男子エペ3位に終わる 1部昇格は持ち越し/関東学生リーグ戦

2024.05.16

 悲願の1部昇格はかなわなかった。関東学生リーグ戦も終盤を迎え、明大からは男子エペが出場した。2部優勝が入替戦への絶対条件となる中、初日に2敗を喫する苦しい立ち上がり。気を引き締め直し迎えた2日目は、見事2勝するも結果は3位。2部への残留が決まった。

◆5・8〜16 関東学生リーグ戦(駒沢体育館)
▼男子エペ2部 明大――3位

 昨年度は2部全勝優勝を果たすも入替戦で敗れ、1部昇格を逃した男子エペ。9年ぶりの1部昇格に向け2部優勝を狙っていた明大だったが「自分たちでどうにかできる部分で対応できず、ミスが目立ってしまった」(篠田真吾・政経2=富山県立福岡)。新チームでの初陣ということもあり、ベンチワークによるミスが多出。流れをつかめず2敗を喫し、初日にして1部昇格の夢が途絶える波乱の幕開けとなった。

 気持ちを切り替え迎えた2日目。初戦の東農大戦を危なげなく勝利し、迎えた最終戦の相手は日体大。序盤から順調に流れをつかむと、4ゲーム目までリードをキープする。しかし徐々に相手が追い上げを見せると、5セット目で大浦成之(営3=米沢中央)がまさかの10失点。相手にリードを奪われるとその後も点差を縮めることができず、28-31の3点ビハインドで8セット目を迎えた。これ以上の点差は許されない緊迫した場面。しかし次に控える篠田は「マイナスの状況で自分に回ってきて、そこから自分のやらなければいけないことが決まって、集中できた」とあくまで冷静だった。落ち着きながらも攻めの姿勢を貫くと32―32と試合を振り出しに戻し、命運は最終セットに出場する村田一公(理工3=米沢中央)に託された。プレッシャーが大きくかかる場面だったが村田は「3点以内で仲間が帰ってきてくれたら絶対に勝つ自信があった」と強靭(きょうじん)なメンタルで試合に挑んだ。積極的な姿勢で相手を圧倒すると、序盤からリードを奪う。その後、一度は相手の追い上げに苦しむも「相手はアタックが強い相手だったので、ずっと相手に剣を向けて剣で相手を惑わして点を取ろうと思ってやった」と冷静に相手を分析し、再びリードを奪う。そこで勢いに乗った村田は終盤で相手を突き放し、終わってみれば45―38と7点差をつけ見事勝利。激戦を制しリーグ戦最終戦を白星で飾った。

 2部残留という悔しい結果となった今大会。しかし、チーム力の未熟さが敗因となった初日に比べ2日目は「ベンチワークもだんだん良くなってきて、途中負けていたときもしっかり声を出して他の人たちにいい動きをさせてあげるための声掛けができた」(篠田)と今度はチーム力で勝利をつかみ、チームとしての成長を見せた。さらに今大会での敗北をきっかけに「今まではそれぞれのメンバーが自分の課題だけに焦点を当てて練習していたこともあり他のメンバーの試合で具体的なアドバイスができなかったので、もっと的確なアドバイスができるようにしなければいけない」と次戦に向けた改善点が明確になるなど、多くの収穫を得る大会でもあった。

 次なる戦いは関東学生選手権(関東インカレ)。今回の悔しさをバネに、更なる成長を誓う男子エペの今後に期待だ。

[佐藤あい]

試合後のコメント
村田
――今回の試合を振り返っていかがでしたか。
 「今回は戦い方が分かったというか、とにかくずっと距離感や剣を鋭くというのを意識して、自分からペースを作っていけたと思います。最終戦の9セット目は3点以内で仲間が帰ってきてくれたら、絶対に勝つ自信があったので。日々の練習で昨年度よりも強くはなっていたのでその実力を100パーセント出せるようにというのだけを考えてやりました」

――来年度のリーグ戦に向けた意気込みをお願いします。
 「日常の練習からみんなとコミュニケーションを取って、みんなの弱いところとか強みとかを共有して、信じ合えるような関係性を作っていきたいと思います」

篠田
――最終戦、同点に追いついた8セット目をご自身で振り返っていかがでしたか
 「やっぱり自分で狙っていたことができたっていうのと、点数を取った時に後ろとかベンチを見て、たくさんの人が応援してくれているのを見てとてもうれしかったです。もう1点頑張ろうっていう気持ちになりました」

――次の団体戦は関東インカレですがそれまでに何を強化したいですか。
 「今大会の試合を通して、点数の取り方が自分から行くのではなくて、相手が来たのに対してリアクションで取る感じでした。特に負けている時とかに自分から攻撃する技のレパートリーが少ないので、そこを増やしていけるように練習で培っていきたいです」