
ルーキー大奮闘! 昨年度のリベンジ果たす/全国大学選抜選手権
昨年度準優勝で終わった全日本大学選抜選手権(選抜)。グランドスラムを達成すべく奮起する明大にとって、ここが1つの山場となった。関西の強豪校も多く出場する大会で、初戦からほぼ負けなしで駒を進めると、決勝戦では昨年度の王者・関大との1戦を。先鋒・山田太粋(法1=岩槻)、次鋒・土屋泰生(文1=関西福祉科学大)、中堅・森川征那(文4=三井)が連続で勝利を収め、見事優勝を達成。グランドスラムに向けてまた着実に歩みを進めた。
◆6・23 全国大学選抜選手権(中大多摩キャンパス)
▼明大――1位
・2回戦
◯明大5―0大阪産業大
◯森川2―0鈴木
◯山田太2―0藤吉
◯大谷2―0岸本
◯山田健2―0北垣戸
◯井上2―0坂田
・準々決勝戦
◯明大5―0同志社大
◯森川2―0光武
◯山田太2―0山澄
◯大谷1―0中森
◯土屋賢2―0鎮西
◯井上2―0湊本
・準決勝戦
◯明大3―1龍谷大
山田健0―2米◯
◯土屋泰2―1宮澤
◯土屋賢2―0三根
◯森川(不戦勝)
井上1―1前田
・決勝戦
〇明大3―0関大
〇山田太2―1岡田
〇土屋泰2―0内畑谷
〇森川2-0三好
土屋賢1―1後藤
井上1―1長谷川
初戦から順調に勝ち進み、迎えた決勝戦。相手は昨年度の決勝で負けた関大となった。明大からはルーキーの山田太、土屋泰を含めたメンバーで出場。「本当に下級生に助けられたというか、よく頑張ってくれた」(井上晴陽主将・法4=三井)と、決勝戦前からチームに貢献。そんな2人は、決勝戦でも活躍を見せた。
決勝戦、先鋒では山田太が出場。「気持ちは常に決勝に向けていたので、(出場が決まっても)全然大丈夫だったが、先鋒ということで、少し固くなってしまった部分はあった」(山田)ために2分近く相手とのにらみ合いが続き攻めあぐねていたが、得意の突きで1本を先取。その後相手の1本が入るものの、再び突きで2本目を取り勝利を収めた。次鋒戦では土屋泰が出場。決勝メンバーに選ばれ「プレッシャーはとてもあった」ものの「コート入ったらそんなことは別で、もう1対1の戦いだと思うのでそこはもう切り替えた」(土屋泰)。その言葉通り、相手に1本も与えず2本連取のストレート勝ち。相手のスキを見逃さず、突きを繰り出し、明大の2勝目となった。続く中堅・森川の試合で、明大の勝利は決まった。「自分の中で自信がある技」(森川)である組技を駆使して、2本連取。その試合時間はわずか40秒ほど。「木村(柊也・令4文卒)さんにずっと練習付き合ってもらっていた。その練習の成果が試合でもそのまま出せたのがよかった」(森川)。ケガを感じさせない戦いぶりで、見事明大に勝利をもたらした。
「前2人(先鋒と次鋒)、1年生2人がポンポンと取ってくれて、3番(中堅)森川も勝ってくれたので、僕はもう気楽に戦わせてもらった」(井上)。しかし、副将戦、大将戦ではどちらも引き分けとなってしまった。副将戦を任された土屋賢は「ちょっと一瞬びびって、弱気になって前を譲っちゃった部分が良くなかった」(土屋賢)と振り返る。開始わずか30秒、胴突きで1本先取したが、その後2本目を決め切れず。残り時間18秒、相手の蹴りで1本を取られ、引き分けで終わる。最後の大将戦、井上は開始40秒で胴突きで1本先取し試合の流れをつかむが、「1本取ったのに、取り返されて、そこからまたもう1本取れずに終わった。勝ち切れなかった」(井上)。相手の蹴りが入り1本が取られた後、およそ1分間、技が決まり切らない時間が続いた。「明治のキャプテン、大将に置いてもらっているので、いくら試合が決まってるといっても、やはり大将戦をしっかり勝って、試合をこう締めくくらないといけないと思う」(井上)。チームとしての勝利は得られたが、課題も見えた1戦となった。
「今年グランドスラム達成することを目標にしているので、ここを落としたらもう僕の中で1年間のチームとしての目標がなくなるというのがあったので、緊張はあった」(井上)。しかし、その緊張を感じさせない明大の戦いぶり。森川も最優秀選手賞を受賞し、井上メイジ初の全国規模の団体戦は優勝で幕を閉じた。「ベスト4を見た時に、関西の方の大学が3校、関東の大学が明治だけ。その時点でも僕は、浮ついてるとか、調子に乗っているとかではなく東日本の中では明治が1つ頭抜けてるのかなと思った」(井上)。グランドスラムに向けて、着実に歩みを進め自信をつける井上メイジ。しかし、個々の試合では必ずしも満足のできるものではなかった。秋にある試合に向けて、拳士たちはまた高みを目指すことだろう。
[中川美怜]
試合後のコメント
井上
――グランドスラムを目標とする今年度の拳法部にとって、昨年度準優勝だったこの大会は山場のように思われましたがいかがですか。
「円陣の時も僕が声かけするんですけど、『ここで俺ら去年負けてるから何も失うものないぞ。俺らが関大から全部奪ったろ、奪ったろや』っていう声かけをしました。関大から全部奪ってやろうっていう気持ちだったので、チャレンジャーとして、守るものは何もなかったんで、貪欲というか、チャレンジャーの気持ちで試合に臨めて良かったなと思います」
――チームとして良かったところを教えてください。
「決勝メンバー発表された時に、悔しい涙流してるチームメイトもいたんですけど、そこは自分の悔しさをぐっとこらえて、チームを応援してくれるために切り替えてくれたこととか、上級生が引っ張っていかないといけないと思うんですけど、下から下級生が盛り上げてくれてるんで、そういうところがチームにとっていいというか、そういうものになるんじゃないかなと思います」
森川
――下級生の活躍が目立ったことについてどう思われますか。
「どっちがチームを引っ張っても安心できるような試合をしていたので、今後の試合、団体戦あと2回あるんですけど、そこは心配なく見守れるかなと思います」
土屋賢
――新チームになって2回目の団体戦ですが、東日本大学リーグ戦から成長した点はありますか。
「チームの明るさ、チームの色が出たんじゃないかな。誰が勝っても負けたとしても、絶対にチームで勝つっていうのが出たと思います」
土屋泰
――関西には強豪校が多いと思いますが、全国規模の大会で戦う難しさはありましたか。
「関西の人は全国大会でしか当たらない分、やはり分かりづらい部分とかもあるんですけれど、学校や相手によってやりづらいというのは、そんなになかったですね」
山田太
――チームとしてはグランドスラムに向けて着実に進んでますが、1年生としてどのようにチームに貢献していきたいですか。
「先輩方も下からの負けないぞという気持ちというか、僕が先輩たちにどんどん勝っていけば、先輩たちも負けないぞっていう気持ちで頑張ってくれると思うので先輩たちを食うつもりで頑張ります」
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