リーグ最終戦。残り2秒の逆転勝利/関東大学リーグ戦

 一昨年、昨年と実に2連敗を喫している慶大を迎えての最終戦。特に昨年は今年と同じく最終節で対戦し、勝てば優勝という大一番での敗退だった。今年も両者の意地と意地が激突したこの試合。ドラマは最後の12分間に待っていた。

 迎えた前半。慶大に先制を許すも、本学は喜代吉(理工2)のランでタッチダウンを奪い、すぐさま同点に追いつく。すると、試合は取って取られてのシーソーゲームに突入。慶大はランとパスを織り交ぜた攻撃で襲い掛かる。本学も必死のディフェンスでこれに応対するが、終盤にフィールドゴールで3点を追加され、7-10というスコアで第1クオーターが終了。続く第2クオーターでは、開始1分に小谷田(政経1)が逆転のタッチダウンを決める。対する慶大は、その直後にキックオフリターンタッチダウンを奪い、点差は14-17と再び3点差に。その後もお互いにタッチダウンを1本づつ成功させ、両者譲らぬまま、試合は後半戦に突入する。

 明治の攻撃で始まった第3クオーター。開始早々に本学はロングパスを狙うも、相手選手にインターセプトされ攻撃権は慶大へと移る。しかし、直後にLB横井(商3)が相手のファンブルを抑えるビックプレー。再び攻撃権を手にした本学は、強力なランプレーを中心に攻撃を組み立て、着実にゲインを重ねていく。

 運命の第4クオーター。なおもゲインを重ねる本学は、RB喜代吉がタッチダウンとトライフォーポイントのキックで7点を追加する。28-24。このまま試合が終わるかと思われたその時、本学に大きな試練が訪れた。

 「相手の選手が気になってしまって・・・」(喜代吉)。慶大のパントキック。空高く蹴り上げられたボールの落下点には、喜代吉がいた。空を見上げる喜代吉をめがけて、猛然と走り来る慶大の選手たち。1度は喜代吉の腕に収まったはずのボールは、無情にもピッチに転がった。慶大のタッチダウンにより得点は28-31。試合時間は残り約5分。だが、湧き上がる慶大の応援席をよそに、選手たちは落ち着いていた。「こういう接戦では気持ちで負けたらいけない」(喜代吉)。

 そしてチャンスが訪れる。パントをすると見せかけた小薗(営4)がそのまま中央へランを敢行。このプレーでファーストダウンを獲得した本学は、ここから怒とうの攻撃をみせる。喜代吉も「絶対に負けたくなかった」と、ミスを取り返す意地のランで慶大を圧倒し、ついにエンドゾーンまであと1ヤード。点差は3点。そして歓喜の瞬間が訪れる。試合を決定付ける逆転のタッチダウンを決めたのは、QB田中(蔵・政経1)だった。「前があいていた。だから勝手に走っちゃいました」(田中(蔵))。34-31。電光掲示板に表示された残り時間は、“0:02”。さすがの慶大にも、反撃する時間は残されていなかった。
 
 「安心しました」。試合後、そう語った田中(希)主将(政経4)の目には涙が浮かんでいた。「泣きすぎました。うれしい、うれしいって感じです」(喜代吉)。「嬉しい。最後に点が取れてよかった。下級生が本当に頑張ってくれた」(米山)。涙と笑顔とそれから安堵と。戦い終えた選手たちの顔は喜びと満足感とで満ちていた。「笛が鳴るまで出来ることはある。最後の逆転は今までで最高のドライブだった」(田中(希)主将)。諦めない気持ちと、勝利への飽くなき執念が生んだ、劇的な逆転勝利だった。

 またリーグ戦全試合を終了して、RB喜代吉がラッシング記録個人1位に輝いた。「チームが勝ったことのほうが嬉しい。でも、自分がいる間は1位を取り続けたい。」(喜代吉)。

 チームも5勝2敗のリーグ2位。この結果、来月8日に宮城県で行なわれる、東日本大学王座決定戦(シトロンボウル2007)で北海道大学と対戦することが決定した。「昨年は苦戦した相手。来年に向けて良いスタートがきれるように頑張りたい」(田中(希)主将)。泣いても笑っても、次の試合がこのチームで4年生とプレーできる最後の試合になる。「最後に勝って、気持ちよく終わりたい」(米山)。笑顔でシーズンを締めくくるために、そして新たなスタートを切るために、思う存分アメフトを楽しんでほしい。