有終の美 寺西の準優勝で幕切れ/全日本学生個人選手権 

 今大会も最終日を迎えた。+109キロ級の寺西洸志郎(営4=滑川)がトータル305キロで2位表彰。1日目以降表彰台から遠ざかる展開が続いていたが、明大勢から3人目の登壇となり、有終の美で試合を締めくくった。

◆5・10~12 第70回全日本学生個人選手権(はびきのコロセアム)
▼89キロ級
6位 道畑(S123 J161 T284)
12位 新井(S122 J140 T262)
▼102キロ級
8位 大久保(S123 J151 T274)
▼109キロ級
6位 辻本(S125 J148 T273)
▼+109キロ級
2位 寺西(S130 J175 T305)
※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル

 これまでセコンドとして仲間を鼓舞し続けてきた、新井陽生(政経3=尼崎工)がこの日の先陣を切る。スナッチ1本目は失敗に終わるが、2本目に同重量の挙上に成功。3本目でも自己ベストとなる122キロを挙上し、ガッツポーズで喜びをかみしめた。惜しくも140キロにとどまったジャークについては「詰めの甘さで取れなかった。また心を入れ替えて鍛え直したい」と、気を新たにした。

写真:スナッチを挙上する新井)

 「あまり望んだ結果では終われなかった」と結果に満足していない様子の道畑陽識(政経4=常翔学園)。スナッチは好調の中「微調整ができなかった」と、いまひとつ記録が伸びず。しかし「(日頃の練習で)寺西にアドバイスを貰って、かなりいい感覚になった」と話すジャークで、部門4位と見事に追い上げる。3本目で自己ベストとなる161キロを挙上するなど、粘り強さを見せた。

(写真:ジャークを挙上する道畑)

 102キロ級からは大久保直倖(法4=宇佐)が出場。取り組んできた練習の成果を発揮し、ジャーク2本目で自己ベストの151キロをマークした。続く3本目で5キロを加え、ふたたび記録の更新を狙うも失敗。「やれたと思う。一発で差し切れないのが自分の課題」。成長の実感とともに、悔しさも隠せなかった。

(写真:ジャークを挙上する大久保)

 大会は大詰めに差し掛かる。109キロ級では辻本侑矢マキシム(法2=家島)が健闘した。課題に挙げていた下半身の強化に力を注ぎ、安定性も向上。スナッチ3本目が失敗となり苦しい状況を強いられるも、好調のジャークに気持ちを切り替えた。2本目148キロまで難なくこなし、3本目ではさらに7キロを追加。自己ベスト大幅更新となる155キロに挑んだ。成功とはならなかったが「触れる重量も高くなってきていて、いい感じに進んできている」と、見通しは明るい。

(写真:ジャークを挙上する辻本)

 最後は、寺西が準優勝で大会を締めくくった。スナッチでは僅差で敗れ2位となるも「得意なジャークで、他の選手より1キロでも多く」と割り切った。ジャークを3本全て成功させ、部門1位と見事に逆転。総合優勝にはあと一歩及ばなかった。「この調子でケガをせず、これから体重を上げる分記録を伸ばしていければ」と、次への展望を語った。

(写真:ジャークを挙上する寺西)

  次の舞台は、東日本大学対抗選手権。「自己新(記録)が出せた人もいれば、なかなか出ずに悔しい思いをした選手もいる。次につながる試合ができたと思う」(小林辰光主将・農4=常翔学園)。大会まで残り2カ月を切った。果たして栄光をつかむことはできるのか。チーム明大に注目だ。

[松下日軌]

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