FLY HIGH ~望月梨早の挑戦~

スケート部(フィギュア部門)
FLY HIGH ~望月梨早の挑戦~

今シーズン、東京選手権で見事3位入賞を果たした望月(情コミ1)。しかし、思わぬアクシデントに見舞われろっ骨を骨折。続く東日本選手権出場がかなわなかった。それにもかかわらず特別枠として全日本選手権出場を認められた望月に、現在の心境や目標を聞いた。

―まず、ケガについて聞かせて下さい。
 練習中に選手同士で衝突してしまったんです。スピンをしていた相手の靴がろっ骨に当たってしまって。それが東日本選手権の一週間前位のことでした。

―東日本選手権出場が無理だと分かった時はどんな心境でしたか?
 最初に病院でレントゲンを撮った時には気づかなくて骨折とは思ってもいませんでした。絶対出ようと思っていたのに、その後呼吸も普通にできない状態だったので…。東京選手権で好成績だっただけにすごく悲しかったです。

―全日本選手権出場に至った経緯を教えて下さい。
 特別に会議にかけて頂いて特別枠で出場出来ることになりました。それを聞いた時はうれしさと同時に不安もありましたね。スケートは1日休むと取り戻すのに3日かかると言われています。1ヶ月ずっと滑っていなかったので、体力的にも、感覚的にも今はまだ全部取り戻せていなくて焦りもあります。

―復帰のために、休んでいる間はどのような取り組みをしていましたか?
 休み中は自分のビデオを見たり、参考にしている選手、例えばキム・ヨナ選手や荒川選手のビデオを見たりして、ひたすらイメージトレーニングをしていました。

―グランプリシリーズなどは参考になりますか。
 なりますね。世界が認めている人たちがジャッジしているので、どういうところに目をつけているのかなど参考になります。出場選手もそうですし、演技もそうですし、すべてが参考になりますね。

―現在はどのような練習をしているのですか?
 まず、体力をつけるために、陸上トレーニングをしています。トレーナーがついていて、グループで筋トレをしたり走ったり…。スケーティングはつなぎつなぎで練習していますね。私は、前半が良いと後半が悪かったり、その逆であったり極端な場合が多いので、パーツごとでよくしていってつなげていく練習をしています。

―全日本で強調したいことは何ですか?
 まずはスパイラルやステップですね。ステップは振り付けの先生に練り直して頂いて強化に励んでいるところです。それが本番でもきちんと出せたらいいですね。あとはやはりジャンプの成功率を上げることです。私は、先日のNHK杯で3位になった武田奈也選手(早大)と、跳べるジャンプの種類は同じなのですが武田選手の演技を見ていて、多くの種類のジャンプが跳べなくても、ジャンプ以外のもので補っていけるのだと分かりました。だからやる気が出ましたね!

―直接のライバルなどはいるのですか?
 特に意識はしていないですね。挙げるとしたら東日本の1位の選手でしょうか。でも、やはり自分自身がライバルだと思います。変に意識してしまうとそればかり気になってしまって自分の演技ができないと思うので…。ライバルは自分です!

―では、全日本選手権への意気込みを聞かせて下さい。
 全日本に出させて頂けることは自分にとってうれしいことでもありますし、怖くもあります。全日本には有名選手もたくさん出場しますが、自分は同じ土俵に立っていないつもりで、何も考えないようにして挑戦していきたいです。そこで、ノーミスの自分の演技をして、行けるところまで行ってみたいです!

―最後に、ファンに一言お願いします。
 一試合ごとにうまくなっていけるように頑張るので応援よろしくお願いします。

取材中、言葉を一つ一つ選びながら丁寧に話す望月。文武両道がモットーである彼女は学業とスケートも立派に両立させている。今は遅れを取り戻すために、授業の合間をぬってはスケートリンクで練習に励む、素顔は頑張り屋さんの普通の女の子だ。彼女の頑張りが全日本で大きな花を咲かせることを願ってやまない。

◆望月梨早 もちづきりさ 情コミ1 新宿西高出  155cm