悔しくも4連覇逃し、シーズン終了/全日本学生選手権
初戦シードで2回戦から出場の本学。吉田、本藤(政経4)を中心にスキのない拳法で相手を粉砕していく。王者の貫録を見せつけ、他大を寄せ付けずに準決勝まで駒を進めた。準決勝で迎え撃つは強豪・関大。先鋒(せんぽう)戦、学生王者である友中相手に後山(営2)は粘りの試合を見せるも、2本先取され敗退。続く尾川(政経2)、内山(法3)は共に2―1の接戦を制し、試合を盛り返す。勢いづいてきたかに見えた本学だったが、中堅・長江(政経3)が倒されてからひざをたたき込まれ、ここまで2勝2敗。試合を控えるは黒田主将、本藤、吉田であり、4連覇の偉業達成は4年生らに委ねられる形となる。
黒田主将の参将戦。早々に突きが交錯するもポイントは相手に入る。そして「調子が悪く、上がっていた」(黒田)と続けざまに右面突きを食らい大事な一戦を落とす。後がなくなった副将戦。本藤は左胴げりで先制するも勝ち急ぎからか、スキが生じ、直後に右面突きを2度入れられ逆転負けを喫した。「落ち着けば勝てた」(本藤)。この時点で本学の負け越しが決定。大将戦で吉田は勝利したものの結果は3勝4敗。快挙達成には至らず、王座陥落の瞬間、選手らは泣き崩れた。「勝とうという執念が、一体感が関大にはあった」(一ノ宮コーチ)。
試合後に廊下で牧コーチらOB陣が「最後に勝って4年生を快く送り出してやれ」と言葉を掛ける。試合はまだ終わったわけではない。残された中大との3位決定戦、鼓舞され、気持ちを入れ替えて臨むことができた本学は本来の動きを取り戻し、そこには躍動感に満ちあふれる選手たちの姿があった。黒田主将はかねて「友中よりも強い」と称していた高野との対決を制し、吉田は乱打戦の末、夏山を破るなどして、執念を感じさせる闘いぶりを見せる。「最後に伸び伸びと楽しく拳法ができた」(黒田)。終わってみれば6勝1敗と中大を相手に圧勝。10月の東日本での雪辱を果たし、最後にその強さを示して終わることができた。
4連覇に及ばなかったことに「連覇を果たしてきた先輩たちに申し訳ない」(吉田)と悔しさをにじませる4年生たち。だが最後の最後に明大拳法部の名に恥じぬ拳法を後輩らに見せられたことは大きい。そして今年の無念は必ずや内山を中心とした下級生が晴らしてくれるはずだ。「来年は3連覇した中栄前主将(なかえ・平19政経卒)たちの代のように、また今年のように楽しくやれる部分もいれながらやっていきたい」(内山)。明大拳法部は間もなく新体制になり、王座復権に向け歩みを始める。
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