
ルーキー・岸本の活躍で王座3連覇達成/全日本学生王座決定戦
関東学生リーグ戦(リーグ戦)、関西学生リーグ戦のそれぞれ上位4校が出場する全日本学生王座決定戦(王座)。3連覇を懸けて挑んだ明大女子エペは圧倒的な強さで決勝に進出すると、宿敵・専大相手に45-36と9点差をつけて勝利を収めた。リーグ戦に続き2冠を達成し、5冠へと着実に歩みを進めている。
◆6・10 全日本学生王座決定戦(駒沢体育館)
▼女子エペ 明大――1位
連覇を果たしたリーグ戦から約1カ月後、学生日本一を決める王座が行われた。今大会1試合目の相手は立命大。出だしで2点を先制され、追う立場からのスタートに「プレッシャーがあり、あまり試合に集中し切れていなかった」(稲山友梨・営4=星槎国際)。それでもエースとしての粘りで5―4と逆転し、2セット目の岸本鈴(営1=龍谷大平安)へ。1点差で始まった立命大戦は、試合終了時には45-36と9点差にまでリードを広げ準決勝へ進出。2試合目の日大戦も終始リードを保ったまま45―30で勝利を収めた。
3連覇が懸かった決勝の相手は、明大女子エペにとって永遠のライバルである専大。1セット目の岸本、2セット目の稲山と一進一退の攻防戦が続き、7―10と相手にリードを許した状態で3セット目の盧承延(政経3=王子総合)にバトンが渡る。「自分の調子が悪かったので、いろいろな人にアドバイスをお願いした。反省点をどうすれば直せるのか、しっかり考えた上で試合で実践できた」。万全とはいえないコンディションの中でも解決策を見いだし、11―12と1点差にまで追い上げた。続く4セット目を任された岸本が、今大会一の活躍を見せる。開始早々に1点を返し同点に追い付くと、連続攻撃で一気に点差を広げる。その勢いは止まることを知らず、相手に1得点も許さないまま一挙9得点の快進撃。「1点差だったので9セット目が終わるまでに1点追い付けばいいと思っていた。自分が点数を取りに行けたら行くけど、無理はしないということを意識しながら取り組んだ」。構え過ぎないスタンスが功を奏し、20―12と明大に流れを引き寄せた。そのまま逆転されることなく8セット目終了時点で40―30と10点差をつけ、最終セットの稲山に勝敗は託された。両者引けを取らない攻防を繰り広げるも、最後は稲山の力強い一突きでゲームセット。45―36で専大戦を制し、王座3連覇、そして2冠を達成した。
ここまで団体戦負けなしの女子エペだが、次に挑むのは昨年度連勝がストップした関東学生選手権(関東インカレ)。「また練習し直して、チームの勝ちに貢献できるように練習を積んでいきたい」(稲山)。新体制となり、昨年度からさらに成長した姿を見せられるか。今後の活躍に注目だ。
[石井遥]
試合後コメント
弘瀬功二監督
――女子エペの強さの秘けつを教えてください。
「一番はチームワークだと思います。女子は4人しかいないですが、その4人がお互いの良いところも悪いところも言い合っています。また、練習になればシンプルに剣を交わして、休みの日には一緒に行動して。そういう意味で本当に仲が良く、駄目なところは駄目、良かったら思い切りその人のことを喜べるような、そういうチームワークが強みだと思います」
稲山
――周りからのプレッシャーはありましたか。
「ありました。私が女子エペ主将になって、勝っても負けてもキャプテンが責任取ればいいかなと思っていたので、本当に助かりました。終わりよければすべてよしではないですが、プレッシャーの中みんなよく頑張ってくれました」
國谷優奈(政経3=宇都宮中央女子)
――リザーブとして意識したことはありますか。
「一番やろうと思って意識したのは、試合中の声掛けです。試合前日や当日のミーティングで選手自身が言ってほしい言葉などを聞いて、試合中は試合している人を少しでも安心させられるようにしていました。また、プラスな面も私が声掛けをすることで気付いてもらえるように意識しました」
廬
――これからの意気込みをお願いします。
「団体戦はこれから関東インカレ、全日本学生選手権、全日本選手権があるので、今の課題である固くなってしまう部分を練習でしっかり直して、みんなで5冠目指して頑張ります」
岸本
――王座優勝の率直な気持ちを聞かせてください。
「私は大学1年生で初めての王座だったので、やはり緊張しました。しかし、後ろで見てくれている先輩の言葉のおかげでリラックスして自分の実力を出せました」
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