金澤・上戸ペアが日本一/全日本選手権

2024.06.23

 学生から社会人、そしてパリ五輪内定選手まで各世代のトップクルーが日本一を懸けて争う全日本選手権(全日本)。大会3日目は明大から3艇がA決勝に進み、男子ペアの上戸慧太男子主将(法4=坂出商)と金澤遥叶(商4=米子工)が見事日本一に輝いた。共に前回大会で優勝した男子舵手付きフォアのクルーであり、異なる種目で全日本2連覇を達成した。

◆6・20~23 全日本選手権(海の森水上競技場)

▼女子シングルスカル(S清野)――D決勝6位

▼女子ペア(S平松B山田)――A決勝4位

▼男子クォドルプル(S尾崎3岸本2佐々木静B川竹)――準決勝3位

▼男子舵手つきフォア(S阿部3松川2佐々木剣B小笠原C鹿川)――準決勝2位

▼男子エイト(C高田S市川7中條6佐藤5西脇4佐々木丈3土橋2大久保B平田)――準決勝5位

▼軽量級男子ペア(S杉本B廣瀬)――A決勝6位

▼男子ペア(S金澤B上戸)――A決勝1位

 上戸・金澤組は予選、準決勝と共にトップで通過し、迎えたA決勝。スタートから飛び出し、250メートルで先頭に立つとすぐに2位と1艇身以上の差をつける。「ポイントは(750メートル地点の)橋の下。波と風向きが変わるので二人で一回リラックスして、前からこぐことを意識した」(金澤)と大幅なリードも決して気を緩めず。他艇を寄せ付けない圧巻のレース展開を見せ、ゴールに一番に飛び込んだ。漕力の指標であるエルゴ値が過去に類を見ないほど高く、チームでは主将、副将と主軸を担う二人。さらに上戸はU-23日本代表に選出され、7月はオランダでのユニバーシアード、8月にはカナダでの世界選手権を控えている。「勝因は4年間で築いてきた信頼関係」(上戸)とまさに明大が誇る〝史上最高の二人〟が大舞台で再び日本一の頂点をつかんだ。

 予選を2位通過し、A決勝に進んだ女子ペア、平松叶帆(商3=岡山東商)・山田和佳(営4=横浜商)組は順風を味方につけ、序盤から軽やかなリズムを刻む。1000メートル地点からU23日本代表を有する立大と熾烈(しれつ)な3位争いを繰り広げたが、表彰台入りにあと一歩及ばず。わずか0.5秒の差に涙を飲む結果となった。

 3日目を終え、男子舵手つきフォアなど多くのクルーがA決勝へと駒を進めた。男子ペア優勝に続き、最終日も複数の種目での表彰台入りに期待が高まる。史上初の全日本大学選手権(インカレ)男女総合優勝という夢を現実に。明大の戦いはまだ始まったばかりだ。

[原田青空]

試合後のコメント
星遼監督

――大会3日目を振り返っていかがですか。

 「まあやることはやってくれていると思います。(優勝の男子ペアについては)この2人が組めばそれなりにスピードが出るなとは思っていて実際に50秒台が出た中で、決勝は最後ミスオールはありましたが結果を出してくれたので評価したいと思います」

――その一方男子エイトはやや押され気味でした。
 「そうですね。決勝Aに進める3着以内に入るかどうかというところでしたが、3着の中央大学さんにもう少しついて行きたかったなというところです。少しづつ離される展開になったので地力の差が出たのかと思いますが、彼らにとっては良い経験だったのではないでしょうか」

上戸主将
――今後の意気込みをお願いします。
 「これから出場する世界レースにつなげることと、明大は全体的にも強くなってきているので、今年度こそ総合優勝ができるように頑張りたいです」


――レースに向けてどのような取り組みをされましたか
 「毎日、自分たちがどのように練習を進めていくかを二人で考えながらやったことが良かったと思います」

金澤
――レース展開を振り返っていかがでしたか。
 「予選のタイムが速かったので誰かと戦うというより、自分たちと戦おうと思いました。ミスもありましたが、それでも1位を取ることができて良かったです」

――タイムの満足度を教えてください。
 「8割です。ちゃんとこぎ続けることが二人でできず、タイムが伸びなかったので、そこを修正して、明大速いなと思わせるようなこぎをしたいです」