
明大対決は鈴木久の勝利 3人がベスト8へ/関東学生トーナメント4日目
関東学生トーナメント(以下、春関)4日目は、ベスト8進出を懸けてシングルス4人、ダブルス3組が出場した。明大対決など注目の試合が続く中、シングルスでは鈴木久統(政経4=湘南工科大付)、鈴木渚左主将(国際4=野田学園)が、ダブルスでは鈴木渚・五十嵐唯愛(政経3=四日市商)組が準々決勝に駒を進めた。
◆5・11〜17 関東学生トーナメント(有明テニスの森)
▼5・15
[男子シングルス4回戦]
〇鈴木久 2{6―3、6―1}0 山中(明大)
山中 0{3―6、0―6}2鈴木久(明大)〇
太田 1{1―6、6―2、5―7}2 高(日大)〇
[男子ダブルス3回戦]
鈴木久・大野組 0{4―6、4―6}2 小泉・高組(日大)〇
山中・村田組 0{6―7(5)、5―7}2 田中・中村組(筑波大)〇
[女子シングルス4回戦]
〇鈴木渚 2{6―2、6―4}0 渡邉(早大)
長谷川 0{2―6、1―6}2 沼野(亜大)〇
[女子ダブルス3回戦]
〇鈴木渚・五十嵐組 2{6―0、6―2}0 冨田・義基組(青学大)
【男子シングルス4回戦:鈴木久VS山中朝陽(文3=四日市工)】
ベスト8を懸けた戦いはくしくも明大対決となった。「対戦が決まりお互いベスト16に入れて良かったということを話した」(鈴木久)。試合はいきなり動く。ファーストゲームを鈴木久がブレークすると、続くセカンドゲームは山中がブレークを決める。荒れた試合展開の中迎えたゲームカウント3―1。「丁寧なプレーを心がけた」(鈴木久)と安定したストロークを見せラリーで優位を保つと山中のミスもあり4―1と差を広げる。「4―1にできてファーストセットはいけるなと思った」(鈴木久)。「追いつかないといけない展開になったときに消極的になってしまった」(山中)。リードを活かした鈴木久が6―3で第1セットを制した。セット間で山中は「相手が全然ミスをしないため、受けるか攻めるか考えた時に自分は攻めだと思った」と方針を定め第2セットへと望みをつなぐ。
第2セットも先制したのは鈴木久だった。「コートを広く使ってのディフェンスなど幅広いプレーをできたのが良かった」(鈴木久)。「リスクを取りながら打てる球を打とうと思っていたがなかなか難しく自分のミスだけが増えてしまった」(山中)。山中の力強い攻めたショットに対し鈴木久が守りつつもストレートやクロスに打ち分ける。激しい試合展開の末に立っていたのは鈴木久。ゲームカウント6―1だったもののスコア以上に競った試合内容だった。
明大対決だったからこそ得られたものがあったに違いない。「お互いにサービスゲームをキープできなかった」(鈴木久)。勝者も敗者もこの試合を明日につなげる。まだまだ成長をする明大から目が離せない。
【女子シングルス4回戦:長谷川晴佳(国際2=野田学園)VS沼野菜海(亜大)】

(写真:サーブを放つ長谷川)
ベスト8進出を懸け挑んだ試合は、成長が見えるゲームとなった。長谷川のサーブで始まった1ゲーム目から長いラリーの応酬が続く。しかし相手は昨年度関東学生選手権(以下、夏関)王者。正確かつ力強い球に押され、ブレークを許してしまう。その後も相手の流れにのまれるまいと粘り続けたが「少しでも甘いボールがいくとすぐに展開されてしまった」とミスが目立ち、ゲームカウント0―3まで引き離される。なんとか食らいつきたい長谷川は第4ゲーム、相手のサービスゲームながらラリーの主導権を握ることに成功。「自分が先にミスしないように」。まさに粘り勝ちでブレークに成功した。しかしその後は相手に動かされる展開が続く。1―5で迎えた第7ゲームではサービスエースもさく裂し1ゲームを奪い返すも、反撃むなしく2―6で第1セットを落とした。
第2セットも第1ゲームからブレークを許すなど終始相手のペースで進んだ。「相手はオールラウンダーで打てるし、ミスも少ない。強いボールに押されてあまりうまく展開できなかった」と4ゲームを連取されてしまう。しかし第5ゲームでは「サーブは予選のときはあまり良くなかったが、本戦2回戦くらいから少しずつ上げてこれた」と再び長谷川のサーブがさえわたる。サイドライン際にサーブを放つと、相手の体勢が崩れたところに強烈なストレートを打ち込みこのゲームを奪った。このままゲームを重ねていきたいところだったが、相手の粘り強さにミスを誘われゲームカウント1―6でベスト16敗退となった。
夏関王者相手に力の差を見せ付けられた長谷川。しかし「新進(関東学生新進選手権)までは本戦に上がれてもすぐに負けてしまうことが多かった。今大会では2次予選からベスト16まで上がれたので、すごく自信にもつながった」と確実に成長を見せている。全日本学生選手権(以下、インカレ)本戦出場を決めた今、さらなる高みを見せてくれるに違いない。
[高橋佳菜、保坂啓太郎]
試合後のコメント
鈴木久
――今試合の調子はいかがでしたか。
「今日は比較的良かった方かなと思っていて。1戦目からすごく調子悪くて、この春関が始まる前も過去1番ぐらい調子悪い状態で、対抗戦も勝てないことが続いていたのですが、その中でも試合の度にだんだん調子を上げていけたので良かったです」
――対戦相手はいかがでしたか。
「今日の対戦相手は明大の後輩でいつも普段から一緒に練習してるメンバーで、普段の練習は僕が勝つことが多いんですけど、その中でも相手は僕の情報を分かっているし、僕も相手の情報分かっているので、その中で僕の方がミスをせず丁寧なプレーをしていたかなと思います」
山中
――今試合振り返っていかがでしたか。
「同校対決でやりにくさもあったんですけど、思い切ってここまで来たらやろうと思ってました」
――本大会に向けて練習したことはありますか。
「下位シードに入ることは分かっていて、その上位シードとこの本戦を懸けて戦うっていうのも分かっていたので、そこを想定しながらやってきました」
長谷川
――今大会を振り返っていかがでしたか。
「自分が今まで苦手だった、粘ってラリーしてくる何人もの相手にしっかり勝てて、ここまで上がってこれたことは自信につながりました」
――インカレに向けて取り組みたいことを教えてください。
「以前よりは粘り勝ってポイントが取れるようになってきましたが、まだまだ足りない部分もあるので、左右に振られたときのコースだったり、コースの打ち分けだったり、チャンスは前に入って取り切ることだったりを強化したいです。あとはサーブリターンもまだまだ上の相手とやるには敵わないところもあったので、強化したいと思います」
関連記事
RELATED ENTRIES