強豪・東海大を追い詰めるも敗れて3位/東京学生優勝大会

2024.05.28

 2回戦から出場した明大は順当に勝ち進み、準決勝に進出。絶対王者の東海大を相手に粘り強い試合をみせ、代表決定戦まで持ち込むも、あと一歩のところで届かず3位で大会を終えた。団体優勝の夢は6月の全日本学生優勝大会に向けて弾みをつけた。

◆5・26 第73回東京学生優勝大会(日本武道館)
▼明大――3位

 初戦の相手は青学大。奥田泰地(法1=崇徳)や片山涼(政経1=國學院栃木)、工藤悠祐(政経1=廷岡学園)などの1年生を積極的に起用し、7―0で圧勝し好調のスタートを切った。続く2、3回戦においても、帝京科学大と法大を相手に立て続けに勝利。相手に1ポイントも取らせることなく堅実にベスト4へと駒を進めた。準決勝の相手は東海大。東海大は前回大会の王者であり、昨年の全日本学生優勝大会の準決勝で明大が敗北を喫した大学である。明大は絶対的王者を相手にリベンジを挑んだ。

 中濱真吾監督は「選手には、なるべく失点を避けようと言った。全員が引き分けて代表戦に持ち込んでもいいから、しぶとく戦おうとも伝えた」と試合前に選手を鼓舞。それに応えるように、先鋒の嶧田遼太郎(商2=高川学園)は序盤から拮抗した勝負が続く。試合の結果は引き分けであったが、王者相手に粘り強く戦う姿勢が垣間みえた。続く次鋒の黒川響(政経4=習志野)も同様に引き分けた。五将は田中愛斗(商3=九州学院)。積極的に投技を仕掛けるも、相手に背負投をきめられ、一本負け。東海大が1ポイントを獲得し、明大は1点を追う不利な状況になる。続く中堅の千野根玄貴(経営2=桐蔭学園)も拮抗した勝負を見せたが引き分けた。どうしても得点がほしい明大は、三将の徳持英隼(政経4=崇徳)に希望を託す。序盤から相手に投技を仕掛けられ、耐え忍ぶ状態が続く。この試合も引き分けのまま終わると思われたが、試合終盤で徳持が均衡を破る。試合時間残り36秒の時点で、素早い動きで相手に裏投をきめた。これが一本勝ちの判定となり、東海大との試合は振り出しに戻った。

 その後、副将の伊澤直乙斗(政経2=習志野)と大将の井手翔真(政経2=廷岡学園)は立て続けに引き分けた。この時点でポイントは1―1となり勝敗が決まらなかったため、勝負の行方は代表決定戦へ。明大からは再び徳持を起用。序盤から疲れを感じさせない攻めの姿勢をみせ、試合の残り時間35秒の時点で投技をたたみかける。しかし惜しくも技を決め切ることはできなかった。4分間でも勝負は決まらず、試合はGS方式に差し掛かる。先ほどに引き続き攻めの姿勢を崩さない徳持であったが、徐々に疲れが見え始める。そして試合開始から3分18秒、徳持は投技を仕掛けるも相手に切り返され一本負け。明大は東海大に敗れ3位で大会を終えた。

 東海大には敗れたものの大会を通して得たものは大きい。「今日の試合の内容は相手選手と1対1で競り合っていたものだったので、自分たちも強くなっていると感じられた」(徳持)。6月には全日本学生柔道優勝大会が行われる。今日の試合を自信に、次の大会こそは優勝を成し遂げたい。

[武田隼輔]

試合後のコメント
中濱監督
――全体を振り返ってみていかがでしたか。
 「組み合わせを見たときに、東海大との試合が山場になると感じていたので、そこでどれだけ勝負できるかが肝だと思っていました。正直、試合前は分が悪いと思っていましたが、代表戦までもつれ込んでいい勝負ができたのは収穫だったと思います。出場した7→7人は力をつけていると感じました」

――今年度のビジョンについて教えてください。
 「去年の森(健心・令6政経卒)、朝廣(隆翔・令6商卒)、福永(夏生・令6政経卒)の3選手が抜けて、新チームでしたが、ある程度の手応えはありました。誰かが必ずポイントを取るというようなポイントゲッターがいるわけではないので、しぶとく取る所はとる、引き分けるところは引き分ける、きちんと役割を果たすということは選手に伝えています」

――今年度の具体的な目標について教えてください。
 「去年の10月の尼崎の全日本学生体重別団体優勝大会で準優勝だったので、今年こそは悲願の優勝を達成するという思いをみんなには共有しています。そのモチベーションで日々練習しているので、団体日本一を目標に全員でやっていきます」

徳持
――大会全体の振り返りをお願いします。
 「試合の前半で得点をとって流れを作るというのをチームの全体で意識していました。東海大との試合以外はその流れできていたので、これがこの大会で準決勝まで勝ち上がることができた勝因だと思います」

――東海大との試合を通して得た課題を教えてください。
 「得点力が足りないと思っていて、取れそうなところできちんと得点ができれば、 もっと楽に戦えると思います。東海大戦に限らず、試合の前半で流れが作れなかった場合、明大は勝ちづらくなる課題があります。前で流れを作れなかったならば、次は真ん中や後ろで得点をあげて試合を作っていくことができるように、次の大会までには改善したいです」

――今年度の目標をお願いします。
 「学生としての最後の年になります。団体戦での日本一はもちろんですが、個人戦の方でも結果が残せるようにチーム全体で頑張っていこうと思います」