(2)安西信昌

1999.01.01
今回は主将としてチームを引っ張ってきた安西にせまる。

昨年逃した天皇杯へ

 昨年は内閣総理大臣杯で5位に終わり天皇杯出場権を獲得できなかった安西(法4)。「不完全燃焼だった」と悔し涙を流し、「来年は絶対勝つ」と闘志を燃やしていた。11・8~9に行われた全日本大学選手権で3位以内に入れば天皇杯への切符を獲得できたが結果はまさかの予備戦敗退。しかし、今年は監督推薦枠により天皇杯への出場が決定した。今までの戦いを振り返ってもらい、心境を聞いた。

――今年の1年の戦いを振り返ってどうですか?
 「試合数が少なくて良いところを出せたり出せなかったりとさまざま。自分のスタイルはコンディションが重要だからね。だから、しっかり準備ができたときは良かったけど……」

――昨年は内閣総理大臣杯5位で天皇杯への出場権を獲得できませんでした。そのときの気持ちは?
 「(この負けは)体力不足が原因だった。この負けがきっかけになり、体力がついた。昨年よりは絶対に強くなっている自信があるよ」

――監督推薦で天皇杯出場が決定しましたが?
 「(出場選手の中には)勝っている選手もいるし、特に感動はない。やってきたことをすべて出すだけ」

――学生だけの大会とは違い、ハイレベルな戦いになりますが?
 「いつもと気持ちは変わらない。普段どおりやるだけ」

――天皇杯での目標は?
 「優勝したいというよりか、強い選手に勝ちたい」

「強くなっている」

 6月に行われた明治乳業杯を経験しているからか、天皇杯という大舞台にも臆することはない。夏のインカレでは2回戦敗退、内閣総理大臣杯では予備選敗退と個人では目立った成績を残せていない。だが、力がついていないわけではない。リーグ戦では主将として、チームの柱として強豪校相手でもただ一人勝利してきた。そのため、「昨年よりは絶対に強くなっている」と自信をのぞかせる。

――昨年との違いは?
 「今年は主将としてチームを引っ張ってきた。1年間通してトレーニングがしっかりできたし、力を発揮する準備はできている」

――この1年間どのようなことを意識して練習をしてきましたか?
 「1つのことにこだわらない。技にしても考え方にしてもこだわるのは大事だが、それにかたよってしまうし、自分の幅が狭まる。レベルアップのために挑戦したし、意識してやってきた」

夢へ向かって
 2年次にはアジア大会に出場し「また世界で戦いたい」と語る。今大会は北京へつながるため、ハイレベルで厳しい戦いが予想されるが、再度世界へ行くチャンスだ。また、来年からは総合格闘技を目指す安西。そのために今大会で成績を残し、アピールしたいところだ。

――また日本以外で戦ってみたいですか?
 「世界で戦ってみたいね」

――それはなぜ?
 「うーん……より強いところで戦いたいからかな。本能だと思う」

――総合格闘技を目指すということで、今大会で成績を残したいという思いはありますか?
 「チャンピオンになれれば名前が売れるから上位を狙いたい。自分が納得できる戦いができれば勝てると思う「

――観客がとても多い試合になると思います。自分の見てほしいところはどこですか?
 「96kg級のわりに動くとこ。タックルでしょ!」

――それでは最後に応援してくれる人へいとことお願いします。
 「もっと応援してくれ!声援が力になる。応援に応えられるようにがんばります!」

 力を発揮するためには「準備が重要」と語っていた安西。今回はその準備が整っている。大学生として最後の大会になるため「有終の美を飾る。悔いの残らないような戦いをしたい」と闘志を燃やす。今まで積み重ねてきたものをすべて出せばおのずと結果は表れるはずだ。そして、総合格闘技という新たな道が開けるだろう。安西が有終の美を飾ることを期待したい。

◆安西信昌 あんざいしんしょう 法4 国学院久我山高出 174cm・97kg