
今季初黒星 大学王者まさかの初戦敗退で散る/天皇杯全日本選手権
関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)を開幕から5連勝で駆け抜けてきた明大。今大会には、昨年度の全日本大学選手権(以下、インカレ)優勝でつかみとったアマチュアシードとして出場した。しかし試合は75分に先制を許すと、そのまま得点を奪えず0―1で試合終了のホイッスル。4年ぶりの天皇杯全日本選手権(以下、天皇杯)は初戦敗退で姿を消すこととなった。

2019年以来の天皇杯出場。「天皇杯本選に出られるのは、昨年度の4年生がインカレ優勝を自分たちに残してくださったおかげ」(中村)と今大会に懸ける思いも強かった。しかし「前半はチームとして明らかに明治のサッカーができていなかった」(熊取谷)。序盤から相手にボールを持たれる時間が続き、相手ペースで試合が進んでいく。リーグ戦で失点数3と最小に抑えている筑波大の堅い守備を崩すことに苦戦し、なかなかチャンスをつくり出すことができない。27分、唯一のチャンスシーンであった藤森のシュートもゴール上に外れ、スコアレスで前半を折り返した。

「もう一度全員の頭をそろえよう」(常盤)と後半に入ってからは立て直しを図り、前半は抑えられていたシュート数も後半に入ると筑波大の4本を上回る6本を放ち、攻めの体制に入った明大。71分には今試合初の枠内シュートを熊取谷と藤森が立て続けに放つなど、確実にチャンスは多くなっていた。しかし75分、コーナーキックから先制を許してしまい、これが決勝弾に。失点直後に3人の選手交代を行いなんとか追い付きたい明大だったが、0―1で試合終了。まさかの初戦敗退となった。

今季に入ってから初の黒星となった今試合について、栗田大輔監督は「リーグ戦で勝っているという過信や、勝てばJ1クラブと対戦できることなど、心のスキがあった」と語る。それに対して中村主将も「外的要因に対して、自分たちのやるべきサッカーができずにいた。慢心という意味で、監督はこうおっしゃったのだと思う」と精神的な面での課題をあらわにした。これからもリーグ戦は続いていく。次戦は6月1日に行われる中大戦だ。今試合で味わった苦い思いと学びを経て、新たな気持ちで勝ちをつかみにいく。
[下元天花]
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