44年ぶりリーグ戦3連覇 2-1で山梨学大に競り勝つ/関東学生春季1部リーグ戦 

2024.06.11

 リーグ戦3連覇をかけ戦う相手は、明大同様プール予選を全勝通過の山梨学大。第1Qには先制点を許し追う展開となったが、第2Qには同点に追いつき第3Qで決勝点を奪う。その後は相手に追加点を許さず1点を守り切り44年ぶりとなるリーグ戦3季連続優勝を果たした。 

 春季リーグ戦決勝の相手は昨年度の秋季リーグ戦決勝でも対戦した山梨学大。〝超攻撃型ホッケー〟を掲げる明大はここまでの4試合で13得点を獲得。さらには守備でも全試合無失点と、攻守ともに圧倒的な強さを見せ勝ち進んできた。しかし今試合では第1Q3分、今リーグ戦初となる失点を許しリードを奪われる。その後も相手オフェンスに苦戦を強いられ、終始チャンスを作ることができず第1Qを終えた。今リーグ戦で初めて追う展開となったが「思ったよりチーム全体でポジティブな声かけがあった。みんな焦りがあるかと思っていたけど意外と冷静にいられた」(小林正人主将・政経4=今市)。第2Qに入り明大が徐々にペースを取り戻す。第2Q6分には、FW齋藤偉颯(法3=今市)が相手陣地へ攻め込みファウルを誘発しPCを獲得。PCから齋藤がゴール右隅へ鮮やかなシュートを決め、1-1と同点に追いついた。このゴールには新井健史監督も「齋藤がPCをきれいに決めたのが反撃につながった」と今試合のMVPとして名を挙げた。 

 齋藤のゴールを機に勢いに乗った明大は第3Q5分、FW竹邊尚希(商4=川棚)からのパスをFW鈴木舞白(営2=天理)がすくい上げてゴールに押し込み待望の追加点を獲得。「(相手が)交代しようとしてマークが外れたところで、味方からのパスに走り込みながら、しっかりキーパーの上を狙って打てて、シュートを決められたので良かった」(鈴木)。鈴木の値千金のゴールで明大が逆転に成功した。しかし試合最終盤の第4Q残り41秒、山梨学大にPCを獲得され同点のピンチを迎える。だがGK坂本樹哉(法4=飯能南)を中心に決死の守備でこれをしのぎ1点差で逃げ切った明大。2-1で勝利を収め、44年ぶりとなる3季連続の関東制覇を果たした。 

 春季リーグ戦を優勝という最高の形で終えた明大は次なる舞台を全国に移す。6月27日から始まる全日本大学王座決定戦(王座)に向け、「まだ自分たちは勝って全然満足はしていない。次ももしかしたら山梨学大と対戦するかもしれないので、今日出た課題を次に生かして僕が主体となってチームを動かし、王座ではもっと圧勝して勝てればいいなと思う」(小林正)とさらなる高みを目指す意気込みは十分だ。 

[加藤菜々香] 

試合後のコメント 
新井監督 
――今試合の振り返りをお願いします。 
 「今日の試合は初めの方はみんなすごく硬くてペースをつかむまでに結構時間がかかりました。早めに相手に(点を)入れられたので、逆にこっちも気持ちが少し落ち着いたというか我慢しながら少しずつペースをつかむように持っていった感じです。後半はだいぶこっちのペースだったので、もう1、2点取れるかなと思いましたがそれでもよく頑張ってくれたと思います」 

――今回の試合の収穫と課題を教えてください。 
 「収穫は、こういう厳しいゲームでもなんとか最後まで粘って勝ち切れたということです。課題は、今度王座になるので、最初からいい状態で進めていかないと、相手も強いとこばかりなので、その辺を注意することが課題だなと思います」 

小林正 
――今年のチームは〝超攻撃型ホッケー〟とうたっている中で、守備陣も5試合で1失点という素晴らしい結果を残しました。この点について思うことはありますか? 
 「攻撃型ということで、新しいフォーメーションでやっているのですが、そうやって攻撃型と掲げている中で、守備も怠らずに練習しています。僕が練習メニューを考えて、一人一人がその練習メニューに目的を持ってやってくれたので、攻撃だけじゃなくて守備の強度にもつながったんじゃないかと思います」 

――1点リードの第4Qで攻めに出るのか、守りに入るのかなどチーム内で話し合ったことはありますか? 
「僕としては攻めたかった思いはありましたが、相手も結構前がかりに来ていて、自然と守りに入ってしまっていたというのがあり、そこが今の課題でもあります。今後王座でもしかしたら山梨学大とまた対戦するので、その意思統一が課題にもなってくるかなと思います」 

鈴木 
――今回見つかった収穫と課題をお願いします。 
 「収穫としては、強いチームと試合をして相手のプレッシャーが強い中でしっかり自分たちでもっとプレッシャーの強い練習をしてそれに慣れていかないといけないなと思いました。課題は、基礎のパスやレシーブなどが少しずれていたところと、もっと夏に向けて暑い日でも走れるようになる練習をしたいと思います」 

坂本 
――山梨学大の印象はいかがでしたか。 
 「山梨学大は前線にマークを外すのがうまい選手が多くいたため、裏を取られたり結構スペースを使われてボールをつながれたりしてしまい、自分たちが攻め込まれた要因の一つだと思います。ですが、その後のカバーというところでディフェンス陣がしっかり動いてくれたので、なんとか守りきることができたかなと思います」 

――今回もGK王を獲得されましたが、率直な気持ちを教えてください。 
 「またGK王を獲らせていただいてとてもうれしいです。ですが自分がGK王を獲れたのは、ディフェンス陣がうまく守ってくれた結果、自分が止めることができているということなので、チームの力というところで一番感謝をしています」