(12)‘06関東インカレ特集/関東大学選手権

~準決勝戦で見えた、今年の「四強」~

真のシーズン開幕!


 先日行われた関東インカレ準決勝戦。そこに顔をそろえたのはやはり「四強」(明治、早大、法大、東洋大)の面々だった。毎年、各大会で優勝争いにしのぎを削っているが、今年はこの準決勝戦が、公式試合でのそれぞれ初対戦となった。
 先に行われた明治対法大戦は、堅い守りで法大が逃げ切り勝利。続く早大対東洋大戦では、早大が勢いに乗り東洋大を押し切る形で勝利した。
 いよいよベールを脱いだ「今年の『四強』」。今回は準決勝での戦いぶりから、それぞれの特徴を分析していく。

●大黒柱とエースの不在が大きく響く『明治』

 法大に敗れ2年連続で決勝行きを逃した本学。今年はそれまでずっと主力として活躍してきた4年生らが抜け、戦力ダウンは否めない状況である。さらに今大会では大黒柱である菊池アイスホッケー部門主将(政経4)と、今やチームにとってかかせない存在となっているエース・梁取(政経2)の2人が、共にアイスホッケー世界選手権での日本代表に召集され不在。まだチームが固まっていないこの時期に、この2人が抜けたのは大きな痛手となったようだ。
 だが、代行キャプテンを務める浅利(拓・政経4)を筆頭に、下級生の頃からレギュラーとして活躍している選手も多く、実力的には他大に引けを取っているわけではない。彼らに必要なのはチームとしての形を整え、完成度を上げること。28日の3位決定戦ではなんとか復調へのきっかけをつかみたい。

●鉄壁の守りを武器に、悲願のタイトル獲得へ『法大』

 今年の法大の強みは何と言ってもその堅い守りだろう。準決勝第3ピリオド、反則が重なり法大は何度もピンチを迎えるが、その度にGK井上を中心にまさに鉄壁の守りを見せる。そのピリオドだけで法大の2倍以上のシュートを放った本学だが、彼らの守りに阻まれ遂にゴールネットを揺らすことはなかった。決勝ではスピードのある攻撃力が持ち味の早大と対戦する。自慢の守備力で相手の攻撃を止めることができれば、近年遠ざかっているタイトル獲得へ、道は大きく開けるはず。

●大型ルーキー加入で勢いを増す『早大』

 3年の久保や、小川。今大会は世界選手権出場のため不在だが、エース・上野も2年と若い選手が中心戦力となっていた最近の早大。さらに今年は大型ルーキー久慈が加入。先日の準決勝でも2ゴールし、その力を存分に発揮していた。また同じくルーキーの金子も新人離れした活躍で1ゴール1アシスト、チームの勝利に貢献した。
 準決勝対東洋大戦は、彼らルーキー達の活躍もあって8-5と確かな実力のある東洋大相手に力勝負で押し勝った。今年の早大が誇る大学屈指のFW軍団は、まさに最強と呼ぶにふさわしい。だがその反面、対東洋大戦でも5失点を食らうなど守備の面で不安を抱える。付け入るスキはそこにあるだろう。

●まさかの惜敗で大会連覇を逃した『東洋大』

 代は変わってもほとんど主力が変わらない東洋大。昨年の関東インカレ優勝校であり、今年連覇が期待されていた。だが、準決勝で早大とシーソーゲームを繰り広げた末に惜しくも敗退。気がつけば昨年の関東インカレ以降、タイトルから遠ざかっている彼ら。
 元々は確かな実力のある東洋大の選手達。彼らに流れが向いているときは、ぶ厚い攻撃で積極的に攻め立て、またしっかりとした守りで相手にスキを与えない。しかし重要な試合ではなかなか実力を発揮できないという短所がある。今年、彼らがこの短所を克服し一皮むければ、どこにとっても脅威となることは間違いない。