
奮戦するも準決勝で惜敗 またも東海大を前に夢潰える/全日本学生優勝大会
明大はシード権により大会2日目の3回戦から出場した。3、4回戦を順調に勝ち進み、準々決勝・筑波大との接戦を制す。そして続く準決勝、因縁の相手・東海大との対戦に粘るも最後は一本負け。難敵・東海大を前に屈し、3位で今大会を終えた。
◆6・23 第73回全日本学生優勝大会(日本武道館)
▼明大――3位
全国の大学の中から、無差別団体戦日本一が決まる今大会。初戦の相手は山梨学大だ。途中副将・岩本賢武(政経3=高川学園)が相手に背負い技を決められるも、大将・竹村虎之(政経4=大成)が出足払を繰り出し、6-1で勝利した。4回戦は専大相手に先鋒・黒川響(政経4=習志野)が2度大内刈を決め、合わせ技一本で後続選手を勢いづける。続く中堅・松原咲人(政経3=大成)、副将・井澤直乙斗(政経2=習志野)が豪快な投げ技を繰り出しポイントを重ねる。最後は大将・竹村が内股から一本勝ち。5-0で勝負を決めた。
好調の中で臨んだ準決勝、筑波大戦。まずは先鋒の松原が引き分け、続く田中愛斗(商3=九州学院)が勝ちを収めたいところであったが、相手に技ありで優勢勝ちを取られる。しかし五将・竹村が大内刈からの一本を取り、流れを明大に持ってきた。中堅、三将と引き分けたものの副将・伊澤が肩固で抑え込み、逆転。大将戦は両者譲らず引き分けたが2―1で準決勝へと駒を進めた。中濱真吾監督は「先鋒の選手をしっかり止めようという話をしていたところで、しっかりと松原が引き分けてくれた。次鋒の田中が(得点を)取られたが竹村が取り返した。伊澤も勝って、取るところはしっかりと取って勝った」と振り返った。
そして迎えた準決勝。またしても明大の優勝の前に立ちはだかるのは東海大だ。東海大には、5月末に行われた東京学生優勝大会、さらには前回大会でも敗れている。宿敵・東海大を前に選手たちのリベンジを狙う闘志がうかがえる対戦であった。東海大に対し中濱監督は「そこまで大きく変わったことはやっていない。止めるところ、引き分けるところ、取るところをしっかりやるというふうに練習してきた。誰がどこに出てきても良いように順番、配列を準備してきた」と語った。先鋒・黒川は粘り続け引き分けに。続く次鋒・竹村は得点を期待されたが、なかなか技をかけることができずに引き分け。五将・伊澤は自身よりはるかに体格の大きい選手に対し何度も足を囚われそうになるも耐え続け、引き分けに持ち込む。その後の甲木碧(政経3=木更津)、田中も突破口を見つけられず引き分けが続く。試合を動かしたのは副将・千野根玄貴(経営2=桐蔭学園)だ。決めきることこそできなかったが小外刈を繰り出し、技あり優勢勝ち。一気に明大が優位になった。ついに汚名返上となるか。勝利の望みを託され大将戦に臨んだのは岩本だ。しかし、東海大の壁を突破することはできなかった。開始早々に相手の仕掛けた投げ技が会場を騒然とさせた。相手に内股からの一本を取られ最終的に1-1の内容勝ちで敗戦。リベンジの機会は持ち越しとなった。
昨年と同じく第3位という形に終わった今大会。「3年生。岩本、田中、松原。この上級生たちにもう少し頑張ってほしかった。来年に向けてまたしっかり鍛えていきたい」(中濱監督)。またも敗北の悔しさを味わう結果とはなったが、10月には全日本学生体重別団体優勝大会が控えている。さらなる躍進を遂げ、無念を晴らす日は近い。
[藤原茉央]
試合後のコメント
中濱監督
――東海大戦の敗因をお聞かせください。
「向こうは大将戦に持ち込もうとして全部引き分けで来る作戦だったと思う。千野根のところでしっかり一本取りたかったところと、竹村のところで取れなかった。それが今回の敗因だと思います」
――大会を通して良かった点、また課題を教えてください。
「今回東京学生優勝大会に出れなかった竹村が復帰してちゃんと4年生の仕事をしてくれたこと。あと前日の練習で徳持(英隼副将・政経4=崇徳)がけがをして出れなくなったが、そこをみんなでしっかりカバーしようと全員が力を出してくれたところが良かった。反省点としては3年生にもう少し頑張ってほしかった。来年に向けてしっかり3年生以下を鍛えていきたいと思います」
――今後の意気込みをお願いします。
「10月に体重別の団体戦が尼崎である。昨年は2位で負けてしまったので、今年はキャプテンの光岡(岳人・商4=大牟田)を中心にしっかりと優勝を狙っていきます。優勝します」
千野根
――チームの雰囲気はどうですか。
「徳持さんが怪我をしていたのですけど、先輩たちがいっぱい声をかけてくれて、チームとしてはめっちゃいい雰囲気だと思います」
――東海大戦でポイントを取ったことはいかがですか。
「技ありを取れたのは良かったですけど、あそこで一本取り切れないっていうので、自分の弱さが出たかなと思っています」
――自身の課題を教えてください。
「まだ持った時にいけない、勝負できないっていうのは殻に籠っている感覚がある。行くときにいく。殻をもっと破っていきたいです」
――チーム、また個人の目標を教えてください。
「チームとしては、軽量級の関本さん(賢太・商4=習志野)とか光岡さんとかがいるので、今年も尼崎優勝を狙っていきたいです。個人としては、再来週に東京都ジュニア体重別選手権があるので、そこでしっかりと優勝して、全日本ジュニア体重別選手権でも優勝して、どんどん世界で活躍していけるような選手になりたいと思います」
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