林原が明大男子史上初のV 女子の部では渡部が準V/全日本学生選手権個人ロードレース

2024.06.17

◆6・15~16 第39回全日本学生選手権個人ロードレース(奥木曽湖周回コース) 

▼女子
 渡部――2位

▼男子
 林原――1位
 村上――33位
 ※永野、鈴木、中川、自檀地は途中棄権

 1周9キロの奥木曽湖周回コース10周+ゴール地点の山頂を目指す山登り1キロの総走行距離91キロで争われた女子の部には明大から渡部春雅(政経4=駒大高)が出場。「試走した時から結構流れる感じのコースで走りやすかった」と、レース序盤から快走を見せ先頭集団に入る。先頭集団は渡部と早大の4選手を加えた5名で形成。「前半の方に早稲田の選手4人と、明治1人になってしまったので圧倒的に早稲田の方が有利なので、そこで自分がどうやったら上位に入れるかっていうのを考えながら走っていた」と、不利な状況の中でも冷静にレース展開を分析していた。レース序盤に形成された先頭集団はその後も後続に追い付かれることなく、ラスト1キロの上りの山道に突入。「最後の上りが勝負になると思っていたので、それまでのアタックは全部つぶして、そこにいい感じで入れればいいなと思っていた。上りの最後1キロの途中で(早大選手の)アタックがかかったときはしっかり対応できたが、最後まで脚が持たなくて、ちぎれてしまったのでちょっとそこは悔しい」。早大選手に囲まれる不利な状況の中で優勝争いを展開するもあと一歩及ばず。結果はトップと7秒差の2位となった。それでも「ちょっと悔しい点もあるが、全体的に満足しているので今後につなげていきたい」と、不利な状況の中でも走り抜き結果を残せたことに充足感を感じていた。

 2日目の男子の部、奥木曽湖周回コース17周+1キロの総走行距離154キロで争われるレースには明大から6名が参戦。中でも林原聖真(法2=倉吉東高)は序盤から圧倒的なレースを展開し、明大男子史上初の優勝を果たした。計115名が参加したレース序盤は互いの様子をうかがう団子状態に。しかし、3週目に入り林原を含めた4名の選手が抜け出し先頭集団を形成。「いかに長い時間を逃げられるか、早いペースを維持しながら足を使わずにうまく協調することをしていて、そのためにここを引いてくださいとかコミュニケーションをとっていた」と、集団内で連携を取り合い一時は後続集団に1分以上の差をつけるほどの逃げを見せた。レース終盤、残り5周となり後続集団から村上裕二郎主将(営4=松山工)が先頭集団に追い付く。レース最終盤、林原を含む先頭集団は後続に若干の差を持ったまま勝負はラスト1キロの山登りへ。「順天堂大の選手が最初にアタックして少し離されたが、このペースでいっていたら追い付くかなという感じだった。きつかったが最後まで出し切れる自分の最大のペースを考えて、そのペースで刻んで、そしたら最後1人になれた」。登りのレースとスタミナに強みを持つ林原が最後は集団を振り切り1着でゴール。115人の頂点に立ち今大会明大男子史上初の優勝という快挙を達成した。林原はレースを振り返り「競技力はもちろん、大学入学当初はレースをつくるというのは絶対に無理で、結果も出なかった。学年が上がるにつれてレースをつくれる立場になってきて、結果も出せるようになった。いろんな人にサポートしてもらって、恵まれた環境でやってこられました」と、周囲への感謝とともに自身の成長を語った。

 明大自転車部が目指す最大の目標は全日本大学対抗選手権(インカレ)総合優勝。「まだちょっと日にちあるので、しっかり調子を合わせてインカレでは自分の絶好調の走りを出していきたいと思う」(渡部)。「今シーズン新たに1年生も入ってきて、特に長距離班は層も厚くなってきているので、今年は去年みたいに日大に圧倒的にやられるっていうのは避けて、明治が逆にその状況をつくれるように、みんなで頑張っていきたい」(林原)。7月上旬にはトラック競技学生日本一を決める全日本学生選手権トラック自転車競技大会が開催される。ロードに続きトラックでも結果を残せるか。明大自転車部の今後の活躍により一層注目していきたい。

[菅波陸哉]

試合後のコメント
渡部
――今大会のレースを振り返っていかがでしたか。
 「ちょっと悔しい点もあるんですけど、全体的に満足しているので今後につなげていきたいなと思います」

林原
―― 今大会のレースを振り返っていかがでしたか。
 「まず自分の中でのやりたい展開というのが、来週に大事な大会があるというものもあって、落車は絶対にしたくなかったので、序盤から逃げて、なるべく長い時間逃げたいっていうのがありました。逃げたんですけど、そこでいい感じにメンバーが集まって、うまく回せたのが良かったのかと思いました」

――前回大会は6位、順位への意識はありましたか。
 「順位は、今シーズンすごく調子がいい状態が続いていて、もしかしたら狙えるかなっていうのはありました。狙えるならしっかり狙っていこうというイメージでした」

村上
――現在のチーム状態を教えてください。
 「バチバチしていますね。それも主将として、丸く収めるのもどうなのかなと思いますけど、インカレに向けて一致団結していければいいなと思います」

――インカレに向けて、チームとして個人として意気込みをお願いします。
 「林原を筆頭に、チームもどんどんもっと固めてつくっていくので、個々の実力はもちろん中距離は中距離とかだけじゃなく、一緒に練習したり、状況を把握しながら、インカレで最高のパフォーマンスを示せればいいかなと思います」