンディションも上り調子なので、このまま落ちないように頑張りたい」と春を振り返った。後半20分には、今試合が初紫紺となったスクラムハーフ田中景翔(文2=常翔学園)がスクラムから出たボールを自ら持っていきトライを挙げた。「スペースがあったら仕掛けようとはイメージしていたので、強気でいくという自分の強みを生かすことができた」(田中景)。メンバーが半数以上交代した試合終盤も明大ペースが崩れることはなく、最後までFWの強さは健在。モールからの得点シーンが多く見られた。「東海大戦は15分ほど出場したが、リザーブとしてのパフォーマンスがあまり良くなかった。今回は前に比べていい形でプレーができたと思う」(金勇哲・政経4=大阪朝鮮)。最終スコア64-33で、春シーズン最後の試合は幕を閉じた。

 ケガ人や遠征による離脱選手が多く、ベストメンバーで試合に臨むことがなかなかかなわなかった今春。「課題が残る春だったので、この春出た課題をチームでどれだけ改善できるかが、最後の勝敗のカギになると思う。全員でもう一度見つめ直していきたい」(福田)。明大ラグビー部の『奪還』への道のりはまだまだ長い。

[成田美彩子]

試合後のコメント
ゲームキャプテン・福田
――試合全体を振り返っていかがですか。
 「自分たちのアタックは結構できてはいたんですけど、その後のイーブンパスで相手に持っていかれてしまいました。ディフェンス面が課題に出て、2人目とのファイトの部分がなかなかできずに相手にテンポを出されてやられてしまったので、そこは課題かなと思いました」

利川
――規律面を振り返っていかがですか。
 「ペナルティーを重ねて自陣に攻め込まれ、簡単にトライを取られるシーンが春シーズンはどの試合でもありました。これから夏に向けて修正していかないと秋は絶対勝てないと思うので、修正していきたいと思います」

――スタメン起用も多かったと思いますが、個人として春シーズンを振り返っていかがですか。 
 「春から紫紺を着させてもらって、出られないメンバーの分もしっかり戦うというところは毎試合全員に話していました。そこに関してメンバー全員がこだわれていて良かったと思います」

田中景
――初紫紺でしたがどのような気持ちで試合に臨みましたか。
 「変に意識しないで、いつも通りってことを頭でイメージしていました。自分の持ち味である強気でいくところを出せた部分もあったので、今後も継続して紫紺を着続けられるように頑張ります」

坂本
――春シーズンを振り返って個人の課題としては何が残りますか。
 「キックオフの部分で、最初に自分の方に飛んでくる時のキャッチと仲間とのコミュニケーションです。あとはディフェンスの部分をもっと良くしていきます」

金勇
――セットプレーを振り返っていかがですか。
 「全体的に僕たちがいい形で決めていた部分もありましたが、レフェリーとのコミュニケーションの部分で取られてしまったことが多かったので、そこは課題なのかなと思います」