(1)仲間思いの副将・吉田

1999.01.01
 「楽しく拳法をしよう」を合言葉に、黒田主将(営4)と共に部を支えるのは頼れる副将・吉田大地(政経4)だ。吉田は、常に拳法と仲間に対して真正面から向き合ってきた。
―苦悩の1年 
 今年は、プレー面で苦しむことが多かった。9月までの成績を見ると、個人戦では初戦や2回戦敗退が多く、団体戦でも決勝戦などで引き分けや敗戦など、好ましい記録を残すことができずにいる。大学4年目、最高学年のプレッシャーは想像以上に大きく、と話すも、今まで経験したことのない長きに渡る不調が、「試合のたび妙な緊張に襲われる」と吉田を強く動揺させる。
夏からはコーチ直伝のジャブ(突き)の練習をひたすら続け、突きの精度を高めることに成功。練習の成果は技術面の向上だけではない。「自分の感覚が戻ってくるのが実感できた」と話す通り、10月末の個人インカレでは鋭い突きで相手を次々に下し、本来の実力を取り戻した結果ベスト8に輝いた。
―仲間がいたから 
 高校時代からのチームメイトである黒田主将(営4)と共に“上も下も本音で言い合い、一人ひとりが楽しんで拳法をすることができる部”にすることに力を注ぎ、一人ひとりの自主性を重んじ、拳法を楽しむことを強調してきた。また「同期で一番しっかり者。後輩の様子も一番把握している」と黒田主将に言わせるくらい、後輩指導も行き届いている。その結果、「仲間同士へアドバイスする機会が増え、全体練習後に残って個人練習をする者や、仲間を誘ってみんなで組み練習をするようになった」と話し、彼らの熱意にこたえるように部員全員で楽しみながら拳法をしている。「後輩たちは心身ともに強く、自分たち4年をサポートしてくれる。同期は、部活以外でもずっと一緒にいるくらい仲が良く、互いに支えあえる。大切な後輩と同期と拳法をやれることが誇り」。仲間の存在が吉田を強くし、チームの関係も強いものになった。
 「いままで頑張ってきたのは、みんな団体インカレで優勝するため。自分の全ての力をかけて優勝をつかむ」。そう強く語った吉田は、大好きな仲間達と共に今年も大学王座を目指す。

◆吉田大地 よしだだいち 政経4 大阪高出 178cm・75kg