(27)ミスタービクトリー・梁取慎也/日本学生選手権

 観客もまばらな関東大学アイスホッケー2次リーグ、明治対法大戦。第1ピリオド終了のホイッスルがなった後、審判の甲高い声が会場を一瞬止まらせた。
 「―――退場!」
 その言葉でスティックを氷上にたたきつけ、梁取はロッカールームに戻っていった。

 「試合放棄させたいんすか?」。試合開始から度重なる反則でいらいらが募ったのか、つい挑戦的な言葉を審判に浴びせてしまった。「雰囲気を変えようと思ったんだけど、悪くなっちゃったね」。試合後彼は、笑いながらも悔しそうに下を向いた。

 しかし今年に入りチームの雰囲気は変わった。上級生から下級生に歩み寄り例年以上にチームの雰囲気はよくなった。そのこともあってか、梁取も例年以上に積極的に声を出すようになった。「試合中や練習のときチームを盛り上げるのは慎也さん」(坂田・政経2)。今では実力と精神面共にチームを支えている。

 そんな梁取にはあるあだ名がある。“ミスタービクトリー!”鳥取中学校時代は2・3年と全国中学校大会で優勝。そして駒大苫小牧高時代も2・3年とインターハイで優勝した。「来年、俺が4年のときは俺がひっぱって春、リーグ、インカレと優勝するよ。あっ、でも春は世界選手権があるからなぁ(笑)」。そういつもの笑顔で笑いながら梁取は言った。自分のことだけではなく、チーム全体を考えるようになった梁取。彼と明治の今後の成長に期待は高まる。
◆梁取慎也 やなどりしんや 政経3 駒大苫小牧高出 177cm・75㎏

<明大アイスホッケー>

 今年も2008年1月6~9日にかけて北海道苫小牧で日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)が開催される。本学は前大会で決勝戦まで駒を進めたものの、東洋大に完敗して6連覇の夢が絶たれ、また秋も3位と振るわずに幕を閉じた。昨年の秋を最後に、タイトルをつかめずにいる明治。最後の大会であるインカレで彼らの逆襲劇を見ることが果たしてできるのであろうか。

今回はインカレを前に秋季リーグ戦の総括として個人の成績を集計しました。

(3)秋季個人成績

GOAL
1位 田中 遼(政経2) 12ゴール
2位 河野剛也(商4)  6ゴール
   江端勇人(法2)
   近藤勝将(営2)
3位 高田昌虎(政経3) 5ゴール
4位 土屋輝幸(営1)  4ゴール
   長岡佑弥(法1)
5位 畑中 理(政経4) 3ゴール
   梁取慎也
   坂田 駿
   赤坂優輔(政経1)

ASSIST
1位 田中 遼      13アシスト
2位 近藤勝将      9アシスト
   土屋輝幸
3位 畑中 理      8アシスト
   梁取慎也
4位 江端勇人      7アシスト
5位 澤崎晃平(政経4) 6アシスト
   高田昌虎
   外崎裕将(政経2)

PENALTY
<多>
1位 梁取慎也     15ペナルティー
   田中 遼
2位 近藤勝将     10ペナルティー
3位 坂田 駿     9ペナルティー
4位 長岡佑弥     7ペナルティー
5位 金塚佑輔(法3) 6ペナルティー
   土屋輝幸
※異なる2つの違反によるダブルマイナーペナルティーは2回として、また同一の違反によるものは1回として計算しています。→ペナルティー解説へ
<集計:アイスホッケー担当・中村浩貴>

3部門のトップに見事田中が輝きました。決定力もあり、そして少々暴れん坊な田中。彼は今秋2年生ながらチームの主力として頑張っていました。
昨年のインカレ決勝戦では唯一の1点を決める活躍を見せ、試合には敗れたものの田中自身の存在を大いに知らしめました。試合中、彼が悔しみのあまりに見せた涙は印象的です。
→第79回インカレ記事へ
昨年の悔しさを胸に挑む今年のインカレ。田中のトリッキーなプレーにも要期待です!

<インカレ特集前後のページ>

1.畑中理/歴史~インカレ篇~
2.寺島悠介/黄金世代の最終戦
3.梁取慎也/秋季個人成績
4.江端勇人/才能溢れる男達が演出した2冠物語は終わりなく続く

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