
因縁の帝京大戦 両者譲らずドロー/関東大学春季交流大会
関東大学春季交流大会(春季大会)の4戦目が行われた。対戦相手は帝京大。昨年度の全国大学選手権(選手権)以来の対戦となった。前半は明大BK陣が躍動し24―5とリードするも、後半はスクラムから流れを奪われ、同点に追いつかれる。両者最後まで一歩も譲らず、24―24の引き分けとなった。
◆6・9 関東大学春季交流大会(エコパスタジアム)
▼対帝京大戦
明大24{24―5、0―19}24帝京大
明大は序盤からなかなかボールを奪えず、ディフェンスの時間が続く。しかし帝京大のフィジカルを生かした攻撃に対し、堅守に加え課題である規律面を改善し、失点を許さない。「全員が相手を見てノミネートして、相手にプレッシャーをかけることができたので、自分たちがやりたいディフェンスをできた」(ナンバーエイト木戸大士郎主将・文4=常翔学園)。苦しい時間を耐え切り、先制点を挙げたのは明大。前半11分、敵陣22メートルライン付近でのマイボールラインアウトから、左フランカー利川桐生(政経3=大阪桐蔭)がディフェンスラインに仕掛け大きくゲイン。早いパスアウトで左に展開し、右センター秋濱悠太(商4=桐蔭学園)がインゴールに飛び込んだ。「FWがセットプレーでいいアタックの流れを作ってくれた」(秋濱)。20分に帝京大にモールからトライを奪われるも、27分、自陣10メートルライン付近のスクラムから攻撃を展開し、秋濱がラインブレーク。裏の空いたスペースにキックを浮かすと、自らボールを確保しトライラインまで走り切った。「BKの役割が外でゲームするところだったので、あそこでしっかり僕が取り切れて良かった」(秋濱)。さらに31分、ハーフウエーラインでのスクラムから、右センター蓬田雄(政経3=流経大柏)が左の空いたスペースにグラバーキック。捕球した秋濱からパスを受けた左ウイング坂本公平(情コミ4=東福岡)が、相手ディフェンスを抜き去りトライを挙げた。「たまたま相手が滑ったところを最後まで見れていて、スペースが空いていたので行った。最高だった」(坂本)。41分にはペナルティーキックを決め、24―5と見事な試合運びで試合を折り返した。
このまま主導権を守りたい明大は、後半の序盤も高い精度のディフェンスで帝京大に前進を許さなかった。しかし、スクラムでのペナルティーが徐々に増え、流れを奪われてしまう。「スクラムは僕たちが組みたいように帝京大は組ませてくれなかった。僕のところにアタックしてきたのに対して先手で僕たちがアタックできなくて、全て相手のしたいようにされてしまった」(右プロップ山口匠・政経2=流経大柏)。後半14分にトライを許すと、24分には自陣ゴール前の相手ボールスクラムを押し込まれ失点。さらに28分、自陣22メートルライン付近からラインブレークを許し、同点に追いつかれてしまう。「スクラムのところでプレッシャーを受け続けて、自分たちに焦りが出てアタックでもディフェンスでも後手にまわってしまった」(利川)。その後何度もトライラインに迫られるも、必死のディフェンスで逆転を阻止。そして41分、敵陣22メートルライン付近でのマイボールラインアウトのチャンスで、場内から明治コールが沸き起こる。「静岡の地でも明大のファンの方が応援してくれていることはすごくありがたかった」(秋濱)。惜しくも勝ち越しにはつながらず、再び自陣でのプレーが続く。試合終了間際、明大はシンビンで人数を1人欠く中果敢に攻めるも、帝京大のディフェンスを崩せず、24―24でノーサイド。両者最後まで死力を尽くした好ゲームだった。
昨年度の王者相手に惜しくもリベンジを果たせなかった明大。今試合では春季大会を通して課題だった規律面で改善が見られ、特にフィールドプレーでのペナルティーが少なく抑えられていた。「ディシプリンのところはずっと課題で、これからもずっと意識していかないといけない」(木戸)。しかしセットプレーでは課題が残る。「結果は同点にはなっているが、結果以上の差を僕自身感じているし、やることは見つかったのであとは自分で強化するだけという気持ちにも切り替えができた」(山口)。次戦は春季大会最終戦・東海大戦だ。東海大は昨年度、関東大学リーグ戦を6連覇している強豪。「東海大は(春季大会で)帝京大と試合をしていて、セットプレーで帝京大とやり合えているところもあったので、セットプレーは手ごわい相手になると思う」(フッカー西野帆平・文3=東福岡)。課題のセットプレーを修正し、春季大会をいい形で締めくくってくれるだろう。
[晴山赳生]
試合後のコメント
木戸
――次戦に向けて抱負をお願いします。
「練習でやっていることを出すことが僕たちのテーマなので、八幡山でやっていることを熊谷で出せるようにしていきたいと思います」
西野
――選手権以来の再戦でしたが、印象は変わりましたか。
「選手権から、スタメンは4年生が抜けてちょっと変わっていた部分もあったり、ジュニアでやっていたメンバーが相手にも多かったので、FWはやっぱり今年も強いなってイメージです」
山口
――次戦に向けて抱負をお願いします。
「次戦の東海大との試合は今日出来なかったセットプレーの安定と、もっと勝ちに貪欲になってプレーしていきます」
右ロック佐藤大地(法4=国学院栃木)
――今試合を振り返っていかがですか。
「いつもよりもオフザボールを徹底できたので、前半は特に自分たちのペースにつながったと思います。後半はセットプレーで少し自分たちを追い込んでしまったり、ペナルティーなど自分たちのミスからトライにつながったので、そういうところは後半からできるようにしたいと思います」
利川
――ボールキャリーで意識したことはありますか。
「今日は相手が帝京大だったのでフィジカルの強い相手でもボールを持ったら1メートルでも前進することを意識していました」
坂本
――今試合を振り返っていかがですか。
「前半は自分たちがやりたいことができて得点したんですけど、後半で相手が上げてくるのを分かっていたのに、受けになって自分たちのミスで結果同点まで行かれてしまいました。意識の部分で変えられる修正とかもあると思うので、そこを次の試合から修正していい形で勝てるように頑張りたいです」
秋濱
――ハーフタイムでは何を話しましたか。
「ミスボールの反応だったり、ボール持ってないところの動きっていうのはしっかり後半40分間やらなくちゃいけないっていうのもありましたし、やっぱり帝京大が後半からしっかり目の色を変えてやってくるので、自分たちがフォーカスしようっていうところは話しました」
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