(1)青木太志

1999.01.01
 今回は安西に代わり、主将に任命された青木にせまる。
不振の前期
 昨年の国体では3位、そして内閣総理大臣杯では2位と好成績を残してきた青木主将。高校時代無名だった青木主将にとっては大躍進をした。高校生時代に有名選手から聞いた「懸垂をすれば強くなれる」という言葉を信じ、1日100回の懸垂。また、力を付けるためにウエイトトレーニングを重ねてきた。このような影の努力が結果に結びついた。

――この1年間の戦いを振り返ってどうですか?
 「春のリーグ戦ではいい戦いができず、チームに貢献できなくて申し訳なかった。夏のインカレではありえない負け方をしてすごく悔しかったけど、内閣総理大臣杯では結果(2位)を残せてよかった」

――2位になったときの心境は?
 「正直うれしかった。でも、今振り返ってみるとやっぱり優勝したかった。相手はあんまり強いと思わなかったし」


――前期に結果を残せなかった原因はなぜだと思いますか?
 「すごく調子が悪かった。気持ちの問題かな?今は調子が上がってきてるけどね」

――調子が上がってきてるのは気持ちの変化があったからですか?
 「3年生になってもうあと1年で終わっちゃう。せっかく体育会に入ってるんだし、いい成績を残したいな~って思って」

大学での躍進

 前期は不振に終わった青木主将。84kg級のチームの代表としてリーグ戦に出場するも調子が悪くチームに貢献できなかった。しかし今は違う。不振を払拭すべく日々練習に励み進化し続けている。高校時代は目立った成績を残せていなかった青木主将がなぜここまで成長することができたのか。

――大学に入って急成長しているがなぜだと思いますか?
 「明治には実績がある選手がたくさんいて、その中でまじめにやってきたからかな」

――自分自身で力がついたと感じますか?
 「高校の時の自分とやったらボコボコにできると思うよ(笑)」

――なぜ強くなったと感じますか?
 「以前は試合で勝てなかったけど、今は勝てるようになった。自分の技が掛かるようになったしね」

――この1年間意識して練習してきのはどのような部分ですか?
 「とにかく攻めること。攻めのスパーリングをやってきた。チーム全体がそうなったし、みんな格闘家になった」

――昨年より成長したと思うところはありますか?
 「高校の時からずっと進化してるから(笑)。メンタル・フィジカルすべてにおいて右肩上がり!」


――ほかの選手には負けないと思うところは?
 「負けたくないという気持ち!」

大舞台・天皇杯へ

 6月に明治乳業杯に出場したが、このときは調子が悪く思うような結果を残すことができず悔しい思いをした。だが、今まで調子はずっと「右肩上がり」と自信をのぞかせる。またやってきた大舞台・天皇杯。高校時代からは考えられなかったであろうこの大会。どのような思いで臨むのだろうか。

――天皇杯という大舞台で戦えることに関して思うことはありますか?
 「ついにファイナルステージに来たかという感じ」

――社会人もいてハイレベルな戦いになりますが?
 「ワンランク上の大会だからみんな強い。気を引き締めていかないと」

――大舞台で緊張することはありますか?
 「天皇杯だからといって特別ない。試合だから緊張はするけどね」

――天皇杯での目標は?
 「優勝したいとか言うより、相手に全力で一戦一戦集中して戦いたい」

感謝の気持ち
 福岡から上京し、明治に来た青木主将。そのため「東京に送り出してくれたことに感謝している」という。ここまで成長してきたのはこのような気持ちを持っているというのもあるだろう。試合で賞状を取った時には親に送るなどしているほど感謝しているのだという。

――賞状をまた親に送りたいですか?
 「もうすぐ解散だし、もって帰りたいかな」

――やっぱり、天皇杯でも賞状を取りたいですか?
 「取りたいけど、取れたらヤバイ!」


 本人が言うように、実績から言うと高校時代から「右肩上がり」。前期は力を出し切れなかったが、気持ちの変化もあり今大会は違う。内閣総理大臣杯2位から調子はよく波に乗っている。だが、学生2位という結果にも「優勝したかった」とこれまでの結果には決して満足はしていない。納得のいく結果を出すために、今まで練習してきた「攻めのレスリング」ができれば結果は現れるはずだ。この大舞台で青木主将がどのような活躍を見せてくれるのかが楽しみだ。

◆青木太志 あおきたいじ 文3 東福岡高出 175cm・84kg